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助っ人の登場

Main story 6-4

数日後、颯真さんが、屋敷を訪れてきた。


「こんにちは。お久しぶりです。立派なお屋敷になりましたね。」


前に訪ねてきた時はまだ一部しか出来上がっていなかったので、その違いを知る颯真さんは興味深々で屋敷を眺めていた。


「お久しぶりです。颯真さん、今日はどうされたのですか?」


颯真さんは制服ではなく、私服をきていた。


「あっ、そうですよね。」


颯真さんが目的を思い出し、鞄の中から封筒を取り出す。


「これを。越志さんからの返事です。」


どうぞっと手紙を渡してくれた。

待ちに待った返事だ。

ドキドキしながら手紙を開く。



『時雨へ

手紙読ませてもらった。ちょうど、時雨達と面識のある奴で、うってつけの男がいるんで、そいつを使ってくれ。

想輝には許可を得てあるから、気の済むまでそちらでこき使ってくれて構わんぞ。

越志』


内容を読み終え、颯真さんを見る。

手紙には面識のある人がいるからとしか書いてなく、名前が記されていなかった。

颯真さん以外、一緒に来ている人もいないようだし、どういう事なのだろうか。

何故か目が爛々としている颯真さんに訪ねてみる。


「あの、手紙の内容について何か越志さんから伺っていますか?人を紹介して欲しいとお願いしてたのですが、名前が書いてなくて。」


待ってましたっというように颯真さんは胸を張り、


「はい!聞いてます。」


颯真さんは、胸を拳で叩いていた。


「私です。私がお手伝いに参りました‼︎」


手紙に書いてある通り、颯真さんとは面識がある。


「越志さんからは、時雨さんの言う事は、想輝様のお言葉だと思って従ってこいと言われております。なんなりとお申し付けください。」


閤央に怯えていた颯真さんが、本当に狩りができるのだろうかと疑ってしまう。


「あっ、私が〝狩りなんてできるの?”的なこと考えてますか?お任せください。狩りのイロハはバッチリでございます。ちなみに、獣の捌き方なども知っていますのでお任せください。」


颯真さんに気持ちを読まれ、そんなに顔に出ていただろうか?と自分の未熟さを実感する。

常にポーカーフェイスでいられるように精進しなければ…。


「顔に出ていましたか、すみません。でも、颯真さんの手が借りられるとは心強いです。では、諸々の事情をお話ししますから上がってください。」


颯真さんを応接室へ案内し、今回の件について説明する。

私と村の者達は仲違いをしていて、私が関わる事を嫌がっていること。

だから、皆に知られないように行動をして欲しい旨。

獣の仕留め方や捌き方などを一から教えてあげてほしい事を伝えた。


「という事なので、しばらくは村に滞在してもらいながら、村人達へ諸々の指南をお願いしたいのです。」


全ての恥をさらけ出し颯真さんにお願いする。


「そんな事になっていたのですね。わかりました。しっかりと指導してきます。」


颯真さんが、快く受け入れてくれたことに安堵する。


「日持ちしそうな食料などは準備しますので、一晩ここでゆっくりしていただいて明日からお願いします。」


颯真さんは、力強く頷いてくれた。


「了解いたしました。では、お言葉に甘えさせていただき、今日はゆっくりさせてもらいます。」


話がまとまり、ホッと胸を撫で下ろしていると、開けた窓から、閤央の鳴き声が聞こえてきた。


「ぐるぅー」 『今日はイノシシだぞ。』


鳴き声が聞こえてきて、颯真さんはビクついていた。

その光景を見て、私は思わず笑ってしまう。


「閤央の事はやっぱり怖いんですね。獣の相手が出来るのに不思議です。」


颯真さんは恥ずかしそうに頬をかいていた。


「これは別ものですよ、時雨さん。」


再び鳴き声が聞こえたかとおもうと、閤央が窓から顔を出す。


「ぐるぅー」 『颯真が来ているのか。』


閤央の姿を見て、颯真さんは、後ろに飛び退き顔を引き攣らせていた。


「こっ、こんにちは。お邪魔してます。」


小さな声で、閤央に挨拶する姿を見て再び笑ってしまった。


「時雨さん、笑いすぎですよ。」


颯真さんは、罰が悪そうな顔をしていた。


「ごめんなさい。」


笑いを堪えながら、来てくれたのが颯真さんで本当に良かったっと、人に恵まれていることに感謝をしたのだった。

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