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タタタ!?立っ!?勃っ!?

復讐したかったクソパーティを、かる〜く魔力残滓に変えて消滅させた。

私は清々しい気分で、誰にも会わないよう宿の階段を下り、リリス様とララァ様を陰の中に従え、颯爽と宿を後にした。


ローランド辺境伯領の本邸へ戻ると、陰からリリス様とララァ様が出てきたところに、眉間に深いシワを寄せたお父様が、魔導通信機を片手に歩いてきた。


「ディード! 無事だったか! ……ん? その、後ろの極めてけしからんわがままボディの美女と、耳の尊い娘は誰だ!?」


「ご機嫌よう、お父様。私のガチ『推し』……いえ、家族ですわ。サキュバスの女王リリス様と、守護獣のララァ様ですわよ。ダンジョンで助けていただきました。命の恩人です!」


「サキュバスの女王だと!? しかもそんな、全年齢版なら間違いなく謎の光か湯気で隠されるべき面積の格好で……! お父様は、お父様はなーーーくっ!!許す!(ドバッ)」


案の定、鼻血を噴き出しながら狼狽えるお父様。

その傍らで、私の脳内に強烈な虹色のノイズが走った。


【システムアラート:メインクエスト確認】

【報酬:マジックバッグ(中)が『神具:無限収納・自動集積型・領地同期モデル』へ超絶進化します】


腰に下げていたバッグが淡い光を放ち、その容量が無限へと書き換えられていく。

さらに、これまで見たこともない豪華なUIが、私の網膜にポップアップした。


【領地経営・放置モード:アクティブ】

・経過時間報酬(1分毎):独立領地ポイント、現地通貨、経験値

・自動集積アイテム:領地の発展度に応じて『魔導ポテトチップス(各種)』『魔導飲料JUCIE』がマジックバッグへ自動転送されます


(……そうなるわよね? 放置ゲーの要素もあるのよね♡

たとえば♡ 私が王都で『ザマァ』の準備をしている間も、領地が勝手にポテチを量産し、私のレベルを上げ続けると……?

あれもコレもできるわ♡)


「ディード、何をニヤニヤしている。……まあいい。独立を宣言した以上、王都のゴミ共には一粒の塩、一滴のジュースも渡さん。関所は完全に封鎖したぞ」


お父様が冷徹な勝負師の顔で領地の戦略を語り始めたその瞬間、視界に新たなログが走った。


【特殊バフ:親愛の絆(ファザコン・プロトコル)発動】

・条件:父・辺境伯と領地経営・内政について対話する

・効果:放置報酬の生産効率が【24h+10% UP】


「お父様! もっとお聞かせくださいまし! 王都を経済的に干上がらせるための具体的な増税案を! あ、ついでにコンソメ工場の増設についても!」


「おお、ディード……! お前も立派な、冷酷で美しい辺境伯令嬢になったな! よし、朝まで語り合おうではないか!」


(お父様と話すだけで、24hポテチの生産量が1割増しも美味しい♡)


お父様との対話(バフ稼ぎ)に精を出す私を、後ろからリリス様が呆れたように見ていた。


「……あんたのお父様に何かした? それとも単なるファザコン? 癖が多いわね!?」


「癖!?違!!リ、リリス様、これは尊い親子愛ですわ。……」


数日間の「放置と書いて準備」を経て、私のマジックバッグには山のようなバフ食と、領地ポイントによって強化された魔力が蓄積された。

王都へ向かう準備は万端。だいたいシステムの流れも掴めたわ。


「さぁ、準備は整いましたわ。お父様、私、王都へ参ります。あの不潔な空気を、私が持ち寄るコンソメの香りで浄化して差し上げますわ」


「ディード、気をつけて行け。……だが、その『逆バニー』という格好は、やはり教育に悪いのではないか?」


神具『夜闇の逆バニー』を召喚した私の姿に、お父様は思うところがあるみたいだ。

けれど、これもまた尊い犠牲。

私はリリス様とララァ様を従え、豪華な魔導馬車へと乗り込んだ。


エリック王子。

貴方は私に「無価値な土地で朽ち果てろ」と仰いましたわね?

いいでしょう。

私が最も好きなことの一つは、自分を無価値と切り捨てた相手に対し、「だが断る」と引導を渡して差し上げることですわ!


視界の端では、放置ゲーのポイントがチャリンチャリンと音を立てて積み上がっている。

さあ、王都攻略RTAの始まりですわよ。……アーカイブの録画、忘れないようにしなきゃ。


私は扇を優雅に広げ、虹色の粒子を纏いながら、滅びゆく王国へと向けて不敵に微笑んだ。


---


いくつか村を挟み、数日かけて、やっと王都の南門手前に到着した。


門は広く、衛兵が二人、通行チェックをしている。

私たちは、夕陽が沈み門が閉まる直前のタイミングに合わせて到着していた。


「はい、次」


魔導馬車の御者が、私にそっと目配せを送る。

事前にリリス様と打ち合わせていた通りの行動に移る。


私とリリス様はフードを深く被り、馬車から降りて衛兵に近づいた。

リリス様は顔を隠しつつ、わざと軽く前屈みになり、デコルテと胸の谷間を夕陽に少しだけ晒して歩み寄る。


「ふぅぁ!?」

「ちょっ……!? ま……!?」


若い方の衛兵が前屈みになり、顔を真っ赤に染めた。

(やべ……痛いくらいに……!)


「ふふふ♡ お花摘みに急いでるの♡」


リリス様がさらに半歩近づく。


「わっ、わかったから! 近っ……!? 門も閉めなきゃいけないし、急いで通って!!」


年長の衛兵が慌てて手を振り、若い方を押しのけるようにして道を開けた。

チェックらしいチェックもほとんどなし。

私たちはあっさりと南門をくぐり抜けた。


(さすがエロゲーゆるふわっ♡)

私は知っていた。このゲーム、基本が本当にゆるいのよね♡



ここまでお読みいただき


本当にありがとうございます!


「コンソメは正義」と少しでも思っていただけましたら、作品下部にある


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