閑話_お正月の小さな事件<カトレア視点>
新年特別編です!
本編とは関係ないので読みとばしてもらっても大丈夫です。
「3、2、1!」
「「新年、あけましておめでとうございます!」」
今日は一月一日ということで新年のカウントダウンをしたのは私。カトレアよ。サクラと出会ったばかりの頃は突発的に発生する行事が大変だと思っていたのに、最近ではどこか楽しみにしている私がいるわ。
サクラは笑うと罰を与えられる環境で笑わずに堪えるといったイベントを行いたいと言っていたけど、どこでそんなことを考えるのかしら。
ライアスは赤と白に分かれて歌のうまさを競うべきだ。なんて言ってサクラと喧嘩してたけどなんで幼馴染の私よりもサクラのことを理解しているのよ。って少しヤキモキしたのはサクラには内緒。それにしても新年と全く関係ないと思うのは私だけなのかしら?
結局どちらも没になり新年のカウントダウンを私の部屋でやることにしたの。正直またトイレ掃除をやらされそうだったから最初は断ったのだけど、それを言ったらサクラが寮母さんから許可をもぎ取ってきた。うん。意味が分からないわ。けど、細かいことを気にしてもサクラの幼馴染は務まらないから余程のことでなければ流しているわ。
「それで、カウントダウンが終わったけどこれからどうするの?」
「寮母さんに怒られる前に私室に帰って寝てくる!」
「え?許可もらったのに怒られるの?」
久々のお泊り会だと思ってワクワクしていたのに…。と少し落ち込んでしまう。
「うぅ、お耳がペタンとして可愛い…。じゃなくて、許可をとれたのは日が変わるまでの時間だったの。ごめんね?」
「そうだったのね。トイレ掃除はもうやりたくないし仕方ないわ。おやすみなさい。」
「おやすみー。起きたら私の部屋に遊びに来てね!」
こそこそと音を立てずに部屋を出ていくサクラを見て、寮母さんの許可をとったのが嘘だと確信する。いつも分かりやすいサクラなのに今日は私も気分が上がっていたからかさっきまで嘘に気付けなかった。そのことにちょっとショックを受けつつも今日は寝ることにした。もう遅い時間だものね。
―――
朝になって目が覚めて身だしなみを整える。いつも自慢の尻尾は特に丁寧に毛繕いをしているわ。サクラは時間を指定しなかったけど朝早いわけでもないし、もう遊びに行ってもいいわよね?そう思いサクラの部屋に向かう。
「サクラ、お邪魔するわよ。」
ノックをして少し待つ。…?いつもなら直ぐに扉を開けてくれるのだけど、まだ寝ているのかしら?
「サクラー、そろそろ起きなさ…。」
扉を開けて中に入ると子供の頃のサクラにそっくりな子供がベッドの上に座っていた。
「サクラ、その姿はどうしたの?」
「あ、私ってわかった?」
ニコニコとしてるけど私はそれどころじゃないと思うのよ。
「なんで子供に戻ってるのよ?」
「いやー、起きておなかすいたからカトレアちゃんと食べようと思って用意していたお餅を少しだけつまんだの。そしたら喉に詰まっちゃって、急いで近くにあった飲み物飲んだら前に作った若返りの薬飲んじゃったんだ。」
魔道具科ってそんなもの作っていたのね…。なんて現実逃避しそうになったけど、本人は特に慌ててないしすぐに戻りそうね。
「どうやったら元に戻るの?」
「んー。そうだ!カトレアちゃんの尻尾に抱き着けば元に戻ると思う!」
いやいや、そうだ!とか言ってる時点で嘘でしょう。この感じは…。
「そこにある薬で元に戻りそうね?どうやら間違えて飲んだっていうのも嘘みたいね。」
「なんでわかるの…。」
この子は私が何年あなたの幼馴染をやってきてると思うのよ。それくらいすぐにわかるわ!
「はい、これ。カトレアちゃんも飲んで。ちっちゃくなったカトレアちゃんと遊びたいの!」
開き直って欲望駄々洩れになってるサクラに呆れつつも仕方がないから若返り薬を飲む。体にムズムズするような感覚が一瞬走ったと思ったら景色が大きくなった。いや、私が小さくなったみたい。
「うはー、ちっちゃいカトレアちゃん可愛い!モフモフ!」
途端に抱きしめてきたサクラを躱そうとしたけれど上手く体を動かせずに捕まってしまう。
「サクラはなんで普通に動けているのよ!?」
「そりゃあカトレアちゃんが来るまで動く練習をしたからね!」
無い胸を張ってどや顔をされた。この子はなんでこう、残念なのかしら…。
「せっかくだしこのまま遊びに行こう?」
「仕方ないわね。この姿を見られるのは恥ずかしいから少しだけよ?」
「わかった!」
二人で学園内を散策してからサクラの部屋に戻る。元に戻る薬を飲んで無事元に戻ったことに安堵しつつ私室へと戻った。
次の日、寮母さんに呼び出された私とサクラは一週間のトイレ掃除に従事させられるのだった。どうしてなのよ!?
*****
Tips? 七龍学園入寮規則 第一一七項 授業外でポーション以外の魔法薬の使用を禁ず
魔道具科の生徒は教員の管理下でしかポーションを除き、授業で作製した魔法薬を使用してはならない。本規則を破った際には罰として一週間の寮のトイレをすべて掃除しなければならない。
カトレア「サクラ?これはどういうことかしら。」
サクラ「規則って多いし、目を通してなくて…。」
カトレア「せめて自分の通う科の規則くらい把握しておきなさい!」
サクラ「ごめんなさーい。」
次話は今日の17時投稿予定です。
誤字脱字報告お待ちしております。
コメントや高評価を頂きますとモチベアップにつながりますので是非お願いいたします。
ブックマーク、お気に入り登録もしてくれると作者は泣いて喜びます!




