39話_体育祭 破
あけましておめでとうございます!
閑話は既に投稿してありますが本編今年最初の話はこっちなのでこちらで挨拶を!
今年もよろしくお願いします!
「今は三位ですが一位、二位との差は大きくありません。諦めずにくらいついて行きましょう。ですが、楽しむことを忘れてはいけません。午後の部では私たちも演武をするので見に来てくださいね。」
中間発表をもとにシルビアが発破をかける。ついでに演武の紹介もしている。これは人が集まった方が、いざというときに守りやすいという理由があったりするが皆には内緒だ。三龍生や神霊の契約者を見たい人が大勢来るだろう。もしや私は一人自由行動でもいいのでは?
「ダメに決まってるでしょう?」
「まだ何も言ってないよ!?」
「今学園内で一番有名な桜姫様が参加しないでどうするのよ。」
「そこが一番おかしいでしょう。」
「自業自得よ。」
そういわれると反論できない…。授業初日で神霊の契約者を倒して、親善試合で三龍生を倒して、その上ミスコンにも選ばれた存在…。うん、私でも一目見たくなる存在だね。
でもせっかく参加するなら本気の試合がしたかったな。
「サクラって意外と戦闘狂の気質あるわよね。」
「そんなことは…。あれ?否定できない…?」
そこまで戦いを求めてるつもりはない。せっかくSDSの世界に来たのだし、いろんな相手と勝負してみたいと思っている。珍しい魔物とも戦ってみたいし…。珍しい食べ物を求めて戦って…。やっぱり否定できなかった…。
「気にしないことにしよう!」
「切り替えも早いわよね…。」
なぜか呆れられている気がしないでもないが気のせいだろう。
―――
午後の部が始まり私たちの演武が始まる。ちょくちょくルノアさんが予定と違う動きをしてクリストフさんに止められていたり楓さんが気合を入れすぎてクリストフさんが止めていたりしている。三龍生の中ではクリストフさんが一番の苦労人な気がする。…カトレアちゃんの私もサクラのせいで苦労してるわよ!なんて声が聞こえた気がするけどそんなわけないはずだ。…。うん、きっと…。
しばらくして演武が佳境に差し掛かった時にウィードさんから念話の魔道具で連絡が入った。
「魔物の氾濫が始まったぞ!」
―――
幸い、演武も終盤に差し掛かっていたため、観客達に違和感を与えずに終えることができた。今は学園長室に集まって情報共有中だ。
「どこのダンジョンが溢れたの?」
SDSでもダンジョンのスタンピードが起こるイベントはいくつかあった。ゲーム内ではレアな魔物を大量に討伐得られる経験値や莫大な報酬を目当てにわざとスタンピードを起こす様な人も居たらしいが難易度が高めに設定されており、沈静化に失敗すると街が滅びて、次の周に移るまで使えなくなるとかもあった。かくいう私もゲーム内で主要な街が一つ消えて詰みかけたこともある。沈静化に成功するとその周をクリアするまで金策が必要無くなるくらいの報酬が貰えるためハイリスクハイリターンのイベントだったな。
そこら辺の話は置いといて今は現実の対処が大事だ。どのダンジョンでも攻略方法がある程度固まってるから場所さえ分かれば…。
「ダンジョンじゃねえ、森から大量に出てきてるみたいなんだ。」
「え?」
SDSではダンジョンのスタンピードは発生したが森の氾濫は無かったはずだ。私が見たことないイベントかと思いライアスの方を見ても知らないと首を振っている。
「ギルドは事前に察知出来なかったのでしょうか?」
「あぁ、魔物が活性化してたのもあって今まで以上に警戒をして見回り強化もしていたのに誰も気が付かなかったらしい。どこかに集団で隠れていて突然姿を見せたって感じがしっくりくると言ってたな。」
「なるほど、であれば魔族か何か黒幕が居ると考えるのが妥当でしょうか?」
「かもしれんが、まずはスタンピードの対処が先なのじゃ。殲滅力のあるサクラとライアス、シルビアがスタンピードの対処に、あなぐまの三人ははぐれて迷い込んだ魔物の位置を探して楓とルノアに連絡、二人は連絡が来次第討伐にむかうのじゃ。ウィードとクリストフは会場内の警戒を、黒幕が居るとしたら戦力を分散させるのが目的かもしれぬ、決して油断せぬようにするのじゃ。」
学園長の指示を元にそれぞれが動き出す。
「意外と的確な指示だったね。」
「学園長をなんだと思ってるんですか…。」
「のじゃロリ?」
「シルビアはそう言われても分からんだろう。」
「まあいいでしょう。各自分散して叩きますよ!」
幸い森に面してるのは街の南側だけだ。今回のスタンピードはイレギュラーのため絶対とは言いきれないが魔物に回り込むような知能は無いため正面を見て3分割で良いだろう。
各自の担当場所に移動してすぐ攻撃の準備を始める。
「氷華、よろしくね!」
無意識の内に笑顔を浮かべつつ氷華に魔力を流し込む。周辺の気温が下がり、私の周りには霜ができ始める。
「そろそろ十分かな。」
冷気が貯まったのを確認した私は一気に魔力を解放する。
「氷の世界」
その名に相応しく氷が世界を支配する。
サクラの前に居た憐れな数十万の魔物達は何が起きたのかも気がつかずに凍結するのだった。
―――
<ライアス視点>
「やっぱあいつヤベーな。」
サクラが一瞬で白銀の世界を作り出すのを見て独り言ちる。SDSでは最弱の主人公であるはずなのに現実ではチートだろうと文句を言いたくなるような強さを持っていて、なんでここまで違うのかが気になって仕方ない。サクラ本人は種族の制限がどうたら言っていたがそれだけとは思えない。だったらなんだと聞かれても分からないが…。
「と、このままだと俺も凍え死ぬしこっちも始めるか。」
SDS万能の主人公として負けてられないな!と気合いを入れて魔物の殲滅に向かうのだった。
―――
<サクラ視点>
ほとんどの魔力を消費して疲れちゃったけど街を守るための防壁として氷の壁を張りつつ担当範囲の魔物を一掃出来たから十分だろう。
もし黒幕が居たとしてもこれから滅びるかもしれない街中に居るとは思えないからこれで防衛が上手くいくはずだ。
…ちょこっとだけ目立つ壁ができちゃったけど誰も気にしないよね?
―――
<???視点>
「ちっ、失敗か…。バケモノ共め。」
こちら側と森の間に出来た氷の壁を見て1人吐き捨てる。
スタンピードを起こし、混乱する街中で裏切り者を消すつもりだったがあっさりと阻まれてしまった。
「まあいい、予備の計画に移るか…。」
第一の計画は失敗したけど予備の計画はまだ使える。
計画を見直しつつその男は街並みの中に消えていった…。
*****
Tips スタンピード
ダンジョンとかで魔物が飽和したり森などで魔物が過剰に繁殖したりして魔物が大量に街にやってくる天災のこと。過去にもスタンピードによっていくつか町が滅んでいる。
サクラ「一匹見たら百匹いると思えってやつかな?」
ライアス「こんな時にやめろ。」
サクラ「はっ。ゴキ○リホイホイみたいにすれば一網打尽にできるかも?」
ライアス「その例えをやめろって。」
サクラ「大丈夫、一匹でも百匹でも全部燃やせば0匹だから」
ライアス「そこじゃねえよ…。」
次話は明日の17時投稿予定です。
誤字脱字報告お待ちしております。
コメントや高評価を頂きますとモチベアップにつながりますので是非お願いいたします。
ブックマーク、お気に入り登録もしてくれると作者は泣いて喜びます!




