3番目の婚約解消 43 殺したくても殺せない相手
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アンジェリアのフォーガス王国の内乱の可能性にシャーナ公爵は頷いた。
「これまでに、たくさんの人間が殺されている以上、コーナー王女の捕縛だけでは済まされないはず。言葉は悪いけれど良い頃合いだと、私は考えているのよ。今までは、コーナーの悪の諸行数々をフォーガス王国の貴族が国王に訴えても、王族に対する反抗勢力の烙印を押されて排除される可能性があったわ。けれども、今回はそうはいかない。コーナー王女が事件を起こせば、王族のーーフォーガス王国自体の責任に繋がる。それを、フォーガス王国の貴族は喜んで処罰を受け入れるでしょうね」
「では、すでにフォーガス王国では、コーナー王女の罪は貴族であれば、皆知っているということ…」
シャーナ公爵の言葉に、アンジェリアが驚いて呟いた。シャーナ公爵もフォーガス王国の内情に呆れながらも話を続ける。
「ーーまぁ、だからといって、現在のフォーガス王家の求心力が明らかに下がれば厄介なの。内乱は邪な事を企む貴族にとっては格好のチャンス。民が苦しむのを見たくないと兄上、サスティアル国王も仰せだわ。だから、力の強く国民に人気もあるルカを王位に就かせる予定よ」
ーーーー王位を現国王から奪うということ?
アンジェリアは今回の作戦がコーナー王女の罪を暴き捕まえることのみとばかり考えていた。けれども、事態はもっと大きかったと再認識した。
ーーーーそうだわ、ルルドも言っていたじゃない…、コーナー王女を操った人間も捕まえると…
なに食わぬ顔して紅茶を味わうルルドを横目で見ると、アンジェリアの頭の中を覗いたかのように、ルルドはニヤリと笑った。
「では、フォーガス国王は今回コーナー王女を国外に出したのでしょう?ーーコーション国にはサスティアル王族もいるし、問題を起こせば、監督責任から王位を奪われるかもしれないのに…」
「フォーガス現国王は体が弱いわ。魔力の弱い実の息子に王位を譲るか、魔力の強いルカに王位を譲るか、国王の心の中では、すでに答えは出ていたのかもしれないわねーーまぁ、親として、コーナー王女を国外に連れ出すのはかなり抵抗したようよ」
シャーナ公爵曰く、やはり当初、コーナー王女のコーション国の立太子の儀への参列は、フォーガス国王から拒否されていたらしい。そこへルルドから密書を受け取ったルカが、上手いことコーナー王女を言いくるめて、コーション国へと連れてきたらしいのだ。
ーーーールカは、どうやって、コーナー王女を説得したのかしら……?
「アンジェリア? 考えたい事があるようだけれど、今は私の話に耳を傾けてはくれないかしら?」
「! 申し訳ありません!!」
ルカの事が頭を巡り、一瞬のうちに上の空になったアンジェリアにシャーナ公爵は苦笑いをして、アンジェリアの手を取った。
「いつの間にか、こんなに大きくなって……。サーシャ姉上も、成長したアンジェリアの顔を一目見たいであろうに」
「叔母様……」
シャーナ公爵は労るようにアンジェリアの手を握りしめた。そして、アンジェリアをじっと見詰めると、小さく溜め息をついた。
「私の加護はまだ機能しているようだわ。まぁ、アンジェリアにはフォーガス国の宝珠もある。今回のように何かあれば、迷うことなく、直ぐにどちらかに頼りなさい。いいわね?」
「は、はい……」
戸惑いながらも答えたアンジェリアの返事に、シャーナ公爵は満足そうに頷いた。そして、今回の計画について誤魔化し続けたルルドとは異なり、説明を続けてくれた。
ーーーー最初から、シャーナ伯母様に手紙を送れば良かった。そうすれば、早い段階で、計画を教えて貰えたのかもしれないわ……
アンジェリアは、今後はシャーナ公爵との連絡を密にしようと強く思った。
シャーナ公爵の話の続きは、コーナー王女の初恋についてだった。他所様の初恋を、情報として聞くのは、あまり気持ち良くはない。けれども、相手のコーナーは人の命を奪う呪詛を使う。コーナー王女を正しく判断する上では、静かに聞くしかなかった。
ーーーーーーーー
ライアルト殿下に呪詛を掛けた張本人のコーナー王女は、幼い頃から天使のような容姿を持ったルカにご執心だったそうだ。
ルカの持つ、王家に伝わる魔術のこともあり、コーナー王女とルカが婚姻を結び、フォーガス国を治めるという話も、昔から頻繁に出ていたらしい。
コーナー王女は、年下ではあるが、天使のような容貌のルカを大層気に入り、ルカとの結婚を夢見た。けれど、フォーガス国王からのコーナー王女とルカの縁談の打診を、セーシル公爵家はいとも簡単に断ってしまう。
断れるなど想像もしていなかったコーナー王女は、手がつけられないほど、相当激昂したと報告であがっている。
時がいくら過ぎても、ルカとの婚約に諦めがつかないコーナー王女は、婚約話が消えた後も、何度もルカとの面会を要請した。けれども、セーシル公爵家の屋敷はおろか、ガーランド王国への入国申請さえも降りなかった。
『ーーーー誰かが、私の邪魔をしている!!』
コーナー王女は、自分の思い通りにならないことに、ひどく怒りを覚えた。そして、数えきれない程の密偵を放って、ルカがコーナー王女との婚約に頷かない原因を突き止めた。
『アンジェリア=コーディル? こんな娘のどこがいいの?!』
コーナー王女は、ルカが頻繁に面会をしているコーディル公爵家、その末娘アンジェリアに行き着いた。そして、コーナー王女は、ルカを諦めるどころか、今度は邪魔なアンジェリアを抹殺しようと躍起になった。
『コーディル公爵家の娘をこの世から消せば、全てが私の思い通りに上手く行くはずーーーー』
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まだまだ話は続きます。
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