28
僕達が階段を上って行くと階段の途中で人の気配を感じた。
「まって、情ちゃん。多分少し上った先に人がいるよ」
「そうなん?ワタシの【気配察知】には何も引っかかっとらんのやけど?」
確かに感じるんだけどなぁ、全てを殺す様な殺意をガンガンに振りまいてる奴が....てかこれ【威圧】じゃね?
僕らの家系以外でも【威圧】を使える人っているんだな~
「ほな、警戒して損はないと思うから警戒してこ」
情ちゃんに言われたけど...これ多分気づかれてるよなぁ~こっちにしか殺意ぶつけて来てないし
「多分気づかれてると思いますよ?」
「嘘やろ!?そんならリン君と同じ様な化け物がもう一体おるって事やん!」
警戒を諦め僕はそのまま階段を上って行く。途中で服を引っ張られて情ちゃんに止められるが逆に抱っこしてそのまま上に上がる。
上は一つの部屋の様な作りになっており、まるで拷問でもしたような血の跡がある。近くには拷問器具が転がっているがどうでもいい。
僕は直ぐに担いでいる情ちゃんを適当な場所に捨ててインベントリから大鎌を取り出すと真ん中で鎮座している大男に振りかぶるが止められてしまう。
「久しぶりだなぁ?弁慶擬き!!」
「相変わらず交戦敵だな!リン!!」
僕は大鎌を振ろうとしたが後ろに捨てた情ちゃんの事を思い出し大鎌をインベントリにしまう。
「なんだ?殺らんのか?折角お前の気配を見つけて戦いに来たと言うに」
「ごめん、今この情ちゃんの護衛のクエストを受けてるから流石に戦えない」
そう言うと弁慶擬きは情ちゃんをじ~と睨めつけるが期待外れを見る様な目に変わる。
「ふむ、まぁよい今回はお前と戦いに来た分けでは無いからな!」
「じゃあ何の目的で来たんだよ?弁慶擬きが満足出来る相手なんて、そういないでしょ」
「いや、今回は儂も依頼で来たんだ。何でも周辺の森を消し飛ばす魔術を放った馬鹿が捕まったらしくてな。何処に所属してるか聞いてこいと言う話だが心当たりは無いか?名前も教えてくれなかったからなぁ。あの依頼主」
.....絶対に僕じゃん。でもここでバカ正直に弁慶擬きに本当の事言ったら絶対に戻されるよな..
「さぁ?僕は知らないけど情ちゃんはどう?」
「ん?そんなバカな事するんはきm」
僕は急いで情ちゃんの口元を抑える。というか今の話聞いてなかったの?絶対連れ戻されるの確定じゃん...あ~情ちゃん弁慶擬きの【威圧】にやられて話を聞く余裕すらなかったのか。
「ごめん、そろそろ情ちゃんが限界っぽいから先出るね!牢獄はその階段下りれば直ぐ着くよ」
僕はそのまま情ちゃんを抱え進もうとしたが弁慶擬きに呼び止められる。
「ああ、そうだ最近にここの領主様は怪しいって噂を聞くから気をつけろよ!って言ってもお前な平気か」
「へ?」
それだけ言い残すと弁慶擬きは地下に進む階段を降って行く。怖いわ!てっきりバレたかと思ったじゃん。
僕らは部屋を出る。部屋の外は僕が担がれた時に見たギルドそのままだった。変わっている事があるならば冒険者が全員倒れているくらいだろうか?
「ふぅ~やっぱシャバの空気はおいしいわぁ」
なんか情ちゃんが脱獄のあるあるを言いつつ僕らはギルドの外に出る。
「さて、ワタシはこの後領主の家に潜入する気やけど勿論付いて来てくれるなぁ?」
「もちろんですよ。でも向かいながらイベントに付いて教えてもらってもいいですか?」
「そりゃもちろんええけど、何処から知りたいん?前回それとも今回のイベント情報?」
「じゃあ両方で!!」
「わかった!、まず前回のイベントを....まずイベントていうのはMMOである以上色んな人と関わらせたいと思った運営が全員参加型のクエストって体で作った物なんや、当然それ相応のスケールやないとプレイヤーは食いつかへんから大規模な物になる。で、前回のイベントがその一つで『暗闇に向く城』って名前のクエストだったんよ」




