表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/59

第13話:【学園祭準備】看板娘たちの衣装選び

学園祭を間近に控え、校内は色とりどりの装飾と浮き足立った熱気に包まれていた。シュウたちのクラスが出し物とするのは、ガストンが改造した移動厨房車『テツクズ号』を核とした、魔物料理の模擬店だ。

「……おい、シュウ。味はいいが、見た目が華やかじゃないと客は寄ってこねえぞ」

 ガストンが持ち込んだのは、近隣の服飾ギルドから力ずくで(?)借りてきたという、山のような給仕服の試作図と現物だった。

「ちょっと! なぜ私がこんなフリルだらけの服を着なきゃいけないのよ!」

 フィオナが顔を真っ赤にして、手元の衣装を突き返す。それは王女の威厳など微塵も感じさせない、可愛らしさを極振りにしたエプロンドレスだった。

「……ん。……短い。……尻尾、出ない」

 ミーニャが手に取ったのは、機動性を重視しすぎたのか、極端に丈の短いミニスカートだ。銀色の猫尻尾をイライラと左右に振り、不満を露わにする。

「……ふふ。皆様、お似合いですわよ? ちなみに私は、この『因果を惑わす深紅のドレス』を……シュウ様、いかがかしら?」

 リィネが優雅に、スリットの深く入った衣装を体に当て、計算高い上目遣いでシュウを見つめる。

「……何でもいい。……動きやすければな」

 シュウが寸胴鍋の火加減を見ながら無関心に答えると、そこへガストンがデリカシーの欠片もない一言を放った。

「ガハハ! 姫様、そんなに顔を赤くしてちゃ、せっかくの衣装も『茹で上がったトカゲ』みたいだぜ! ミーニャも、その短いのでシュウを誘惑するにゃ、まだ『肉付き』が足りねえんじゃねえか?」

 静寂。

 直後、フィオナの周囲に黄金の重力波が渦巻き、ミーニャの瞳が獣のように細まり、リィネの笑顔が氷のように冷え切った。

「……ガストン。……今、何て言ったの?」

「……消す。……影の中に」

「……ふふ。……ガストン様の未来、真っ暗に塗りつぶして差し上げますわ」

「お、おい! 冗談だって! シュウ、助けろ!」

「……無理だ。……自業自得だろ」

 シュウは呆れ顔で、激怒する乙女たちに追い回されるガストンを横目に、包丁を研ぎ直した。

 結局、衣装はシュウが「機能美」の観点から一人一人に合うよう調整することになり、それが後に『境界線の晩餐』で彼女たちが纏う、伝説の制服の原型となるのだった。

次回予告

第14話:【学園祭当日】境界線の「出店」パニック

ついに始まった学園祭。シュウが振るう魔物料理の香りに、全校生徒が吸い寄せられる。押し寄せる客の波に、フィオナが「王家の接客」で応戦し、ミーニャの影が注文を運び……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ