このゲームの面白い所はこう言う所 ①
「冬休みに入って王宮に戻って来た事だし、麗君。第1章対策会議をしよう」
「良いですね、先輩」
あれから数ヶ月が経ち、冬休みに突入したので改めてだが、数年後に来る1章の対策会議を提案すれば、嫌がりもせずに賛同してくれる元暗殺者兼執事兼前世後輩の狼牙こと麗君が光り輝いて見えた。
うーん、やっぱり俺の過去を知ってくれている人がそばに居るのは安心するよな。
〈?俺達は?〉
〈神様多分今じゃない〉
「それで具体的に対策と言いますと?」
「10歳の時に第1章ヒロインとその弟が来るのは分かってるでしょ?」
「はい、原作での設定は魔力の多さが理由でしたね」
「そう、それに関しては父様、アーノルドの判断と大臣や宰相達の判断もあるから10歳そこらの子供の提案を聞き入れるかは無理だから容姿になるのは阻止は出来ない」
若干頭上がうるさいな、と思いながらも麗君の淹れてくれた紅茶で落ち着きながら、第1章の入りを思い出す。
アーノルドが新しい娘と息子だと言って来て連れて来たのがヒロインであり悪女の【ウララ】、そしてその双子の弟でどうしてこんな良い子がと思う程良い子なのが【ライル】の2人。
まだ慣れない城に緊張した2人を見る、ユイリアの背中が写りエピローグは終わる。
その後、色ーんな事があり魅了、洗脳魔法を使うウララがユイリアを悪女に仕立て上げ、第1章のバッドエンドは必ず死罪になった。どれも享年13歳。
「バッドエンドを迎えない簡単な方法って言ったらやっぱりウララの魔法の対策なんだよなぁ」
「ですね。明らかに城に向かい入れられてから徐々にユイリア陣営に居た人達がウララ陣営に入って行った、って感じだったですし」
「うん、、、、魔法に関しては俺の魔法で対処はするとして、養子ってなると変に気を遣ったりするって言うのが人の世じゃん?」
「あぁ、、、、確かにそうですねぇ」
俺の言い方に理解したのか、紅茶のコップの飲み口に口を置いて絶妙な表情をする。
要は俺と言うかユイリアが嫌がらせをしたって言う事をウララが捏造する可能性が十分あると言う話だ。優しい家族の事だから最初はウララの話を信じるだろう。そして注意をする。
だが、魅了や洗脳魔法がかかってない以上は、いくらやっても前までのユイリアと違う行動を頻繁に取っていたらユイリアではなくウララを疑う事だって十分にあり得る話だ。
それは大臣や宰相、使用人達も同意だろう。
たった数日しか居ない養子と生まれた時から見ている皇女、どちらを信じるかなんて目を見なくても分かる事だ。
〈なんか、私が居なくても上手くいきそうで、鬱〉
〈いやユイリアだって頑張ってるし!優衣の頭の良さが異常なだけ!〉
「(おい、神様それ褒めてんのか貶してんのかどっちじゃコラ)」
〈褒めてるけどそこまで考えてるとは思わなかったんだよ!〉
「(一応これでも最古参プレイヤーだぞ。回線切ってたりしてる時にも考えてるしそれにハッピーエンドが最重要項目だろ)」
〈神様、なんか良心が痛くなって来た〉
〈辞めて俺も痛くなって来たからさ〉
「(そのまま痛みで失神しとけ)」
今更良心の呵責で痛み負うぐらいなら最初から負えって話だ。
だけど、俺にとっては前世、前前世は優衣として、前世はほんの一瞬ではあったが一回目のユイリアして生き処刑された。
あの記憶を元にすると、ウララにも前世記憶がある可能性が高い。
そうなると、あちらがこの乙女ゲームをプレイしている場合は、色々厄介だし厄介な手段を取る可能性すらある。
まぁその分俺や麗君に記憶があるって事を悟られなければ、こっちにも有利な動きが取れる。
「1番大切なのは味方との関係維持かな。どれだけウララがいじめられたって言っても要は関係値が重要な話だし」
「確かにそうですね。今の所原作のユイリアよりも先輩はコミュニュケーション能力で圧倒的に慕われていて信用もされて可愛がられてますからね」
「まぁね。他の章は圧倒的に陰湿で性悪な部分があるからやりやすいんだけど、身内絡められる系の1章は大変大変」
「ぁ〜、そう言えば俺も1番ここで苦戦しましたね」
なんて会話をしながら紅茶を飲む。後数時間しないうちに、勉強を終えたノゼルドが部屋に突撃してくる。音を立てずにいつの間にか隣に居るか背後にいるか真正面にいるかの3択だから毎回心臓がヤバい。
なんで感知魔法に反応しないのかも1番怖い。
今の所、モナーキー家で1番怖いのはノゼルドだ。アーフィルドやユーファはある程度行動が分かりやすいからね。




