現状維持が最適解って分かるね!!!! ④
「ぁー、疲れたぁ」
「優衣先輩お疲れ様です」
寮ではなく実家、王宮の自室のベッドにダイブをしながらそんな事を呟く。
パーティーが終わり文化祭の後は3日間の休日なのでその分はこっちに戻って来た。荷物は狼牙こと麗君が運んでくれたみたいでマジ有能って感じ。
ベッドから顔だけあげ、ふと考える。
「なんか、今こんなに幸せって感じるけどあと数年もしたら破滅するがしれないって考えるとちょっと嫌かも」
「、、、、確かにそれはそうかもですね。でも、俺が先輩を守ります」
「ふっ、それは頼もしい事で」
「それに、優衣先輩なら第1章を難なくこなせそうですし」
「それはどうだろ」
紅茶を淹れながら守るって言ってくれる麗君マジ神後輩と言うか神執事。
後数年もすれば第1章が始まる。それが上手くいったとしても第二章、第3章と続く訳である意味世界で1番難しいゲームの世界に転生したかもしれない。
そもそも難易度以前の問題だ。
敵が何で各章ごとにあるんだって話と、まず1つと乙女ゲームにラスボスヒロイン5人以上作るなよって話。
ねぇ?聞こえてるよな?
〈私製作者じゃなくて作られた側だから!!!!!!〉
〈俺はそれを元に作った側だから!!!!!!〉
「(言い訳、-5ポイントずつ)」
〈〈ポイント制!!?!?〉〉
〈毎回優衣に言われると罪悪感感じるんだからね〉
「(一生感じてれば良いと思うよ、ユイリアも神様も)」
〈優衣の鬼ぃ!!!〉
残念雪豹だ。
それに俺はある懸念もしてるんだよね。俺だけだったらまだしも麗君って言う2人目が現れちゃうと可能性は爆増する訳で。
そもそも、転生者が何人もいて良い訳ではないんだけどね。
麗君の淹れた紅茶を飲もうと体を起き上がらせる。
「もし、俺と麗君以外に転生者、それと主要キャラに転生している人が居たらどうする?」
「急な話ですね。うーん、、、、可能性としては有り得るかもですがもし敵でこのゲームを知っていた場合は味方にするかもし敵のままであれば相当厄介、になりますね」
「だよね〜。このゲームって動き方で全然ストーリー変わるから、マジ知ってる人が転生したらそれはそれで困るけど知らない人が転生したら可哀想なんだよ〜」
「確かに、女装している先輩の話したら趣味を疑われるか製作者陣営を疑うかのどちらかですね」
もしそんな事になった場合は元気良く否定するね。絶対に。
こう言う事を考えるたびに、思うのはやっぱり現状維持が最適解って事だ。家族仲も良くて婚約関係も良好、魔王であるマオリとの関係も良くて麗君と再会してまた一緒に居れる。
これ以上ない程良い事ない。
でも、後数年もしないうちにこれが壊れるなんて考えるのは嫌、だなぁ。
「第1章が来る前に色々先手を打って置かなければならないですけどね」
「うん、その時は作戦会議しようね〜」
「ですね〜、、、、って、そろそろ就寝時間ですね。そろそろ寝て貰わないと俺執事長に怒られるんで寝て下さい」
「はーい、、、、おやすみ〜」
「おやすみなさい、優衣先輩、いえユイリア様」
紅茶の入ってたカップを回収し、ベッドに入る俺を見てから最後はちゃんと執事としての挨拶をして部屋を出る姿にちょっと感動。
成長したんだね、麗君、先輩嬉しい!
破滅したくない気持ちもあるけどやっぱり麗君と離れたくないって気持ちもあったりする。
大切な前世の後輩でもあるからね。
〈良いなぁ〜麗はあんなに優遇されて〜〉
〈ですね、神様。羨ましいです!〉
〈だよね!ユイリア!本当に羨ましい!〉
「(こっちの判断で最悪死ぬ可能性ある世界に転生させた奴らに優しさを与える人間が居るとでも?)」
〈本当にそれに関してはマジでごめんなさい〉
〈心からのお詫びをします。すみませんでした〉
許さん、なんて言うけど許す許さないの話じゃなくなってるし。
なーんて思いながら7歳児の肉体には抗えない睡魔に襲われ、深い深い眠りに落ちて行く。
まだまだ子供のままで良いかもな、なんて思いながらね。
まだ1章まで遠くても良いと内心思ってるし。




