3番目の婚約解消42 宝珠の心配
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「…叔母様、ルカが本当にコーション国に来ているのですか? 私、信じられなくて…、あの! 伯母様は、もう、ルカにお会いしたのですか? あの…、私も、出来れば久しぶりの挨拶など、出来ないものでしょうか…」
シャーナ公爵とルルドがソファに座ると、アンジェリアは直ぐに、躊躇いながらもルカについて2人に訊ねた。
フォーガス王国からコーナー王女が王宮で自由に動いているならば、使者と面会する形でルカに面会できるのではと考えたのだ。
「おやおや? リアにとっては久しぶりの叔母上との再会なのに。喜ぶよりも先に、愛しい想い人の事とはね。それほどルカが大事かな?」
ルルドはそう言うと、たまらずクスクスと笑いだした。シャーナ公爵はアンジェリアのソワソワした様子を微笑ましいと思いながらも、ルルドの影響からか、少し悪戯心が芽生えた。
「若い頃は、愛しい者の事が何よりも気になるものよ。こればかりは、どうしようもないわ。叔母としては、少し寂しいのだけれど、ね」
シャーナ公爵はそう言うと、マリアナの用意した紅茶を飲んだ。横ではルルドが、にやにやしながらアンジェリアを見ている。
サスティアル王族は無敵に近い存在であるため、今回の1件など気にしていない。よっぽどの滅多な事がない限り、慌てることがないのだ。
「……コーナー王女の件、本当に助かりました。急に部屋に訪問を受けて、どう対応すれば良いか混乱していたもので。……それで、叔母様は、先程…、この宝珠の相手ーールカが慌てているような事を、仰いましたが…先程まで、ルカとご一緒していたのですか?」
ルルドとシャーナ公爵にからかわれたアンジェリアはほんの少しヘソを曲げて、口を尖らしながら再度ルカについて質問をした。
「ふふ…。すまないね、怒ってしまったかしら? アンジェリアの推測通り、コーナー王女とやらの悪事を曝すためには、大勢の人間の目の前で、更に罪を犯してもらわなくては、とね。ルカ殿と打ち合わせをしていたの。今回のパーティーで、あの王女を仕留めなくては、更なる被害者がまだまだ出るでしょう?」
アンジェリアが怒った表情を隠さずいると、シャーナ公爵は少し微笑んだ後に、今度は真面目な顔で質問に答えてくれた。
「まぁ、なぁに。リアが心配することはないよ? レイモンド叔父上も、シャーナ叔母上もいらっしゃるわけだし。もちろん、微力ながら、僕もちゃんと仕事をするよ? だから、リアはいつもどおり、あっけらかん、としてくれれば良いんだ」
ルルドはシャーナ公爵とは対称的に、悪戯を計画しているかのような気軽だ。
「ちょっとだけ、ルルドは口を閉じていてもらえるかしら?」
「えー! リア、冷たーい!!」
シャーナ公爵が折角、アンジェリアに対して真面目に答えてくれていると言うのに、ルルドは通常どおりアンジェリアをからかい続けている。アンジェリアは、なんだか面白くなくて、ルルドに冷たく言い放った。
それにアンジェリアには気がかりな事があるのだ。先程のコーナー王女の予想外の訪問に、アンジェリアは慌ててしまい宝珠を硬く握りしめてしまった。そのため、ルカに心配をかけたのではないかと、不安でたまらない。
「それで、叔母様……その、ルカとはいつ面会できるか、お聞きしても? 先程、コーナー王女の面会要請で、慌ててしまって、それで、宝珠を握りしめてしまって、ルカがこちらを心配しているかと…」
アンジェリアはとりあえず、からかい続けているルルドを無視することにした。今1番気にすることはルルドの事ではなく、心配をかけてしまった宝珠の相手、ルカだ。
「ーーそうだね。ここに参ったのは、アンジェリアの思っている通りーー宝珠の力によって、フォーガスのルカ殿に、アンジェリアの危機が知らされたからなの」
「やっぱり…」
コーナー王女のアンジェリアへの突撃訪問は、宝珠を伝わりルカに届いてしまっていた。
「ルカ殿は突然、宝珠に危険が迫っていると慌てられてね。自らアンジェリアの元に行きたいと言っていたけれど……ーーーーしかし、今、アンジェリアとルカ殿が会瀬をしていたと風潮されても、コーション国にとっても、良い結果にもならないでしょう? それに、作戦の前に、無闇にコーナー王女を刺激したくないわ」
「……そうですか」
アンジェリアはルカにただ会いたいと願ってしまった、自分の我が儘を恥じて下を向いた。そんなアンジェリアにシャーナ公爵は気の毒そうな顔をしながらも話を続けた。
「ーーだから、アンジェリアとルカ殿には申し訳ないけれど、しばらく2人で会うのは控えてもらおうと、ね。そうね…、ルカ殿と会えるのは、カイル王子の王太子披露パーティーの時になると思うわ」
「…披露パーティーで…」
ルルドの以前の話では、披露パーティーでコーナー王女に騒ぎを起こさせると言っていた。とすれば、ルカとアンジェリアが久しぶりに面会した直後、何か起こるのだろう。
「ーーコーナー王女が国外に出るのは、もしかしたら、これが最後のチャンスになるかもしれないの。コーナー王女の父であるフォーガス国王が、今回のパーティーに、サスティアル王国のメンバーが揃ったことを、かなり警戒しているのよーーコーナー王女の呪詛による殺戮は、とんだスキャンダルになるでしょうから」
最初で最後の作戦になるかもしれないのーー、シャーナ公爵は1度アンジェリアの顔色を心配そうに見た。アンジェリアは顔を強ばらせながらも、深く頷いた。
「まぁ、アンジェリアにはできる限り、コーナー王女の心情を掻き乱してくれれば良いわ。そして、コーナー王女が魔力暴走をさせ、それが隠蔽出来ない程であれば、なお好都合よ」
「魔力暴走、とは一体…」
シャーナ公爵の恐ろしい言葉にアンジェリアは思わず、唾を飲み込んだ。
魔力暴走など、以前、アンジェリアとルルドが空間の狭間に転移したきり聞いたことがない。あの時は、2度と外に出られないかもと、アンジェリアは酷く恐ろしい思いをした。
一方、魔力暴走を起こした当人のルルドはシャーナ公爵の話をつまらなさそうに、お菓子を食べている。
アンジェリアはそのマイペースさを妬ましく思った。アンジェリアの視線を受けて、渋々ルルドも会話に参加する。
「ーー、コーナー王女の今までの悪行を、フォーガス王国内では、かなり強引に隠し通している。でもさ、被害者のほとんどが貴族である以上、今後も黙っているとは思えないよね?」
「それは、コーナー王女の呪詛が明るみになれば、フォーガス王国で、内乱が起こるということ?」
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まだまだ話は続きます。
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