勝ち確か!?
「……ちょっと、あんた。これ、どうやって作ったのよ」
一袋のポテトチップスを瞬く間に平らげたリリス様が、指先を舐めながら私を鋭く睨みつけました。その瞳は、もはや空腹ではなく「未知の快楽」への渇望でギラついています。
私はチャンスとばかりに、震えながらも一気に事情を話しました。王族の強欲さ、婚約破棄、そして自分を囮にしたパーティの卑劣さ。……彼らは、悪魔さえも眉をひそめるほどの『色欲』と『傲慢』にまみれているのだと。
「……ふん。その男たち、うちのサキュバスよりタチが悪いじゃない。でも、そんなことより問題なのは……」
リリス様が私の喉元を指先でクイ、と押し上げ、顔を近づけてきました。
「あんたがここで死んだら、この『ポテト』も『ジュース』も、二度と食べられなくなるってことよ。……それは、絶対に許さないわ」
リリス様の背中から禍々しい魔力が膨れ上がります。
「提案よ、人間の女。私と『共鳴儀式』をしなさい。そうすれば妾もダンジョンを出られて、あんたの影に潜んで守ってあげられる。その代わり、一生かけて私を満足させ続けなさい。王都の菓子、帝国のチーズ、星国の胡桃……あんたの言ったもの、全部私に献上するのよ。いいわね?」
――勝ち確か!?
本来、サキュバスから契約を持ちかけるなんて、超レアフラグ。でも私は知っています。リリスは食への執着が一度火を吹けば、対象にどこまでも執着する性質を持っていることを!
「喜んで、リリス様。……その代わり、私を裏切った奴らには、貴女の『本職』でお仕置きをお願いできますか?」
「くすっ、いいわよ。この食べ物や飲み物を知ってしまったら、あんな下劣な男たちの精気なんて、もう妾はいらないけれど……あんたの『復讐』へのトッピングとしてなら、美味しく料理してあげるわ」
リリス様が私の影へと溶け込み、首筋に熱い契約印が刻まれます。
その瞬間、絶望に沈んでいた私の視覚情報は、一気に「勝ち確」の色彩に塗り替えられました。
(……これ、イージーモードどころじゃないですわ。最強の守護(SSR)を逆指名でテイム完了ですわーーー!)
サキュバスの女王を連れて凱旋する令嬢の姿、その目に焼き付けて差し上げますわ!




