魔族と仲良くなるのは悪くないよね! ①
学校に復学した初日のお昼休みの食堂でチラチラと年齢関係なく一塊になっている物に視線を向けながらザワザワとなっているのが、バッチリと感じているのは俺だけなのだろうか。
目も気持ちも遠くなってる気がするよ。
背中、左側、右側、正面から友人達からの強い抱擁を受けながら、どうしようか、と頭の中で巡らせながら離して貰えないか、試しに聞いてみようかか。
「あの、アイシャ、レイーナ、イシル、そしてメイリン先輩、もうかれこれ30分は抱き着いてる気がするんだけど」
「「「「気のせいです/わ!!!!!!」」」」
「気のせい、かぁ」
無理だった。
それもそうだ、大事な友人である俺が誘拐され、やっと再会出来たのだ。7、8歳のまだ幼い年齢の少女達からすればこうなる事態は簡単に想像は出来た。
にしても、助けてくれたって良いんじゃないかな、狼牙こと麗君や。
俺が視線を向けたら気まずそうに視線を背けたね、君。
俺の復学と共に、初等部6年生として転入する事が決まった麗君。麗君が誘拐犯達の仲間だって事は外部には漏れてないし、王族として揉み消したから、外部に漏れる事はない。
そんな恩人で前世で可愛がってあげた先輩を見捨てたね!麗君!!
心の中で泣きながら、早く解放されないかなぁ、と願うと、案の定聞こえていたのか頭上から声が聞こえて来る。
〈優衣、愛されてるねぇ、羨ましいなぁ、俺〉
「(だったら変われよ、神様。と言うかアンタ初期の頃そんな口調でも一人称でもなかっただろ!ブレブレだよ!)」
〈グハッ!〉
〈優衣、それは神様のクリティカルヒットになる奴だよ。私でもダメージ喰らうよ〉
「(勝手に喰らっとけ、、、、ユイリアもブレブレな時あるから、他人事じゃないけどね)」
〈グフッ、、、、〉
ぁ、倒れた。
まぁ自業自得だな。にしても昼ご飯食べ終わって「やっぱり友達と食べる料理は美味しいね」って言ったのはまずかったかなぁ。
そう思いながら、鐘の音が聞こえ明日の方向に目を向ける俺であった。
「ユイリア様、ワタクシ離しませんわ」
「アタシも、絶対」
「私も絶対にユイリア殿下、離さない」
「私もですわ、絶対、、、、絶対」
「んー、愛が重いのは嬉しい」
だけど、前世を考えたらロリコンになっちゃうかもだから、辞めて欲しい。普通に妹に顔向出来ねーよ。トホホ、と思いながら、ゆっくりと抱き付かれながら足元が見えないが頑張って教室へと向かう。
せめてメイリン先輩は2年生の教室に戻って欲しい。このままだと付いてくる。
斜め後ろで俺の歩幅に合わせる様に付いてきてる麗君にテレパシーをして助けを求めようか。
「、、、、(麗君、助けてよ!)」
「(勘弁して下さい。こちとら、騎士科の先輩のアリス先輩と後輩のルカから尋問かけられそうになってるんですからね)」
「(嘘、そんな事態になってんの???まぁ、ある意味あの2人はちゃんと見てないせいで攫われた!と、思ってる節あるから、、、、ちょっと悪い事しちゃったな)」
「(ちょっと、じゃないでしょう)」
そんな会話をしていると、やっぱり真面目な性格なメイリンは階段に差し掛かった所で俺から離れて2年生の教室のある階に向かってくれた。離れ際寂しそうな顔をしていたが手を振ったら嬉しそうな顔をしてた。
と言っても他の3人は以前とくっ付いたまま、教室へと向かう。
麗君も真面目な性格なので、6年生の教室に向かい、去り際にテレパシーで一言。
「(頑張って下さい)」
とだけ言って階段を降りて行った。他人事だなぁ、と思いながら教室を入れば渋々離れて行く3人の姿に思わず笑みが溢れるが、3人とも俺の周りの席だから、そんなに離れる事はないぞ。そう思いながら席に座って授業の準備をするのであった。
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その日の放課後の午後4時頃、私服に着替え寮から出る時に寮母さんから、門を出る時に警備員さんから何処に行く、と聞かれた。
その時は平然とニッコリと笑みを浮かべて言い放った。
『王族が管理してる森に行きますの』
と、言えば安心した様子で見送ったくれた。王族が管理してる場所には常時兵士や騎士が常駐しているから安心したんだと分かる。
そして、マオリと出会ったはずの王都外の森の入り口に立つ。
この森は普段から王族以外が入れない結界が貼られてる事や立ち入り禁止になっているからか兵士や騎士は常駐してない唯一の場所、と復学するまでに勉強しておいた。
一緒に着いてきた麗君は森から出るオーラにちょっとビビってるっぽい。
「麗君、大丈夫?」
「一応、、でも本当に来るんでしょうか、魔王、いえマオリは」
「来ると思うよ。マオリって家臣達の言葉を信じちゃうぐらいには純粋と言うか素直でしょ?と言う事は、、、約束した事なら必ず果たす、と思う」
「流石優衣先輩、ちゃんとキャラ達の性格を理解していますね!」
「それはありがと笑(神様、森内に魔族は?)」
〈居るよ〜、めっちゃ巨大な魔力を纏ってるのが一体、他はB級ぐらい、優衣からしたら雑魚だけど〉
〈神様、言葉遣い笑、、、、それにしても、本当になんで私忘れてたんだろ、、、、ほんとなんかごめんね、優衣〉
「(別に大丈夫だよ、ユイリア。それにいずれは会う可能性があったし、それが早まっただけ。そして一旦皇国滅亡阻止しないとだし)」
俺は麗君にバレない様に会話をしながら森の中へと足を踏み込む。初めてだらけだから、感知魔法と神様とユイリアの案内で目的地の場所に目指す。
途中、麗君が罠を避ける運動神経の良さを見せてくれて、此処で狼の獣人らしさ出さなくても、と思ってしまった。
「、、、、って、俺だって雪豹の獣人なのに全然その設定活かしきれてないじゃん!」
「優衣先輩、どうどう」
自分の尻尾が垂れるのが分かるぐらいにはショックを受けてしまう。その様子を見た麗君は笑みを浮かべながら、一生懸命慰めてくる。
それは嬉しいけど、そうじゃないんだよなぁ、、、、と思っていると開けた場所が目に入った。
感知魔法で目的地が此処だって言ってて、麗君と顔を見合わせる。薄っすらとだけど良い感じの大きめの木が横に倒れてる所の近くに1人男性が立っているのが分かる。様子を気にしながら、麗君の言葉に耳を傾ける。
「此処、ですか?」
「うん。、、、、それに人が立ってる、人とは思えないぐらい尋常な魔力纏ってるし、あの見た目、若いけど、、、、マオリだ」
「、、、、一緒に行きますか?」
「いや、此処に居て。あっちは気付いてるだろうけど、ここは1人の方が良いかも」
「分かりました。気を付けて」
麗君に見送られながら開けた場所に足を踏み込むと、明らかに人ならざる者の気配が濃く感じる。
マオリが立っている真ん前まで移動し顔を見上げると威圧感を感じるが顔は原作よりも少し幼い顔立ちで黒髪緑目で真っ黒で強そうな2つのツノが生えたイケメン、、、、ミステリアス系の顔をしていた。
身長は多分、170cm後半でこれからもっと伸びると予想。
だけど、だけどなんでかポロポロ泣いているのは、本当に何でなんだ???
オロオロとしてしまうが、魔王・マオリの性格を熟知と言う程ではないが分かっている俺は、嬉しくて泣いて居るんだと察して冷静になる事が出来た。
第一声は、俺からの方が良いよね、と思った矢先、マオリが口を開いた。
「、、、、ユっちゃん?」
「うん、、、、久しぶり、マオr」
マオリ、と言いかけた瞬間、ギュッと抱き付くマオリ。今日だけで5回も抱き付かれるとは思わんかったが。冷静にツッコむよりも優しく受け入れた方が良いよね。そう思いながら抱き締め返してマオリの背中に腕を回す。
そうしたら嬉しそうに更に力を込めて俺の首元に顔を埋める。
それをオロオロしながら様子を見ている明らかに魔族の家臣達。なんかごめんね!と心の中で謝りながら落ち着くのを待つ。
5分ほど経ち、カーカーとカラスの鳴き声が聞こえるなぁ〜、と思っているとマリオが唐突に腕の力を弱くして一歩後ろに下がり俺から離れた。
落ち着いんだんだと理解して、もう一回マオリの顔を覗き込むと目元が真っ赤になってて、まだ泣きそうな顔をしてるのが面白いが口にはしなかった俺は偉いと褒めて欲しい。
そしてまた、マリオが先に言葉を紡いだ。それをちゃんと聞こう。
じゃないと、ユイリアもちゃんも聞けないからね。




