12話_目が覚めて
母が暴走を始めた...。
知ってる天井だ…。
ごめんなさい。一度言ってみたかったんですこの言葉。少し違うけど…。
どうやらウルフを倒した後気を失ってしまったみたいだ。いつの間にか我が家のベッドに寝ていた。母が運んでくれたのだろうか。
「おう、起きたか嬢ちゃん。」
「ウィードさん!?いつの間に帰ってきたの?」
「あー。そのことなんだが、ローズさんが簡単に説明するらしいからそこで聞いてくれ。」
「?わかりました...。」
母からの説明とはなんだろう。とりあえず母のところに向かうかな。
「ローズさんは今外出てて、戻り次第ここ来るから嬢ちゃんはまだ休んでおきな。ばかみたいに魔力使って疲れただろう。」
「はーい。まだ体がだるいし休んでるよ。…ん?なんでほとんど魔力使ったこと知っているの?」
「あ、あー、それもローズさんが話すと思うから待っとけ。別に今言ってもいいが俺から言うとローズさんが不貞腐れちまうからな。」
「あはは、そうだね。母さまに聞くとするよ。」
「おう、そうしておけ。何か飲み物飲むか?」
「ん。お茶頂戴。」
「はいよ。じゃ、準備してくるからお嬢は安静にしてろよー。」
「わかってるよ~。」
母は何か買い物だろうか?それにしても体がだるい。魔力が枯渇しかけていた影響だろうか...。
母が戻ってくるまでに何をしようかな。Fランクの魔物相手にかなり苦戦してしまったし、ステータスの確認でもしてこれからの修行の方向性を考えるか。
「ステータス、オープン」
*****
名前:サクラ・トレイル(桜庭龍馬)
種族:ハーフエルフ(制限開放“小”)
生命力:500→700(3000)
魔力:75000(300000)〈適正:天〉
体力:F→C (A)
物理攻撃力:G (G)
魔法攻撃力:F→B (S)
物理防御力:F→D (C)
魔法防御力:F→C (A)
器用さ:G→F (C)
素早さ:G→D (B)
運の良さ:G (G)
特殊スキル:ステータス、アイテムボックス、鑑定
*****
全体的にステータスが伸びている。すでに一般人程度の能力は超えたものも多く、魔法攻撃力に関しては中堅レベルまで上がっている。このステータスでFランクに苦戦するとは...。実践に慣れていなかったからなのか、力をつけていたウルフだったのか...。どちらにしろ今のままでは母を守り切れないかもしれない。師匠も帰ってきたことだし、今まで以上に実践をしつつ鍛えてもらわないといけないかな。
「あ。この前母さまと無茶しないって約束したばかりだった。」
「は?嬢ちゃんローズさんとそんな約束してたのかよ。」
「はっ!ウィードさんいつからそこに。」
「いつからって。嬢ちゃんが頭を抱えてくねくねしはじめたところだが?」
「いやそこは“ステータスって言ってるところから”って答えて私が“最初からかい”って突っ込むところでしょう。」
「何言ってんだ嬢ちゃん。頭でも打ったか?いや、魔物との戦いでショックを受けたか…?」
しまった。こっちではこういったお決まりはなかったみたいだ。本気で心配されてしまった。
「いや、気にしないで。私は平気だから。それよりなにしに戻ってきたの?」
「そ、そうか。ほら、お茶だ。準備してくるって言ったろ?」
「あー、忘れてた。ありがとう。」
「気にすんな。ま、まだ本調子じゃないんだしローズさんが帰ってくるまでもうひと眠りしときな。」
「うん。そうする。おやすみなさい。」
「おう、おやすみ。」
起きたらウィードさんに相談しようと心に決めつつ眠りについた。
―――
目が覚めたら母がこちらを見ていた。
「母さま?おかえりなさい。」
「うふふ~。ただいま。よく眠れた?」
「うん。ぐっすり。ところで、ウィードさんが言ってたけど母さまから話があるんだって?」
「そうよ~。ご飯を食べ終わったらお話をしましょうね~。」
言われておなかが空いてることに気が付く。
「三日間も寝てればおなかも空くものよね~。」
「えっ?三日?」
「あら~、ウィードは説明してなかったのね~。サクラがウルフを倒してからもう三日たったのよ~。魔力の枯渇が原因だってわかっていたから慌てなかったけれど心配はしたのよ~。もう、無茶しちゃって。」
膨れてる母も可愛いが心配かけたのは申し訳ない。少しだけ反省しよう。同じ状況になったらまた同じことするけど。
―――
「「「ごちそうさまでした。」」」
ご飯を食べ終え、片付けが終わってから机の周りに集まる。最初に口を開いたのは母だった。
「さて、サクラには明日から私が修行を付けます。今から私のことを師匠と呼びなさい。」
きりっとした顔で言い切った。
「か、母さま…?」
「違います。師匠と呼びなさい。」
「し、師匠…。」
「よろしい。」
いつもの母はどこに行ったのだろうか。のんびりした口調も鳴りを潜めはきはきと話している。ウィードさんのほうを見てみると引き攣った笑いをしていた。
「そうなると二度と嬢ちゃんに母さまと呼ばれることは無くなるんだな…。」
「やはり呼び方は自由でいいです。いや、普段は母さま、修行中は師匠と呼びなさい。」
「は、はい母さま。」
「…嬢ちゃんが付いてこれてねぇぞ。」
ウィードさんの呟きにあっさりと掌を返す母。うん。ちょっと付いていけない。
*****
Tips アースフィア
SDSの世界における地球のようなもの。大きな大陸が五つと空島、海底大陸があり、各大陸に一種族が暮らしている。魔族の国以外は盛んに交流しており基本的に平和。一年が365日で一日が24時間と地球とほぼ同じ世界。科学の代わりに魔法の力で発展しており封建制度が残ってる国が多い。どこの国でも奴隷制度は借金奴隷と犯罪奴隷のみ。奴隷にするには神の許可が必要で違法奴隷を作ろうとすると嵌めた側が全員犯罪奴隷にされるため違法奴隷は存在しない。
次話は明日の17時投稿予定です。
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