第16話 王都への買い出しと、獣人の友達との再開
「あー……。寮生活で油断してうっかりノーパンやっちゃったわ……。早くこのワンピースと同じ素材の下着を手に入れなきゃ私の尊厳が死ぬ!」
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休み明けは野外演習。
必要最低限な物は配布された紙に書いてあるので、デイジーと一緒に買い出しに出た。
薬草の森は壁外にあるため、簡単な武装や心構えなんてのも必要だ。
それを手っ取り早く確認するには、やはり壁外に出ることが多い冒険者を束ねる冒険者ギルドに来ることが一番理にかなってる。
私たちも例に漏れず……と言うわけじゃないし、だいたい森でサバイバル生活を送っていたので必要なものは熟知してるけど、すっかり忘れてた私のギルド転入届や、デイジーの冒険者登録をするために来た。
「あー……、やっぱりギルドは生徒で混んでるわねえ」
ギルドの講習を受けたり、資料室を使うには冒険者登録するのが手っ取り早い。
貴族の子どもたちは、実家なら専属の教師や冒険者などから学べるだろうけど、あいにく学生寮に連れてこられるのは使用人が1人と本当に最低限。後は自分でやりなさいってスタイルだ。
「お姉ちゃん、凄く混んでるし、私の登録よりも先にお姉ちゃんの用事を済ませちゃおうよ」
「そうね、そうしましょ。ええと、転入届と依頼相談窓口は……ここに並べば良いのね」
「お姉ちゃんでもよく分からないの?」
「ま、私は主に依頼を受ける側だったし、依頼する方はほとんど使ったことが無かったしねえ」
「ふーん、そんなもんなんだ」
そんなもんよ。
デイジーと呑気にお喋りしながら列に並ぶ。
デイジーのバッグに入れてもらっていた転入届と依頼書を取り出し、受付カウンターへテキトーに置く。
「ええと、これ、私の転入届と、あと、この手紙をフランシェスカって猫獣人に渡しといて。あいつ、自由人で中々戻ってこないかもしれないから長いかも。預かり料金はどれくらい?」
「ふーん、自由人ねぇ?」
「え?」
顔を上げると銀髪のネコミミ娘と目が合いこんにちは。
「久しぶりだね、ガーベラ」
「えええぇ!?」
◆ ◆ ◆
無事に冒険者の転入届の受付が終わった後、わざわざ休憩に入ってくれた。
その彼女とギルドの応接室でお茶をすることに。
「改めて、久しぶりだね、ガーベラ」
「そうね、久しぶりフラン。いやー、まさかこのタイミングで出会えるとは思わなかったわ」
「確かにそうだねえ」
「デイジー、紹介するわ。友達のフランよ。冒険者時代によくつるんでたやつ。で、こっちの子はデイジー。訳あって今は私の妹よ」
「私はフランシェスカ。見ての通り、猫獣人だよ。よろしくね」
「初めまして、私はデイジーです。あなたがフランシェスカさんなんですね! すっごく可愛い!」
「そうなのよ。フランってばエラい可愛いわよね。スタイルも凄く良いし。ほら、こことか」
「ちょっとガーベラ」
「ごめんって!」
そう、こいつがさんざんお世話になった獣人の友達なのよ。
私もスタイルにはかなり自信があるけど、こいつには敵わない。まあ私は5.5頭身あるかないかってくらいだから、これ以上肉感良くなってもバランス悪くなるから別にこのままで良いけど。
それにしてもこいつは背が低いのに何を食べたらこんなにここが立派に育つんだか。ちなみに興味本位で乗ってみたことあるけど、妖精をダメにするほど凄かった。怒られ方も凄かった。今もツンツンしたら瞳が縦に細くなってかなり怖かった。
ちなみに学校に通っていても全く違和感無いくらい若く見える年齢不詳なネコミミ娘でもある。
「もう……。ガーベラみたいに私のことはフランって呼んでね」
「分かりました! 私、フランさんにずっとお礼を言いたかったんです。お姉ちゃんがとても、とーっても、お世話になったみたいで……フランさんがいなかったらきっとお姉ちゃんに会えなかったと思います。ありがとうございます!」
「むぁー、そんないいのに。ガーベラのことは好き?」
「はい! 大好きです!」
「〜〜っ!」
なんか友達に向かって全力で言われるの、恥ずかしい!
ああ〜、心がぴょんぴょんするんじゃ〜!
これ以上は姉心が溢れちゃう!
「そ、それで? 自由人のあんたがなんでまた受付嬢なんてやってるのよ」
「たまたま最近帰ってきたんだけど、ほら、今って野外演習の時期で人手が足りないじゃん。私は臨時職員のライセンスを持ってるし、応援に呼ばれてね」
「へー、あんたって職員までできるのね。知らんかったわ」
「んふふん、すごいでしょ! でもまあ王都以外で職員やることってあんまりないけどね。そうそう、ガーベラは今までどこにいたの? 突然失踪して10年近くも音沙汰無かったけど」
「あー……それがその……実はこの国の辺境の森でスローライフをしてて、ね?」
「むぁー、やっぱり夜逃げ同然の雲隠れをしてたんだね。それにしても、辺境の森ってことは、あの北東にあるライコス辺境伯領の森かな? 帝国からよくもまあ来たねえ」
「ま、まあね?」
「フランさん! その話聞かせてください! 私と出会う前のお姉ちゃんってどんな感じだったんですか!?」
「んんとね────」
そこからはフランによって色々とバラされた。




