25話_入学式
冒険者ギルドに泊まった翌日、ランク分け試験があったが特に問題なく私はAランクに認定された。スティムはBランク、カトレアはCランクだったがカトレアは私の同伴者、スティムはウィードさんの同伴者として宿舎に泊まっていいと言われたので、翌日もそのまま宿泊することにした。
スティムは落ち込んでたがカトレアはお小遣い稼ぎに少し冒険者をやる程度のつもりらしく特に気にしていなかった。
その次の日は入寮解禁日となっていたためレイラさんにお礼をいい寮に拠点を移動した。寮は個室であるため今まで家族やカトレアが居てできなかったSDSの情報の再確認や今後の計画を立てる時間を確保しつつ、ギルドで依頼をこなしてお金稼ぎをして過ごした。
最初の二日間はAランクに認定されたとはいえ初心者には変わりないためウィードさんに冒険者のいろはを教わりつつ依頼をこなしたが、冒険のようなものは故郷でも行っていたためすぐに一人、もしくはカトレアと二人で依頼をこなすようになった。保護役から解放されたウィードさんは別の依頼を受けて旅立っていった。依頼ついでに母のところにも顔を出すそうだ。
スティムは早くAランクに上がると張り切っているがランクアップの試験はかなり厳しいらしく当分先になりそうだ。
ルアードさんのところに顔を出したらすでにガチャを販売しており大盛況になっていた。仕事がはやい!と眺めているといつかの店員さんに呼ばれて会長室へ、ルアードさんに挨拶したら髪をくしゃくしゃにしながら感謝された。ただ、スロットに関しては止めたらしい。ステータスでどれくらい運があるか分かってしまう以上、運の値が高い人だけが来て大赤字になる可能性が高いと判断したらしい。ガチャに関しては商品の価値を調整しているから問題ないらしい。
他にアドバイスを求められた私は魔力を使わなくても使える自転車などの話をしてみたところ、一部の魔力の少ない種族に売れそうだと嬉しそうにしていた。お礼にガチャ券をもらって帰り道にやってみると生命力を少し回復するポーションが当たった。大当たりはあたってからのお楽しみだとはぐらかされたがまあまあ使える当たりの部類ではないだろうか。
こうしてのんびりと?冒険者生活やルアードさんとの商談をしつつ2週間が経過し、入学式の日になった。
―――
「人が多いね。この学園って入学するの難しいんじゃなかったっけ?」
「そうね。でもアースフィア中の人が集まってくるから仕方ないわよ。」
「んー、他の国にも学園作ればもっと緩和されるんじゃない?」
「私に言われても...。同学年に王子様いるみたいだし提案してみれば?」
入学式に参加している私たちだがとにかく人が多い。ライアスと接触してみたかったけどこのままじゃ難しそうだ。待つ時間暇だな。
「ふははは、見てよカトレア、人がごみのようだ。いたっ」
「やめなさい。他人の振りしてもいいのかしら?」
「ごめんなさい。どうしてもやってみたくて。」
「私はあなたの奇行に慣れてるからいいけど他の人が驚くから二度とやらないで。」
少しふざけただけなのに怒られてしまった。でも気持ち周りの人が離れたのでスペースが確保できたし結果オーライかな。
「やばいやつ認定されただけよ。なにも良くないわ。」
「もう、心を読まないで。ん?」
目の端に金髪が見えた。あれはライアスだろうか?顔を見たかったが既に離れていってしまった。
「サクラ、どうしたの?気になる人でもいた?」
「いや、何でもないよ。それよりももうすぐ始まるみたいだから静かにしよう。」
入学式の開始時刻になるとともに花火があがる。魔法を使った派手な演出だ。おしゃべりをしていた入学生たちも花火に注目し始めた。花火がいくつか集まり女性の形を作る。おそらく学園長の姿だろう。花火が形作った学園長がそのまま話し始める。
「諸君。厳しい試験を突破してよく入学してくれた。だが諸君らの人生の目標は入学することではない。卒業後いかに世界に貢献するか、自身に誇れる己になるか、はたまた生きていくための力を手にするか。目標は人それぞれだと思うがこの学園が諸君らの一助になればよいと思っている。まだ目標を持てていないものもいるだろう。そんな者達はまずこの学園の中でやりやいこと。やるべきことを探してみて欲しい。そうして経験したことの延長線上に人生の目標が見つかる者もいるだろう。もし見つからなくても学園で得た経験は決して無駄にはならないはずだ。例年、優秀な生徒が来てくれるが今年は特に素晴らしい生徒が三人も入学してくれたみたいだ。切磋琢磨してよい学園生活を送ってくれ。では幸運を祈る。」
少し長めの話が終わって花火が散る。最後こっちの方を見ていた気がするがあれだろうか、舞台のどこから見ても自分を見てると思わせる視線の向けかた。なんて言ったかな?
「学園長最後サクラの方見てなかった?」
「なんか、そんな気がした。あったことないはずなんだけど。」
「さっきの奇行で目を付けられてたりして。」
「あはは...。あまり笑えないね。」
勘違いでした。がっつり見られてたみたいです。続いて新入生代表の答辞だ。新入生代表はシルビアだ。彼はブルーム王国の王太子でSDSでは神霊のジークと契約していた。七周目の世界線では執務が忙しいとかいうご都合主義全開の理由で主人公パーティーに参加していなかった。一応裏方としてサポートはしてくれたが世界の危機に執務してるんじゃないといった声も大きかったな...。
「初めまして。新入生代表のシルビア・フォン・コモン・ブルームです。この国の王太子ですが学園内では全員平等です。貴族の方だけでなく平民の方も気軽に声をかけてください。この学園に入れるほど優秀なあなた方と切磋琢磨できる機会を得られたことに感謝を。七つの科に分かれていますが手を取り合い、共に成長していきましょう。ただ一つ、懸念事項があります。皆さんも知ってる人が多いと思いますがここ最近、魔物が活性化しています。王都の外に出る時は十分に注意してください。」
最後に不穏な話もあったが一通りの話が終わった。今日はこれで入学式は終わりで明日から授業が始まるのだ。新入生たちが少しずつはけて寮に戻っていく。流れに合わせて、私たちもおしゃべりをしつつ寮に戻った。
―――
寮についたら寮母さんに声をかけられた。
「サクラさん。学園長がお呼びですよ。」
「学園長が?」
「サクラなにやったのよ。初日から呼び出しなんて。」
「なにもしてないよ!?さっき見られてたのと関係あるのかな?」
「とりあえず行けば分かるでしょ。いってくるね。」
「ええ、行ってらっしゃい。」
学園長室に来た。ノックをして中に入る。
「失礼します。」
中に入るとそこには見たことがある顔が四人いた。
*****
Tips レイラ・ミルクリープ
王都の冒険者ギルドの受付嬢。美人。サクラは気付いていないが、SDSでは受付嬢としか名前すら出てきていないにも関わらずお金稼ぎ用の依頼を受けさせてくれる重要なキャラだった。名前をミルクレープと間違えられるのが悩み。
サクラ「ふははは、人がごみのようだ。」
レオン「やばい奴がいるぞ。ライアス、あれと関わらないようにしよう。」
ライアス「無理だな。あれがサクラだ。そして十中八九転生者だ。」
レオン「...。あんな発言で確定とかお前の前世の国ってやばいやつばっかりなんだな。」
次話は明日の17時投稿予定です。
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