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乙女ゲーの妖精に転生したのでヒロインをモブに育てたい  作者: 星川 咲季
第2章 隠しきれない才能! 妹が学校のアイドルに
10/30

第10話 30センチの妖精、初めての学校生活




「あー……。妖精の私が学校に通うことになるなんて。しかも妹の同級生として。楽しいスクールライフが私を待ってる! って言えたらどれだけいいのやら……」



──────



 他種族が行き交う学校の門をくぐる一行。

 デイジーの肩には、特注の極小サイズの制服に袖を通した私が座る

 そしてその後ろにはエプロン姿のバナ助が続く。


 この女子生徒の制服、可愛いのよ!

 セーラー服を基本としてるのかな?

 国立学校指定の制服だからか質感はかなり良いわね。妖精仕様は背中空いてるけど。

 さすがにいつも着てる超高級ワンピース程じゃないけど、まあ我慢はできるかな。改めて考えるとあのワンピースは羽もすり抜けるしどうなってんの?


 ただしパンツ、オメーはダメよ。

 パンツはドロワーズが主流で、付け心地はフィット感が無いためよろしくない。とは言え、さすがに王都でノーパンはフツーに死ねるから付けざるを得ないけど。寮の部屋に行ったら脱ごうかな……。


 今度獣人の友達に会ったらワンピースと同じようにツテを使って下着を作ってもらおう。王都にいるし、冒険者ギルドを経由すれば何とか連絡つくっしょ。

 とにかく、貯金がすっからかんになっても問題ないほど欲しい!




「おはようございます!」


 周囲の生徒から私へ視線が集まり、当然私の隣にはデイジーの頭があるもんだから、デイジーとも目が合う。

 そんな感じでデイジーは挨拶しまくってる。

 ちゃんと挨拶できて偉いわ!


 ちなみに、その後に続くバナ助を二度見するまでがセットだ。

 まあ火吹き熊って高ランクの魔物らしいし、仕方ないわよね。


 辺境の森にある我が家については、バナ助の父に貸している。

 バナ助の父も、何だかんだとよく家に来てたし、諸々の家具の使い方は見て学んだようだし、ある程度は任せておけるのよね。とはいえ、所詮は火吹き熊だし、畑もろともダメになった時は、まあそんときゃそん時よ。


「んじゃ、バナ助はここに書いてある学生寮の厨房に挨拶に行きなさい。あんた話せないし、腕章外しちゃダメよ。あと、この紙を料理長に見せるのよ」


「グアグア(分かってるって)」


 バナ助は新しい料理を作れるという期待感を胸に、意気揚々と出向していった。




 一方、私たちは公演用のホールに向かう。

 どうやら入学式の挨拶はそこでやるっぽい。


 断片的な前世の記憶からすると、たぶん経験したんだろうけど覚えてない。覚えてないと言うことは、つまり、どうでもいいってことね。


 よしっ!


 カツラを被ったやつがいないかチェック!

 いたら、ふっふっふ……!


 なーんて、下らないことを考えてたら、あっという間に校長の話が終わってた。ちなみにパッと見ただけではカツラはいなかった。残念。


 次に新入生代表として登壇したのは、案の定というか何というか、あの生意気なローベリアだった。

 無駄にキラキラしたオーラを放ちながら完璧な挨拶をこなす姿は、まさに「乙女ゲー開幕!」って感じね。


 ……こっち見んな!

 もうパンツはやらねーわよ!

 え?

 デイジーはあいつと目があった?

 ウチの子はやらねーわよ!!



◆ ◆ ◆



 そんなこんなで入学式はあっと言う間に過ぎ、私とデイジーは寮の自室に戻る。

 ルームメイトは当然デイジー。

 デイジーと引き離したらどんなイタズラをするか分からないなーって独り言を呟いた甲斐があったってもんよね。


 自室に戻ると同時にワンピース一丁となり、開放感を得る私。

 ふー、やっぱりこの白いワンピースは最高ね!


 制服は可愛いは可愛いんだけど、やっぱり普段着、寝間着、お出かけと何でもござれなこのワンピ、改めて考えなくても無敵すぎるわ。



 デイジーと新生活のことについてあれこれ話してたと思ってたけど、気づけば翌朝目を覚まして寝ていたことに気付いた。


 素早く身支度を済ませて朝ごはん。

 バナ助が作ってくれたモーニングを食べ終えた。

 こんなメニューを教えたことは無かったし、早速修業の成果が出たみたいね。



 んで、いよいよ教室。

 基本的に席は成績順のようだけど、男女で左右に分かれてる。


 私たちの成績?

 そりゃもうバッチリよ。

 一番ではないけど一桁にはいるわね。


 デイジーには学力で惨めな思いをさせたくないので、森では勉強もしてたもの。まあAPによるブーストは結構あったけど。

 私は妖精の中では相当若い方だけど、普人と比べればまあそれなりに生きてきたからこの程度はね。


 デイジーの机の隅には、私用の特注の極小机と椅子がちょこんと置かれている。こういう所がこの国の良いところね。だてに国立学校を名乗ってないわ。


 しかし、なんでまたデイジーのすぐ近くにローベリアたちの席があるのよ。何か作為的なものを感じる……。


「お姉ちゃん、凄いわ! 人がたくさんいるわ! お友達できるかな?」


「そうね、デイジーは可愛いんだし、友達くらいすぐにできるわ!」


「お姉ちゃんだってとっても可愛くて素敵よ! それにこんなにスタイル良いんだもの。きっとモテモテよ!」


「そうね、私の大人の魅力に誰も彼も釘付け間違いなしね!」


 いつも微笑ましい表情を向けられるのが不思議だけど!


 まあそれはそれで良いわ。


 私はあくまでデイジーのおまけ。

 デイジーが一流の一般人(モブ)田舎者村娘Dでいられればいいだけだもの。


 この4年間、ひっそりやり過ごすわよ!

 








明日18時に更新予定です。

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※前作を読まなくても本作のストーリーには影響しません
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