第11話 ガバガバAP管理で妹が最強の愛されヒロインに!?
「あー……。なんでこうもフラグが次から次へと……。でも大丈夫! 私には5年間森で培ってきた完璧なAP管理術があるんだから! なに? UI無いのにそんな管理術で大丈夫かって? 大丈夫よ、問題ないわ!」
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クラスメイトが、私の大人の魅力とぷりちーな姿に見惚れて注目してくる。それに美少女なデイジーにも目が行き、彼女が挨拶を返す。そんなことを続けていると、担任と思われる壮年の男性が教室に入ってきた。
クラスのみんなはすぐに席につくと、間もなく2の鐘が鳴り響く。
ちなみにサンライト王国では、朝6時から3時間単位で時を告げる鐘が鳴るの。9時ってのは、獣人の友人が言ってる時間感覚よ。便利だから私も使ってる。
「おはよう、みんな。難しい試験を乗り越え、よくこの学校に来てくれたね。早速だけど自己紹介をしよう。僕はヒューゴ・サンダース。このクラスの担任だ。細かいことは昨日校長が長話して聞き飽きているだろう? そんなわけでそこらへんは省略だ」
短い挨拶素晴らしい!
100点!
でもイケメン……これはやばいわ!
イケオジだけど年齢不詳、メガネ、そして大人の余裕とか、これ絶対隠しルートの先生じゃない!?
マイナス200点!
近づかんとこ!
「それじゃあ早速だけど、この1年付き合っていく仲間たちに自己紹介をしてもらおうか。では男子の最優秀成績者であるローベリア君から行ってみようか」
え!?
あいつ、そんな成績良かったの!?
いや、新入生代表やってたし、まあ言われればそうなのね。
「俺はローベリア・フォン・サンライト。王弟であり、また外交官である父ハロルドの息子だ。知っての通り、我がサンライト王国は他種族国家だ。外交官は、世界各国にある様々な種族の国と友好的な関係を結ぶための重要な役職だと思う。俺もそのような国の根幹を支える者になりたい。皆が共に手を取り安心して暮らせるようにしていきたい。そのために、どうか皆の力を貸して欲しい。以上だ」
なんかすんごく言ってることマトモなんだけど!
っていうか、王族だったとか知らんのだけど!
前世の記憶は突発的に思い出す程度で、基本穴だらけだから仕方ないね!
うーん、あのパンツへの執着を見せてた変態と同一人物とは思えないわね……。
盛大な拍手の中、ローベリアは座り、続いてハインリヒが立つ。
「私はハインリヒ・フォン・フォード。フォード公爵家の長男だ。また、王国最強である騎士団長であるシャーウッド卿に剣の理を学び、剣術の腕ならば一流であると自負している。私の腕でローベリアを守ると誓おう」
なんとなく思ってたけど、クールな感じなのに意外と熱血よね。
ちなみに、私はデイジーに友達ができるよう勧めといたわ。
「私は妖精のガーベラ! ここのデイジーの姉よ! この子はとっても良い子だから仲良くしてあげてね! あと、イタズラについて教えてほしいことがあれば私のところに来なさいね!」
同志がいれば、たぶん誰か話しかけてくるでしょ。
「私はデイジー。平民だけど、仲良くしてくれると嬉しいな。ガーベラお姉ちゃん姉妹共々よろしくお願いします」
デイジー、緊張してぷるぷる震えてるところが可愛いわ!
容姿はピンクのエクステが入ったような金髪に整った顔立ちで、どう見ても貴族の令嬢にしか見えない。たぶん、生まれはそうなんだろうけど。
だけど、今は田舎娘であり、一般人っぽくできたところが凄くグッドよ!
まあその他はどーでも良いのでスキップ!
と言うわけで、自己紹介が済んだので適性属性を調べることになった。
「さあ、お待ちかねの適性属性を調べる時間だ。自分にあった属性が分かれば、魔術を効率的に使う手助けになるよ」
木箱から水晶玉を取り出す先生。
紫の布がかかった台座に水晶玉が置かれる。
何あれ、占いでもすんの?
「この水晶に手を乗せると、適性属性が分かるようになってるよ。早速始めてみよう」
ローベリアやハインリヒを始めとして、生徒たちは順番に手を乗せていく。そしてその結果に悲喜こもごもだ。
ま、外野はどうでもいいのよ。スキップスキップ。
次は私の番だわ。
「お? ふーん、なるほど。こういう仕組みね」
思わずドヤ顔で呟いちゃったけど、たぶん、魔道具の一種ね、これ。
接触者の魔素を強制的に魔力に変換させ、それを吸い上げるってとこかしら。
出力が小さいから人間に悪影響は無さそうね。デイジーが使う前に安全チェックできて良かったわ。
「それはそうと……こんな感じかしら?」
「さすがだね、ガーベラくん。35年前を思い出すよ。おお、妖精はこんなことまでできるとは驚きだ」
35年前?
なんだかよく分からないけど、これはフラグッ!
フラグは叩き折るのが常よ!
「ふふーん、ま、だてにデイジーの姉をやってないわ!」
赤、青、緑、茶、水色、黄、白、黒、橙、銀
なんか知らんけど、たくさん光の玉が水晶玉の中に出てきた。テキトーに数えたけど合ってるかしら?
それと、魔力の出力に応じて明るさ変わるのかな?
おら、ピカピカ光らせたり虹色を演出よ!
これはもうゲーミング妖精の肩書もゲットで良いんじゃないかしら!
まあ妖精の中でも超絶天才(自称)なガーベラ様にかかればこんなもんだし?
外野が騒ごうと私には涼風も同然!
思わず目立っちゃったけど、デイジーが目立たなければ問題なし!
そんなことより、私はデイジーの属性が知りたいわ!
「お姉ちゃん凄かったけど、私はどうかしら……」
赤、青、茶、白、橙
デイジーってば、他の生徒に無いほど属性を持ってるのね。
いや、よく見ると普段森の生活で使ってる魔法の属性ばっかのような感じかしら?
赤、青、茶、白は何となく分かるけど、橙ってなんじゃらほい?
まあローベリアが「驚愕の表情!」ってしてるけど、見ない見ない……。
◆ ◆ ◆
適性属性の次は、魔力測定。
「この水晶玉で、現時点でどれくらい魔力を出力できるポテンシャルがあるかを測れる。これで魔術に使える魔力量を見極めるよ」
まあ魔素保有量は多くても、どれだけ魔素を多くの魔力に変換できるか、変換速度はどれくらいかってのは別だし、上位の魔術を使うにはより大きな魔力が必要だしそんなもんか。
魔術なんてわざわざ使わないから必要な魔力量なんて知らんけど、魔法よりは少ないっぽそう。
周りの生徒が謎水晶玉に触るとピカピカと光る。
どうやら光る強さや光ってる時間によって測定してるみたいね。
うーん、デイジーの出力がどれくらいか分かんないけど、あんまり低いとバカにされちゃうし、高すぎると悪目立ちしちゃうし……ま、王都の人程じゃなくても、一流の田舎娘程度ってところで良いかな?
塩梅が難しいけど、考えてもよく分かんないし、注ぎ込むAPは森で畑を耕す時程度で良いか。
エイヤ!
よし、これで事前の仕込みは完了ね。バレないバレない。
「んじゃさっさと終わらせて……」
「ガーベラくんは種族柄、測定する必要は無いので机で待っていて欲しい」
「あ、そう? 分かったわ。デイジー、頑張ってね」
「はあい」
まあ妖精の私が本気でやったら謎水晶玉ぶっ壊しそうだしね。
はてさて、AP注ぎ込んだデイジーは……
「えいっ」
うおっ、まぶしっ!
ちょっ光りすぎよ!
「目が、目がァァァーー!」
ローベリアがどこかの七三分けデコ大佐みたいなセリフを叫んでる。
ガン見してるからだね仕方ないね。
って、のんびりしてる場合じゃない!
AP強すぎた!?
いや、違う!
嘘、消費量エグっ!
謎水晶玉にガンガン魔力持ってかれてる!
ま、まずい、このままじゃ!
「ちょっと待っ——」
プツン
「あ」
デイジーに注いだAP、切れちゃった?
ここで?
ここで。
ヤババババッ!
デイジーが、ふにゃってきてる!
「ふぇぇ……疲れちゃったぁ……」
ぎょええええぇぇぇ!
ペ、ペナルティーーーー!
「お姉ちゃぁ〜ん……もう帰るぅ〜……きゃっ」
魔道具の前でヘナヘナとなるデイジー。
机に戻る途中、何にもないところで派手にコケるデイジー。
へたり込んで涙目になり、庇護欲をそそるデイジー。
ヤバい!
読み違えたァァァ!
やっちゃったあァァァ!
さっきまで元気ハツラツ!
適性属性モリモリ!
魔力でピカピカ!
完璧で可憐、素敵な美少女オーラ出してたのに、あまりの無防備な姿に、男子だけじゃなく女子までもがズッキュンキュン!
俺が守ってやらなきゃ
私がお世話してあげなきゃ
皆まで言わなくてもクラス全員の顔を見ればわかる!
私が目立つのは分かる。
目立ちたくて目立つんじゃない。
目立ってしまうのが妖精だから。
でも、デイジーはこうはならないよう頑張ったわよね!?
目立たず一般人な一流の田舎娘を目指すハズが、どうしてこうなったのぉーー!!!
明日18時に更新予定です。




