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二進法原初魔法  作者: lukecat
第三部:探索
161/207

3-22:マクシミリアン・リポート

##マクシミリアンの覚え書きより。

話数間違ってたので修正しました。

第三部の22話です。








⋈ ・・・・・・ ⋈ ・・・・・・ ⋈

 今日の冒険の旅は、とても時間がかかった。

 クロエが持たせてくれた袋がなければ、僕は餓死していたところだ。

 人間はご飯を食べなければ死ぬ。

 だから、食べることはとても大事だ。


 昨日の昨日、つまりおとといの報告書は、イザンに、お前の文章はよくわからないと言われて、何度も書き直した。

 清書係の竜人族クラントさんが泣いていた。

 ザイオンが死んだところが相当悲しかったのかもしれない。

 僕も泣きながら書いた。


 なお、協力者の名前を明記。この報告書はアメリア・カラドカス公爵令嬢の監修のもと、綴られました。

 ザイオンはアメリアに結婚を申し込んだ人だ。

 間違えた。

 それを言うなら、『アメリアは、ザイオンに結婚を申し込まれた人だ。』でしょ?

 違う、言っていることをそのまま書くんじゃなくて。

 もういいわ、あとで印を付けて、ここは要らないって清書の人に伝えて。

 ちなみにあれは、結婚の申し込みじゃないと思うわよ。


 アメリアは昔は妹だった。カラドカス公爵の家に、ザイオンが住んでいたせいで。

 詳しくはアメリアに訊くが良い。


 それで、今日の朝早く起きて冒険の旅に出た僕たちの話。

 アメリアの説明。

 廃拠点は、普通は森に食べられる。

 食べられると、消える。

 輸送機から見て、はっきりと境界がわからないものは見に行かなくていいと、アメリアが言った。

 そんな廃拠点をいくつも通り過ぎたあとで、ザイオンは僕を起こした。


 また間違った。

 僕は寝ていたわけじゃなくて、することがないので休んでいただけ。

 とにかく、輸送機はその廃拠点に下りた。

 誰もいない街は不気味に静まり返っている。

 調べたけれど敵はいなかった。


 でも食べられていない廃拠点は怪しい。

 あの百足男のような誰かがどこかに隠れているかもしれないからだ。

 輸送機を壊されたり奪われると帰れなくなるから、ザイオンは魔法を使って隠した。

 ザイオンは時々魔法の言葉を使うけれど、秘密の魔法もあるので、詳しくは書けない。


 それから、広場へ行く。

 どの拠点にも真ん中に広場がある。

 無人の街なので、誰もいない。

 入ると罠が始まる。


 編み目になった赤い光が、檻のようになって広場を囲っている。

 登場したのは、大きな蜘蛛だ。

 人の脚を持っているので、ザイオンは嫌そうな顔をした。

 ザイオンは気持ち悪いものや、汚いものが嫌いだ。


 蜘蛛にはすね毛があった。

 このことについては、あまり書かないようにという命令がアメリアよりくだった。

 下品だからだ。


 クロエの脚が綺麗なのは、努力のたまものだって。

 そういうことを書いちゃいけないの?

 わかった。


 蜘蛛そっくりの怪物についての詳細。

 灰色のザラザラした感じの頭には、眼が七つあった。

 身体全体に棘が生えていた。

 ゴワゴワした感じ。

 黒と灰色の。縞模様もあった気がする。


 僕は蜘蛛を退治するために、とても早く走った。

 でも蜘蛛は、後ろを向いて、糸を飛ばした。

 一瞬、ネバネバした糸に捕まる、と思って僕は立ち止まった。

 木の上にすんでいる上級モンスターに、糸でグルグル巻きにされたことがあるんだ。

 でも今回は、大丈夫だった。

 ザイオンの作った魔法障壁入りブレスレットが、弟の僕を守ってくれたから。

 ザイオンはとても心配性だって、クロエが言ってた。


 さて。

 そのすきにアメリアが前に出た。

 魔法の珠を投げたので、蜘蛛は悲惨な末路を迎えた。

 昨日の昨日に出した報告書にも書いた通り、召喚された人型モンスターを倒したら、罠は解除される。

 僕は何度も書き直させられた部分参照。

 蜘蛛が死んだ後、僕たちは元の広場に戻った。

 赤い網の目の檻が消えてなくなる。


 罠が解除されると、ご褒美が落ちてくる。

 このご褒美に引かれて、人間が罠に落ちる。

 大きくて黒い剣が、広場の中央にゴトンと落ちた。

 なんか韻を踏んでない?

「それはどうでもいい」?

 わかった。

 ここは削除。


 アメリアはその剣を、長い名前で呼んだ。

 詳しくはアメリアに聞いて欲しい。

 短い名前はリタヌルだ。


 この剣は、人型モンスターを一撃でやっつける。

 凄い剣。

 帰ったら、クロエに見せようと思う。

 アメリアは『軍が欲しがったら渡す』って。

 僕は、この剣がなくても全然大丈夫だからね。

 とりあえず今日は僕が使う。


 その後、輸送機でザイオンは、僕のコロケをじっと見ていた。

 コロケはアメリアが買ってきてくれた、今大大人気の揚げ芋だ。

 ザイオンにもあげようとしたんだけれど、ザイオンは自分の心を読まれて恥ずかしかったに違いなくて、要らないと言った。


 それから、ザイオンはアメリアに渡された珠に魔力を入れていた。

 ちょっと疲れた顔をしていた。

 コロケを食べる僕を見つめてきたので、やっぱり食べたかったんだと思う。

 ザイオンは自分の気持ちを正直には言わない。

 あげれば良かった。




 さっき、ちょっとうとうとしていたら、ザイオンにこの紙を見られた。

 かろうじて読めるが、なんだこれはって怒ってる。

 報告書のていをなしていないって。

 どこを直せばいいのかわからないけれど、これは忘れないように書いている覚え書きなので、また帰ったら清書する。

 実は消しゴムを持ってきていないからね。

 午後の部に続く。

 裏に書いては駄目だとアメリアが言うので、別紙参照。











⋈ ・・・・・・ ⋈ ・・・・・・ ⋈

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