表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

まさかの!?♪

浅い層の探索のはずが、なぜか予定外の深層へ。

 道中、何度も「引き返したい」と訴えたのに、パーティの奴らは聞き入れなかった。


 ダンジョン第40層。退路は爆破され、目の前には凶悪な魔獣の群れ。パーティに裏切られ、突き飛ばされ囮にされた私は、死に物狂いで父からもらった救命発光弾を放ち、逃げ回った。


 坂を上がったのか下がったのかも分からず、自分がどこにいるのかも分からない。

 行き止まりの土壁にもたれかかった、その時――体が壁の中に吸い込まれ、眩い光とともに視界が開けた。


 空には紫の月。ネオンのような燐光に彩られた、退廃的で美しい街並み。

 呆然とする私の前に、路地の闇から「それ」が姿を現した。


「あら。……人間の女かしら?」


 背中に漆黒の羽を揺らし、妖艶な笑みを浮かべる絶世の美女。

 彼女の冷たい指先が私の頬をなぞり、逃れられない死の気配が肌を刺した瞬間――脳内に、雷に打たれたような衝撃が走った。


(……待って。この光景、この女、見覚えがありますわ!)


 溢れ出したのは、前世の記憶。

 某ブランドのセレクトショップ店長として社畜だった私が、現実逃避にプレイしていたVRNMMOダークエロゲー。

 タイトルは確か――『デッド・オア・ラステア 〜淫魔の迷宮と絶望のハニトラ〜』。


(え、嘘……。ここ、サキュバスの街『ラステア』の深層門!? そしてこの人は……!)


 この街は、迷い込んだ男は一晩で干物にされ、女は魔力を絞り出す家畜にされる、全年齢版なら即配信停止レベルの場所。


「ひっ、ひぃぃ……! 本物! 推しの本物のSSR『魂吸いのリリス』様ですわ!」


「SSR!? 推し!? あら、私の名前を知っているの? 有名になったものね」


 リリス様が喉元に鋭い爪を立てる。

 私はガタガタと震え、その場に座り込んだ。腰が抜けて、一歩も動けない。


(完全にオワタw 詰んだ。逃げ道なし、救いなし、体力なし! エンカした瞬間に前世思い出すとかやばいな。……でも、あれ!?リリスのエンカって確か、回避ルートがあったような)


 恐怖のあまり一周回って冷静になった私は、マジックバッグから領地の試作品を取り出した。エナジードリンク『JUCIE』と、濃いめの味付けがされた『魔導ポテトチップス』。


「……何それ? よくこの状況で食べれるわね?」


 リリス様が怪訝そうに眉をひそめる。

 私は震える手でプルタブを開け、一気に煽った。強烈な炭酸と刺激が、恐怖で麻痺した脳を無理やり覚醒させる。


「……こっ、これ、美味しいんですの。……どうせ殺されるなら、せめてこれくらい食べさせてくださいまし……」


 泣きそうになりながらポテトチップスの袋を開けると、路地裏に暴力的なまでのコンソメの香りが広がった。


「…………っ!?」


 リリス様の動きが止まった。

 魔界には存在しない、油と塩分が織りなすジャンクな匂いに、彼女の鼻がぴくんと動く。


「……ちょっと。それ、私にも食べさせなさいよ」


 冷酷だったはずのリリス様の目が、抑えきれない好奇心で揺れていた。


(まさかの回避ルートきたーーーー!)

本作お読み頂きましてありがとうございます。


この作品をチラッととでも

『ふふふ』、『!?』と思ってくださった方は

ブックマークとか!?

マックス『★★★★★』まで

評価あるのでポチッとしてもらえるとテンション上がります


へへへ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ