14
寝落ちしたせいで全然進められなかったぁ。やってしまった
ゲームを起動すると目の前が暗転する。目を開けると、ボロボロの天井と軋むベッド…ここってアテネさんの宿?ってことは死んでリスポーンする時って最後に寝た場所にスポーンするのかな?
とりあえず、ベッドから下りて下に向かうと、やはりと言うかアテネさんがいた。
「あんたいつの間に帰ってきてたの?」
「あ~すいません一回死んじゃって今蘇った感じです」
「は~大丈夫なの!?死ぬって?ってそっか旅人は死んでも女神様の加護で最後に寝た場所で復活するんだよね」
「あれ?でもコロシアムの中で殺しても休憩所に送られるはずよね?」(小声)
何かを考えてるアテネさんを横目に玄関から出て、噴水へと向かう。そういえば、僕ってまだ全然町の探索とかしてないんだよなぁ。そろそろコロシアム以外の場所に行ってみてもいいかも
そんなこんなしてる内に、僕は噴水の前に立ってる訳だけど流石に遅い!今の時間が22時で待ち合わせ時間が21時な訳だし。はぁー何かしてるのかな?
葵はともかく秋なんてお風呂にも入らずゲームばかりしてそうだし。
22時30分になったが一向にこないなぁ。っと思ってたら周りが騒がしくなってきた。聞き耳を立ててみると、誰か有名人がこっちに来てるらしい。
次の瞬間急に目の前が真っ暗になるというより
「だーれだ?」
「残り10秒以内に手を離さないと後悔する事になるよ秋?」
あ~葵も僕が悪戯仕掛けた時ってこんな感じだったんだ。こんなに遅れといて、こんなバカな事してくるとは。
僕の目の前から手が退けられる。
僕は秋を視界に入れないようにしながら、葵を待つ。
「おいおいリンちょっとした悪戯だろな?」
こういう時はちゃんと叱っとかないと、駄目な人間になるって父さんも言ってたしね。
「反省は?」
「してます」
「よろしい」
僕が振り替えると、赤色の目に少し茶髪のような短髪で2年で成長したのか、少し頼りがいのある顔になった秋がいた。
「ってこっちの世界だと俺がアキで葵がアオイだから、リアルネーム禁止、ちゃんとゲーム名で呼んでくれ」
「うんわかった。て言うかリアルネームと同じじゃん。」
「そんな事考えるより速くゲームしたかったんだよ」
「へぇ、でそんな事よりも何でこんなに遅刻したの?」
そう、そこが一番不思議な所で僕の知ってる秋は、友達との約束に遅れたり、破ったりする様な奴じゃなかったはず。
それこそ、前に家の都合で遊べなくなった次の日とか、さりげなく菓子折り置いてったくらいだし、めっちゃ友達を大事にするコイツがねぇ?
「いやぁそれがさ、俺ってこれでも最前線でギルド組んで戦ってるんだけど……今日は他のギルメンに止められてさ『今お前が抜けると痛手だから、勝手に行くなってさ』本当に勝手だと思うよ」
秋って高校生になっても、その悪い癖治ってなかったんだ。
「あれ、そしたらアオイが遅れてる理由って違うのか?」
「ああ!アオイならあっこにほら」
秋が指を指す方向を見ると、青い髪に青い目少し幼さの残る顔立ちをしたっていうか完全に葵だ。
「え!もしかしてナンパとかそういう話し?」
お?もしかして内の葵さんに手を出そうとしとるんか?お?お?殺るんか?お父さんが黙ってませんで!
「ああ、それに近いかな?あいつもなんだかんだ最前線で戦うプレイヤーだから俺みたいに止められてるんだろ。ま、アオイの場合隠れずに堂々と来たっぽいけど」
「っていうか、そういうのってゲームでもストーカー行為ならアウトだろ」
「所がこのゲーム粘着してもある程度許されてるんだ。ほら、このゲームってリアルを売りでやってるだろ?だから、こういう事も許されるんだ」
ふーんなるほどね、今更ながらだけど、僕と秋、葵って幼なじみで幼稚園児の頃からの親友で、僕にとっても妹みたいなもの何だよなぁ
僕は葵の所まで何もないかのように歩いていく。
「待たせたなアオイ!」
まるで僕が待ち合わせに遅れたかの様に現れる。何か凄い驚いた顔してるアオイを他所に手をアオイの前に出す。
「さぁ行こうよ?アオイ」
何故か少し顔を赤くしたかと思ったら、僕の手が叩き落とされる。
「何ですか?貴方は私は今アオイさんと話してるので邪魔しないでもらえませんかね?」
そう言ってきた男は、アオイの事をナンパしてたであろう学校にいそうなメガネ掛けた委員長見たいな人だった。
「ですけど、アオイと最初に約束してたのはこっちなんで、諦めてもらえます?」
「何を言ってるんですか?アオイさんは現在このゲームで10番手に入る様な人を、こんな始まりの町に置いて置ける訳ないでしょう時間の無駄です。」
「人が楽しくゲームするのの何がいけないですか?」
「ですから、彼女にはトッププレイヤーとして他のプレイヤーより頑張ってもらわないと行けないんですよ?貴方もですよ?アキさん」
アキはずっと遠くから見てるだけだった理由って、これか。でも、丁度良かったアキが入ってるギルドにはこれから挨拶しに行かないとって思ってたからね。
「じゃぁ、ここは一回勝負で決着つけませんか?僕が勝ったらアキやアオイを無理に連れてこうとしない、君が勝ったら二人を連れて行けばいい。それでどう?」
「些か不本意ではありますがいいでしょう。チュートリアルで自分が強いと思い込んでる奴を倒すのは面白いですから」
そのまま僕たちは、噴水前の公園を抜けコロシアムに来ていた。
「武器の差で負けたと言われるのも面倒ですから、ここで借りられる武器だけにしましょう」
そう言われた僕は、武器貸しBoxの中からって鎌ないのね。仕方ないから剣を取る。そのまま進みリングに行くと、前の試合とは比べられない程の観客がいた。
「それでは始めましょうか?貴女が地面に這いつくばるのが、楽しみですね」
目の前にカウントが表示され、観客達も盛り上がって一緒にカウントダウンを始める。
――――5
正直、最初から結構イラついてたんだよな。こんな自由な世界で無理やりだなんて
――――4
しかも、人の頼みを断れないアキを利用して、無理やり攻略を手伝わせるとか
――――3
此れだけじゃない、アオイにあんなベタベタしやがって!
――――2
久しぶりに、あれやるか、生かしておく気はさらさらない
――――1
さぁ全力で行こうか!
――――0!!
弁慶擬きよりかは少し遅い速度で突っ込んでくる男。
―――「華岡流・壱ノ型・白狼」
白い電気が僕を包み込み急速に世界が遅くなる。僕は遅い男が目の前に付いた所でアレをする。
『よいか凛よ?華岡流の真髄は一人での一騎当千化け物になる為の技、それが華岡流じゃ。
その力は恐怖を与える怖いものであると共に守りたいものを守る力でもある。凛お主は力を持つものとして、力と暴力を履き違えてはいけんのじゃ』
そうだねお爺ちゃんでも、今回は僕の守りたいものを守る為に……
―――「華岡流・極伝・漆ノ型・衝天神」




