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じゅんけいさん。に。  作者: ジョウビタキ子


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1/13

ギャーッ ギャーッ


父との荷詰めの最中


娘は猛烈な眠気に襲われていました。


連日の疲れが溜まっています。


ではなく、


夜更かししたせいです。


どうしても


ゲームがしたかったんです。


自業自得ですが


詰めかけのきゅうりの箱に腕を置き、


おでこを乗せて突っ伏しています。




眠すぎる




初夏の空気ですね。


空の青と新緑が眩しいくらいなのに


風が吹くとひんやりしていて


絶好のお昼寝日和だと思います。


父のルーティーン


中島みゆきの声も


今の娘には子守唄です。




「もう眠いか〜?」




昼休憩には早い時間に突っ伏している娘に


父が珍しく声をかけて来ました。


ゲームをして寝不足とは言えません。


仕事をしなくては…




「だいじょうぶ」




むくりと起き上がって庭へ向かい


軽くストレッチします。


その時




ギャーッ‼︎ ギャーッ‼︎ ギャーッ‼︎




いつも以上の声量と


いつも以上の回数で


ムクドリがワーワー鳴いています。




何事?




そろりと見にいくと


電線から真下の地面に向かって鳴いています。


珍しい鳴き方です。


狙いを定めるように


真下の地面を見たまま顔を上げません。


娘がいても眼中にないようですね。




ギャーッ‼︎ ギャーッ‼︎ ギャーッ‼︎




まだ鳴き続けています。


真下に…何があるのですか?


気になりすぎて見ていると






『チリン』…っと鈴の音。






パッと音の方へ視線を向けると


黒い影がサッと横切りました。


ムクドリの顔も同じ方向に向きます。


娘は


黒い影が向かった方向へ


庭を横切って先回りしました。


気分は忍者です。


音を立てず


素早く動きます。


着いた庭の角で


そろりと覗いていると





トテトテトテ…トテトテトテ…ちょいジャンプ『チリン』…





っと、首輪をした猫が通ります。


なかなかのビックサイズ。


尻尾には白い輪の模様が2本入っています。


最近顔を見せなくなった


『みつわ』の親族かもしれません。


後ろ姿が可愛いですね。


鈴をつけた猫は


散歩の途中だったのでしょう。


もう見えないところへ


消えてしまいました。


それと同時に


嘴を閉じて鳴き声を発さなくなったムクドリ。




なるほど…猫を警戒していたのか…




絶賛子育て中のムクドリなので


警戒心MAXだったのでしょう。


一生懸命追い払っていたようです。


はい。


今年はしてやられました。


父が頑張って塞いでいたところが


ペロリと剥がれていたようで


いつの間にか成長したらしい


ムクドリの雛がわいわい鳴いています。




「もぉ〜また巣を作ってるぞ〜…雛が居るなら可哀想か…早く巣立ってくれ!」




と、困った様子でした。


ドンマイ。父。

















そう言えば


ギャーッ‼︎っと鳴いているムクドリの右側に


スズメが一羽飛んできたんです。


ムクドリが鳴くたびに


何故か少しずつ、少しずつ


ムクドリに接近するスズメ。




…野次馬?いや、野次スズメ?




謎の行動をしていたスズメも


すごく気になった娘です。


眠気は


スッキリ吹き飛びました。




野次スズメ


ギャーッ ギャーッ ギャーッ


一歩近づいて チュン

(ねぇねぇ どうしたの?)


ギャーッ ギャーッ ギャーッ


もう一歩近づいて チュン

(ねぇねぇ 何がいるの?)


ギャーーーッ‼︎


下から覗き込んで チュン‼︎

(ねぇってばー‼︎)






やめたげなよ。

ムクドリも必死なんだから。


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