文化祭も仲良しも良い事だよね!楽しいし ③
「変装は?」
「した!」
「魔力抑制機は?」
「つけた!」
「よし、オッケー」
文化祭2日目、朝の出番を終えて学校の門付近でジロジロ見て待っていたマオリに近付き、色々確認をしてから学校の門に入るのを認める。
因みに俺1人での行動は無理なので、狼牙こと麗君も着いて来てるんだけど、本人の性格と極度の緊張により距離をあけての監視?、護衛となってます。
「ぁ、今日ユッちゃん、髪上げてる」
「ぁー、うん。動きやすい様に、、あと、可愛いからってね」
「なんか目に光が入ってないよ」
「気にしないで、マオリ」
アイシャ達に無理矢理やられたから、解くに解けないし動きやすいから良いかなって思ったけど、なんか心が擦れた気がする。
不思議そうな表情をするマオリを横目に学園内に一緒に入っていく。
後今気づいたけど、グレイの気配が背後からするし多分麗君も気づいてるのか麗君の気配がブレっブレだ。
ちょっと可哀想。でも可哀想は可愛い。
「初等部より中等部とか後頭部エリアで遊んだ方が楽しいと思うし、行こう」
「そうしよっか。なんか楽しみだなぁ、文化祭」
「わたしだって楽しみだよ。文化祭って面白いしね」
「だよね〜、来年行けるか分からないし今日は沢山遊ぶぞ〜!」
楽しそうな表情で中等部の校舎に入るマオリの後ろ姿を見て笑顔がこぼして、その後を追う。そして麗君とグレイが同時に動き出してるのを感知魔法で知れてちょっと面白い。
今は魔力制限されてるからマオリは気付いてないのか、ルンルンと生徒達が出してるお店を見てる。
〈優衣も楽しそうだね、良かったね〜〉
〈うんうん、私も楽しかった思い出があるから気持ちは分かる〉
「(まぁね、でも精神が大人だから子供達が楽しそうって感じで見れるし)」
〈俺からしたら優衣もまだまだ子供だけどねぇ〜〉
〈神様はおじいちゃんって言うよりジジイって年齢だよね。世界観的に〉
〈ユイリア!泣いちゃうでしょ!!〉
「(まぁ、間違ってはないよね〜)」
頭上の2人とそんな会話をしてると、マオリがクイクイと俺の制服の袖を引っ張って来た。マオリの視線が向いていたのは、クレープ屋と看板が出てた教室だった。
朝から甘いものかぁ、昨日も結構食べたしなぁと思うがキラキラと目を輝かせた少年の気持ちを無碍に出来ない22歳児の心が勝ってしまった。
「良いよ、何食べる?」
「チョコアイスバナナ!ってやつ。ぁ、でも苺アイスチョコも美味しそう」
「じゃあ、苺アイスチョコはわたしが買って、半分こしよっか」
「そうしよう、お金払うよ、此処は。年上だからね」
「頼もしい限りですね、」
精神年齢と合計年齢は多分はこっちが上だろうけど、年上として振る舞ってるマオリを見たら、遠慮なんて出来ないよね。
自信満々にお財布を取り出して注文してお金を支払う姿は魔族の頂点である魔王とは真逆の姿だと俺の目には映った。
生徒の中にはウェルフンド皇国の国民が居たらしくクレープ受け取る時めっちゃ緊張して、渡す時に、めっちゃ噛んでた。
「ゅ、ユイりゃ、ユイリアざ、ユイリア様、ご注文のおじ、お品です!」
「ありがとうございます。(緊張してるなぁ、いやまぁそうなるのは分かるけど)」
人目に付かないところで、一緒に一口目をパクりと食べる。
苺、バニラアイスとチョコソースの甘味と酸味が口の中で広がり、クレープの生地がちゃんと包み込んで生地のモチモチさが良く合う。
表情が緩んでるのはマオリも同じらしく美味しそうに食べてる姿が横目からでも伝わる。
そしてグレイと麗君も何故かクレープ注文したのか、食べてるのが感知魔法で分かる。此処まで分かるのは何でか分からないけど分かっちゃうんだなぁ、これが。
「美味しいね、ユッちゃん」
「そうだね。一緒に食べると美味しさは2倍だね」
「良い事言うね〜、はい、半分こどうぞ」
「じゃあわたしのもね」
そんな会話をしてお互いのクレープを食べる。
少しばかり生徒や国民からの視線が俺に向けられているのには気づく。
まぁ、一国の皇女が婚約者でもない人と一緒に居るってなったら気にするのは当然だが、7歳児って言うのが付くとただの友人と居るって言う認識に自然と変換されるから少し視線が向けられてもすぐに気にしてない様に視線が背けられる。
こう言う時に7歳児スタートはラッキーだったな、って思う事にする。
「なんか、好きな人とのデート?ってこんなにも幸せだとは思わなかったなぁ」
「そう言って貰えるのは嬉しいなぁ(幸せ、か、、、、)」
「ユッちゃんが嬉しいなら俺も嬉しい!」
「どう言う仕組み笑」
デートっちゃデートだけど7歳児とのデートで喜ばれるのは心苦しいよなぁ。まぁ、マオリが喜んでいるので良しとするが、マオリは純粋に俺に好意を向けてくれているんだよな。
それがちゃんと伝わるしそれに応えられるかって言われたら難しい。曖昧な対応しか出来ないしそれが許される年齢で良かったって思える。
7歳児じゃなくて22歳児だったら許されなかっただろうな。
なんて思ってると頭上から声をかけられる。
〈優衣って状況に合わせて答えを慎重にするよね〉
「(当たり前でしょ、神様。修羅場ってヤバいんだからね)」
〈そうだよ、修羅場で何回私が死んだか〉
〈ユイリアにそう言われたら納得しちゃうじゃん!〉
「(その修羅場になるかもしれない世界に転生した2人はどう思う?)」
〈本当にごめんなさいって、俺なんか此処数ヶ月でめっちゃ謝ってるんだけど!〉
〈悪気はないんです。本当にごめんなさい〉
なんて謝罪を聞きながらマオリと同時にクレープを食べ終わりゴミを学園内に設置してあるゴミ箱に捨て、また校舎を歩き回る。
昼前どきだからあまり人数は多くないけど、多くなったら7歳児の俺は埋もれそうだなって階段を上がる。
まだ頭上から謝罪がしてくるけど、謝り過ぎだろ笑
なんて思ってると、文化祭のパンプレットを手に持っていたマオリが階段の踊り場に立ち止まった。
「?マオリ、どうしたの?」
「ぁ、いや、射的屋ってのがあって楽しそうだなって思ったけど」
「射的屋、、、、(確かアルビーのクラスがやってる所だっけ?高等部の訓練場だよね)」
「ダメかな?ダメでも良いんだけど、それに輪投げ屋も気になるし」
「今日はマオリが楽しむ日だもん、全然良いよ。輪投げやって射的行こ!(マオリを手を握ってグイッと引っ張る)」
「!うんっ」
遠慮されるのはちょーっと嫌なので、そんな事は言わないで欲しいんだよね。
それに楽しむってのが今後いろんな影響が示されるんだもん。それを抜きにしても俺とマオリと超楽しみたいって気持ちがあるしね。
そう頭の中で思いながら3階にある輪投げ屋に軽い足取りで向かう。




