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転生悪役王女(♂)はハッピーエンドがお好みです  作者: 橋本衣兎


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魔族と仲良くなるのは悪くないよね! ②





森の木々のざわめきが、落ち着いた頃、マオリが一言小さい、だけどハッキリとした声で俺に言う。


「会えないかと思った」


その言葉は震えていた。

涙が出そうなのを堪えながら言うその言葉に深くダメージを負う俺。

なんか、罪悪感がのし掛かるのは気のせいだろうか。


でも、此処か“ユイリア”としも俺としても返答しないと、だよね。


「えぇ、私が約束忘れる様な人だと思った訳〜?」


まぁ、実際忘れてたと言うか、まさか魔王と会ってるって事すら思わんかったから、マオリの言っている事は合ってるんだがね。

一瞬目を逸らしそうになったが、我慢出来たし偉いと思う。


自分で自分を褒めたい。


だけど、マオリは俺の言葉を聞いて焦った表情を取りながら取り繕う。


「違っ、そんな訳ない!ただ、、、、ユっちゃんが攫われたと、ウェルフンド皇国で噂になって居たのを家臣から聞いて、それで」


「、、、、(死)」



「ぁー、、、、その事かぁ」


背後の少し離れた場所で隠れてる俺を攫った張本人兼現在俺の執事な狼牙(ろうが)こと(れい)君から漂う感情を察してとりあえず南無阿弥陀仏と心の中で繰り返しながら、マオリの言葉にリアクションを取る。


間違ってはないし家臣さんが言ってる事も間違ってはないが、最新情報をちゃんと入手しろよ!と心の中で叫びたくなりながらも、俺はマオリとの距離を縮める様に足を一歩前に踏み出し、手をマオリの頭に近づける。


「今此処に居るんだから無事だって分かるでしょ?」


「ぅ、うん」


「てか、マオリ、大っきいね。身長が高い!」


「魔族は成長が早いから、、、、ユっちゃんは、小さいね。可愛い」


「まだ7歳だからね!、、、、」


話を進める中で、マオリの表情が柔らかくなるのが分かる。

それと同時に、ある意味本題をまだ切り出せてない、と言う事がネックだ。俺と会えた、俺が生きてるって事が分かったし普通に仲良く話せてるから、滅亡はない。


だけど、

俺はチラッと頭上に視線を向けながら思う。



【大きくなって立派な王様になったら、迎えに来る。僕の奥さんになって、って言われたから、私はうんって言った】


「(何で、あんな約束したのさ、ユイリアさんよぉ)」


〈、、、、悪気はないし、当時まだ小さい私のやった事だし、お咎めなしでも良くないですか?!〉


「(却下)」


〈それをマオリ本人が覚えてるか、覚えてないか、にもよるくない?ほら、優衣(ゆい)、自信持って〉


「(神様、、、、マオリが約束を忘れる様な性格をしてると思う?)」


〈、、、、、、、、ユイリア、素直に謝ろう。俺達の負けだ〉


〈神様!!?〉


と、うるさくなってきたので、回線を少し弱めて、深呼吸をして本題に入ろうと思う。本人も明らかに人だと思えない様な見た目で来たから誤魔化す気、はないと思うけど。


そう思いながら意気込んで、マオリの両手を握り締めて約束の本題を言葉にする。


「マオリ、そのさ、マオリって魔族だったんだね」


「!、、、、、、、、うん。ごめん、言わなくて」


「ううん!魔族が怖いとか思ってないよ!マオリが優しい事私分かってるし」


「本当?良かったぁ、、、、もし、受け入れられなかったらどうしようって思ってたんだ。良かった」


「えぇ、また泣かないでよぉ」


うん、良い調子、だよね?

でも涙をポロポロ流すマオリを見たら、悩んでたんだってのがちゃんと伝わってきて嬉しくなる。


そう思っていると、握りしめていたマリオの手が離れたと思ったら、逆に俺の両手を包み込む様に握り締めた思ったらなんか強くて困惑しながら顔を上げると、なんか嫌な予感を感じる。


「ユっちゃんは覚えてるよね?「立派な王様になったら僕の奥さんになってくれる」って話」


「ッ(こっちから本題来た〜!!!!!!)」

「ぅ、うん。覚えてるよ。魔王になったんだよね」


「うん、、立派って周りの家臣から言われるし、、、、だから、約束通り僕の奥さんになって、」


その場から逃げ出したくなった。

背後にいる麗君に助けを求めたくなったが、流石麗君、狼牙と言うキャラ設定を守って無口を貫いてる!でも今じゃない!


逃げれないし逃げる気はないけど22歳俺と7歳の俺の気持ちになって、事案になるからダメ!と約束覚えててくれて嬉しい!が入り混じってる事態になってる。

一歩後ろに下がったらマオリが一歩前に踏み込むと言うエンドレス状態になるのはどうしよう。


このまま何も言わなければ奥さんにされる!だけどそれだと、マオリがロリコンになっちゃう!(いや、ユイリア男だけど!)

魔族にそう言う概念なくてもこっちにはある!だから言っておかないと!


「ま、マオリ、私、本当はぉ、男の子なんだ。だからその」


「知ってるよ。ユっちゃんが男の子だって」


「へ?」


その言葉に時が止まった。静寂が流れる時、俺は頭の中を高速回転させながら色々な事が頭の中で過ぎる。


何故知っている?どうやって?と言うよりこの世界の男は全員相手が男でもいけるのか!?いやそう言うゲームの作品だった!じゃなくてどうやって??マジで、人見知りでコミュ障全開のマオリが人に聞ける訳ないしそもそもユイリアが男なの極秘情報扱いだし!!


〈優衣、落ち着いて!早口で叫び過ぎて私と神様の頭が割れそう!〉


〈めっちゃ困惑してるのだけは伝わった〉


無理!以上!


〈〈せめて深呼吸〉〉


チッ、しょうがねーな。

深呼吸をして改めてマオリの方に視線を向ける。その純粋無垢な目にウグッとたじろぎそうになったが何とか我慢が出来た俺はやっぱり偉いと思う。平常心、平常心。


「知ってたって、いつから?」


「ユっちゃんと初めて会った次の日に、家臣の1人から教えて貰ったんだ。ユっちゃんのお城に潜入調査?してたみたいで」


「へぇ〜、そうだったんだー(棒(セキュリティー!!どうなったんだァァァァァ!!)」


「僕はユっちゃんが男の子でも関係ないよ、、、、でも、ユっちゃん、婚約者が居るんだね」


「!、ぁ、うん。そうなんだ」


そこまで知ってんのかァァァァァ。何処まで筒抜けなんだ、我が城の情報。この時点でアシェルの存在まで知ってるとなるとどうなるんだ。


薄っすらと暗くなっている空模様を眺めながら、マオリの次の言葉を待つ。


「でも、そんなの関係ない!婚約者とか、それは家同士が決めた事だもん!恋愛って言うのは本人達で決めないと!」


「、、、、そ、そうだねぇ」


うーん、断れねー。

麗君や、俺気づいてるんだぜ。背後でアチャーって言ったの。あとで説教ね。


マオリの背後に居る家臣さん達も目を逸らしたり気まずそうな顔をしてるのが見て分かる。頑張って!この魔王を止めれるのは貴方達と多分俺だから!


それに、マオリの性格を考えたら無理矢理、嫁にするとか攫うとかの選択肢ははなからない。多分俺自身の気持ちを最優先にするタイプだ。その時点では安心出来る、かな。と思う。


「だから、その僕、魔王になったから忙しいけど、毎週金曜日此処に会いに来ても良い?」


「!、勿論!でも金曜日で良いの?土曜日とか日曜日の方が長くいれるよ?」


「僕の従者が昼間に動くのは危ないのでダメだ、って」


「それはしょうがない」


そうして俺はマオリと次会う約束を取り付け、寮の初等部の門限である7時までに寮に何とか帰れた。危うくギリギリ越して怪しまれる所だったぜ!


「と言うか、麗君。助けてくれても良かったんじゃない?」


「、、、、魔王から出る魔王オーラに勝てなくて」


「何それ???」

























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