善は急げ
-Main story- 7-4
by Sigure
翌日、改めて奈々美さんと話し合う時間をもうけた。
応接室は昨日に引き続き重い雰囲気が漂い、暗い顔をして座っている奈々美さんが座っていた。
私は彼女と向かい合う様に腰を下ろし、昨日の話の続きを始めた。
「昨日はごめんなさい。はっきりしない態度をとってしまって。」
奈々美さんは、俯いたままでこちらを見ようとしなかった。
きっとまた断られると思っているのだろう。
「あの後、色々と考えたの。それでね、村に行ってみんなと話をしようと決めました。」
私の肯定的な返答に驚き、顔をあげた奈々美さんの表情は明るかった。
「時雨さん‼︎ありがとうございます‼︎」
予想外の展開となり、奈々美さんはとても嬉しそうだった。
話をすると決めたのなら、気持ちが変わってしまう前にすぐ行動に移すべきだろう。
私は姿勢を正し、二人を見据えて言葉を繋ぐ。
「奈々美さん達がすぐに出発できそうなら、昼にここを出ましょうか。」
私の覚悟を受け取ってくれたのか、奈々美さんと颯真さんも姿勢を正し、力強い返事をしてくれた。
「はい!大丈夫です。」
「わかりました。」
応接室の窓から差し込む柔らかな日差しが、2人の晴れやかな表情を際立たせていた。
「では、決まりね。私は出かける準備をしてくるから、一旦失礼するわね。」
応接室を出てから、居間で待機していた仕斗に声をかける。
「今後の方針を立てたいの。執務室へ集まってくれる?ゴウちゃんもきてね。」
私は一足先に執務室へと向かい窓を開け、清々しい空気を胸いっぱい吸い込んでいた。
その後、私は執務室で仕斗と閤央を交えた打ち合わせを始めていた。
執務室は重厚な雰囲気なので気持ちが引き締まり、大切な話をするのに適した空間となっていた。
仕斗や閤央に情報を共有するため、奈々美さん達の事や魔族の動きについてなどの現状報告をし、それに伴った役割を各々に振り分けていく。
「今回は奈々美さん達もいるから一緒に歩いて村に向かうから、ゴウちゃんは残って陸と一緒に警戒を続けてね。」
「グルゥー」『まかせろ』
「了解。」
陸は閤央に〝お前の背にはもう乗らないからな。“っと釘を刺していた。
「空は私と一緒に北の村へ。私の補佐をしてちょうだい。」
「わかりました。お供いたします。」
空は〝役に立てるよう全力を尽くします。“と言ってくれ、
「海は留守番を。魔族の事は想輝様に伝えているから何かあれば対応をお願いね。」
「了解ー!お安いご用だね♪」
海は〝留守を守るのも大事だよね。“っと快く引き受けてくれた。
話し合いを終えた私達は解散すると、各々のやるべき仕事に取り掛かる。
私と空は出かける準備を整えると、そのまま奈々美さん達と共に北の村へと向かった。
太陽は高い所からさんさんと、私たちに光を届けてくれていた。




