↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
15/18

15

次に目を覚ましたのは、夏のお盆の時期だった。

どうやら、一ヶ月以上眠っていたらしい。


ショーケースの中から見渡してみると、一つだけ風景が変わっていた。

向かいにあった洋菓子店が、跡形もなく消えていたのだ。


不思議に思って他の和菓子たちに尋ねてみると、

私が意識を失った日の夜、店は突然閉められ、

翌朝には、もぬけの殻になっていたという。


夜遅く、黒いパーカーを着たフードの者たちが何人も出入りしていたという話も聞いた。

おそらく──お団子教の関係者だろう。

それ以上のことは、私には関係ない。

彼らがもう問題を起こさず、食べ物を粗末にしないのなら、それでいい。


……ただ一つ願うとすれば、

「邪神」などという歪んだ歴史は、そっと風化してくれるとありがたい。


そんなことを考えていると、お客さんが店にやってきた。

主人がいつものように、柔らかく応対している。


お客さんは、ゆっくりと和菓子を見渡しながら三色団子を指を差し、話を始めた。

──『去年亡くなった友達の日記に、ここの三色団子が好きだったって書いてあって……

  お盆のお供えに、どうしても買っていきたかったんです』


その言葉に、主人は静かに頷いた。

少しだけ目を細め、嬉しそうな顔で団子を包む。


そして、一、二本おまけで多めに詰めると、お客さんに笑顔で手渡した。


「今後ともごひいきに」と言って。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。