現状維持が最適解って分かるね!!!! ②
「文化祭終わったね、ユッちゃん」
「そうだね、どうだった?初めての文化祭って言うか学校は」
「、、、、とっても楽しかった!!魔王じゃなくてただの子供として楽しめた」
「良かった」
文化祭が終わり、校門でマオリと話す。
途中色々あったけど、一緒にご飯を食べたり一緒に遊んだり、俺も俺で結構楽しめた。
マオリが前よりもスッキリとした表情をしてて、抱えてた悩みがなくなったみたいで良かったってちょっとだけ安心する。
「でも、ローズウェルの王子が羨ましいなぁ」
「え?」
「魔王の子供じゃなくてただの人間で平民の子供だったら、ユッちゃんと一緒に学校通えたのかなぁ。そしたら楽しくて幸せなんだろうなぁ」
「、、、、わたしは魔王のマオリと出会えた事が嬉しいよ」
「え?」
「だってお互い立場とか関係なしに仲良くなったでしょ?もし、真織が人間として生まれたら多分立場とか気にするでしょ。そしたら今みたいにマオリと会えなくなっちゃうよ、気軽に」
「魔族の魔王の息子のマオリだから、わたしは嬉しいんだよ」
「ッ〜〜〜、ユッちゃん大好き!!!!!!」
嬉しそうな顔をしてから、勢い良く俺を抱きしめて来るマオリの力の強さにちょっと苦しいな、っ思えたけど、マオリのキャラ設定自体は好きだから、自分の人生を否定はして欲しくはないかな。
誰かの人生を羨んだりされるよりも今の人生の方が良いって言ってあげたくなる。
チラチラと周りからの大人や子供からの視線に、どっちも経験してる精神年齢22歳児は到底耐えられまへん。
〈優衣って本当に人が欲しい言葉をちゃんと言えるよね〉
〈私もそう思います。あぁ言うのが言えるのはある意味才能、ですね〉
「(お褒めの言葉どうもありがとう、、、、でも、もし違う事を言ったら必ずマオリの反応は違ったし、ハッピーエンドには遠のいてた可能性だってある。だから、難しいよね、この世界は)」
〈それで楽しんでるんでしょ?優衣は〉
「(当たり前でしょ、神様。俺はこのゲームの世界を全て知り尽くして死んだ男だからね)」
〈それもそれで悲しい話だけど〉
落ち着いたのかやっと、俺を抱き締めるのを辞めたけどその顔は何処か満足そうだった。
物陰から迎えに来たと装っているグレイさんが近づいて来たのに気付いて顔を少し引き締めるマオリに少し笑ってしまう。
麗君も麗君でその様子を微笑ましく見ているのなら此処にこれば良いのになぁ。
渡しておいた魔力制御機を受け取ると、流石の高級品でもマオリの魔力の多さにギリギリで耐えてたのが分かる姿に変貌してた。
見るも無惨って感じかな。
「ユイリア様、マオリ様がお世話になりました。今回使った料金の代金は後日お支払いさせて頂きます」
「ぁ、いえいえ、わたしも楽しかったですし、お金は必要じゃないですし、楽しめたのでWin-Winって事で」
「、、、、そう言うのであれば分かりました。そしてこの度はマオリ様の我儘、希望を叶えくださり、臣下を代表として感謝いたします」
「ちょっ、グレイ!そんな畏まらなくても!」
「これぐらいするのが当たり前なのですよ。そもそもマオリ様に学校に通わせず学友を作れる環境を用意出来なかった私どもの不手際もありますから」
グレイの言葉にビックリした顔をするマオリ。
そりゃあ臣下、それも多分1番信頼してるグレイからこんな事を言われるとは思ってなかったと思うし。
まぁでも、学校に通えない環境って気持ちは入院してた俺はちょっと分かる。
何故か小児科で入院してた俺は学校に行けない小学生とか中学生を良く見てた。行きたいけど行けない、そんな事を泣きながら言ってた子もいた。
でも、マオリは同じ様な年齢の居る環境でもなかったからもっと辛いはずだよな。
「、、、、別にそれはまぁ結構気にしてるけど。だけど、昔からグレイ達が居た、俺にはグレイが居たから寂しくなかった!」
「!」
「全員年上ばっかりだっけど、俺のやりたい事付き合ってくれて、全部楽しかった。確かに子供の頃友達とやる事とか出来なかったけど、それ以上にグレイ達のやった思い出も俺にとっては大事な宝物なんだよ」
「、、、、マオリ様」
「良い王様を持ったね、グレイさん。大切にしなよ」
「分かっておりますよ、ユイリア様。人生を賭けて尽くします」
マオリの本音を聞けたのが良かったのか2人の表情がなんだが晴れやかに変化してた。
それが良かったなって心から思いながら2人を見送る。
見えなくなるまで手を振ってくるマオリにはちょっと笑いそうになったけど。
そう思ってると隠れていた麗君がやっと俺に近づいて来た。
「どうだった、麗君」
「どう、と言われましても。とりあえずグレイさんの匂いが超良かったぐらいしか」
「そう言う感想じゃなくて、文化祭だよ」
「ぁ、そっち」
どっちだと思ってんだよ、って心の中で笑うと頭上のアホ神が笑ったので後で心の中で締めとくと心の中で決意する。
「中学高校の時の文化祭を思い出しました。楽しかったなって、でも、やっぱり異世界だって実感する部分があるし、俺は麗じゃなくて狼牙として生きてるんだともなんか実感しました」
「この世界で違う人間の人生を歩む実感がなんかちゃんとして、ちゃんと文化祭を楽しめた気がします」
「そっか、良かった。でもこれからがある意味本番だよ。第1章がある、まずはそこをクリアしないと」
「そうですね。ある意味でゲームと同じ、クリアして次の章に行くって事ですか」
「うん、、、、って、アシェル達と打ち上げがあるんだった!早く行かなきゃ!」
「あ!そうでした!早く行きましょう!」
アシェル達の事を思い出して俺は急いで打ち上げと言う名のパーティー会場へと向かう。
遅れでもしたらそれこそアシェルの顔に泥を塗る事になっちゃうし、一応俺皇女だしね!!!!!!
全速力でいつになく走る。
こう言う時魔法があって良かったって思える。息が切れなかったり荒くならない様に出来るし、まじ感謝カンゲキ雨嵐的な。
〈優衣ってたまにふざけますよね、神様〉
〈多分ストレス発散なんだと思う。これが〉
「(良くお分かりですね。原因分かるよね?)」
〈だからごめんなさいって、俺言ってるじゃん!〉
〈結構このネタ引きするって言うかやっぱり楽しんでる?〉
そう思えるならそう思っとけ。
まぁ少しは楽しいけど、そっちが言う権利はないからね。
そう心の中で思いながらパーティーで着るドレスに着替えてない事に気づいてそれで魔法で着替えながら向かっていると言うある意味2つの事を一度にしてると言う器用を発揮した今日この頃。




