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3番目の婚約解消 53 待ち望んだはずの回復

いつもありがとうございます!

話はまだまだ続きます!



 アンジェリアが、ルカについて話を続けるのを気に入らなくて避けるように、ルルドはアンジェリアの言葉を遮る。そして、ガーランド王国の念願であった第一王子の容態についてルルドが話題をふってきた。


「ー! もう、ライアルト殿下に回復が見られたの?!」


 アンジェリアが、驚いて席を立ち、ルルドに詰め寄ればルルドは満足そうな顔をした。


「あぁ、呪詛を施したコーナー王女がサスティアル王国に捕まったんた。サスティアル王国内の解術師が少しずつ、ライアルトの呪いを解いているところだよ。報告によれば、ライアルトは既に床上げもして、リハビリ中だとか」


「ほ、本当に!?」


 ルルドの話にアンジェリアは念願が叶ったとばかりに喜んだ。アンジェリアの予測では、寝たきり状態で死の淵にあったライアルト殿下の容態は、回復するまでにもっと時間を要すると考えていたのだ。


 ーーーーギル兄様も、殿下の回復を期待して、大急ぎでガーランド王国に帰った甲斐があったわ!


 アンジェリアの兄であるギルバートはライアルト殿下の側近の1人である。主の回復を長い間心待ちにしていたから、今頃は酷く喜んでいるに違いないと、アンジェリアも嬉しくなった。


「ライアルトが回復したから、ガーランド王国も国内の立て直しを図るようだよ? 今頃は、ベイガザード王国と密かに繋がっているのではと疑惑のあった国教会にメスをいれているところだろう。第2王子が、出家して国教会のトップに就くそうだ」


「え、そうなの…?」


 ガーランド王国の第2王子マティアスは、エステニア国の王女を喪ったばかりだ。この国際問題に直接の責任はないのだが、自分の妃が兄に毒を盛ったのは事実である。もう、表舞台に立ちたくないと出家するのも理解できた。

 ただ、第二王子が王位争いから降りたとすれば、力をつけてきた第三王子と呪詛から回復した第一王子の覇権争いが起きるのも待ったなしだ。


ーーーー今度は王位をかけてガーランド王国で争いが起きるの……?


 アンジェリアがガーランド王国内の今後の動向に、頭を唸らせていると、ルルドはコツンとアンジェリアの頭を突っついた。


「ーーライアルトが回復した今後は、コーション国からガーランドは魔法石を欲する事はないだろうねーーそうなると、ベイガザード王国あたりが本腰いれてコーションの魔法石を狙ってくるよ」


「ー!!」


 確かにルルドのいう通り、ガーランド王国はライアルト殿下の治療ために魔法石を欲していた。そのライアルト殿下が回復した今、コーション国とガーランド王国の繋がりは失くなったのだ。

 アンジェリアも、いつかはライアルト殿下が回復するのだから、国際情勢がガラッと変わることは理解していた。けれど、予想よりも速くライアルト殿下が回復してしまった。

 ベイガザード王国がコーション国に発掘される魔法石全てを要求するまで、もはや待ったなしである。


「私、あんまりガーランド王国外のこと、、理解していなかった、のかも…」


「ーーそんなに、心配しなくても大丈夫さ。僕も、可愛い姪っ子のために、力を尽くそう」


 アンジェリアが自分の考えのなさに落ち込むと、部屋がポァーーっと明るくなり、いつの間にか霧に満ちていたあたりから能天気な声が落ちてきた。


「レイモンド叔父様!」


 ひょっこり霧から表れたのは、アンジェリアの叔父のレイモンドだ。コーナー王女の捕縛で、コーション国からサスティアル王国に戻っていたので、アンジェリアとはしばらくぶりだった。


「伯父上は、フォーガス国の立て直しを担当していたはずでは?!」


 ルルドも突然のレイモンドの登場に驚いて、目を丸くしている。


 ーーーーレイモンド叔父は、フォーガス国のお目付け役になっていたの?


 ルルドの言葉にアンジェリアが驚くと、レイモンドは誤魔化すように頭をポリポリとかいた。


「まぁ、うん、そうだな。そうだったんだが…。その、小難しいのは、性に合わなくてな。シャーナ公爵の奴に変わってもらったのさ」


「ーー、伯父上! 後で、父上に絞られますよ…」


 サスティアル国王の弟であるレイモンドは、放浪癖があり国の政務を扱うのには慣れていない。この機会にサスティアル国王は、レイモンドに国の運営を学ばせようとしたのかも知れないが、失敗に終わったようだ。


「あ、兄上の承認も得ている! 今も、情勢が変わったコーション国に留まることも、兄上のご命令で来ているのだ!」


 ルルドが疑いの眼差しでレイモンドを見れば、失敬だというばかりに、声を荒げた。


「はいはい、分かりましたよ。そんなに大きな声を出さなくても…、では、リアの周りは僕とレイモンド伯父上、ナサルの3人で固めるということですね?」


 大きなレイモンドの声に耳を押さえながらも、ルルドが改めて確認を取ると、真剣な顔でレイモンドが頷いた。


「あぁ、アンジェリアが本当の幸せを掴むまで、側で守ろうーーサーシャ姉上に誓って!」


「それは、伯父上が、コーディル公爵夫人が怖いだけでは?」


「ーー!!」

「ーっ、あははは…!」


 ルルドに痛いところを突かれたレイモンドは、思わず言葉に詰まった。そんな2人のやり取りに、アンジェリアは堪えきれず、声をあげて笑ってしまった。

 賑やかな表情になったアンジェリアに、ルルドもレイモンドも嬉しそうに顔を見合せ、満足そうに頷いた。

読んで頂きありがとうございました!

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