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転生悪役王女(♂)はハッピーエンドがお好みです  作者: 橋本衣兎


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19/22

新たな仲間と心配してくれる家族 ③



ドタドタと廊下を複数の足音が響き、明らかにこちらに向かって来てる。微かに狼牙(ろうが)の声が聞こえてきて、元気そうで安心安心だと、思ってると血迷ったグラーズはまた俺の腕を掴んで、窓から逃げようなんて馬鹿な考えをしてる。


それに、何の抵抗もせず、引っ張られるけど俺が何もしてない訳がないのになぁ。


「?、何で開かないんだ?」


そりゃあ、俺が魔法で開かない様にしたからだけど。

めんどくさいし汗が気持ち悪くて言わないでおこうと心に決めてる。


そして、グラーズはまたまた血迷ったのか、体当たりをして窓をかち割ろうとしてる暴挙に至った。俺の腕を話してくれたので、摩ってその様子を見るけど割れる訳がねーだろ、って思いながら見ておく。


したら、頭上から声をかけられた。


〈後数分で、狼牙達が来るよ〜、、、、アルビー達激怒してる笑〉


〈わぁぁ、私あんなに怒った兄様達初めて見たかもしれない〉


「(何それ気になる。後報告ありがとう、、、、、、、、コイツめっちゃ気持ち悪いんだけど)」


〈〈それはとっても分かる〉〉


「(だよね笑)」


「クソッ?!固くないか!?」


未だに割れなくて焦ってるグラーズを見てると笑みが溢れるけど、普通の7歳児はそんなのはしないので不安がってる様子を出しておこう。

それに、無駄に体力を削ってれば、捕まえやすくなるだろうし、オッケー、オッケー。

そう思っていると、ドンドンッと俺とグラーズの居る部屋を力強く叩く音がした。グラーズはそれを聞いて振り返って、大きく舌打ちをした。


「もう来やがった!、おい、ジッとしてろよ!!分かったな!?」


「、、、、はい(あともう少し、かな)」


部屋の外に居るのは、アルビー、ノーシュド、騎士数名、かな。追い込まれてるのにまだ逃げようなんてしてる所を見ると本当に馬鹿なんだなってのと諦めれない奴なんだなって思うよねぇ。


ベッドに座ってソワソワしてるグラーズを見てたら、部屋の扉を叩く音が止んだと思えば、アルビーの叫び声が聞こえて来た。

怒ってるな、ってのは声だけで伝わるな。


「おい!グラーズ!開けろ!!」


「ハッ、第3皇子様よぉ、開けるかっての!!このまま逃げ切ってやるよ!」


「ッ、もしユイリアに何かしたら許さないからな!」


「ほぉ、何か、、、、ねぇ」


攻防戦?なのかな、言い合いをしてるアルビーとグラーズを横目に見てたら、いきなりグラーズがニヤリと焦りながらも笑みを浮かべて俺の髪の毛をサラッと触りやがった。


瞬時にゾワっと鳥肌が立った。

普通に気持ち悪かったし、普通に吐き気がしちゃった。どうしよう、俺、顔面偏差値高めの人達に囲まれて生活して来たからか、アレルギーになってる、かも。


〈大丈夫よ、私も多分気持ち悪くなるから〉


〈うんうん、大丈夫だよ、優衣(ゆい)!〉


励まされても嬉しくはないんだけど。まぁ、ありがとう。


まだまだ、言い争いをしてるっぽくて、白熱してるな、って思ってると、魔法で鍵が開く音が微かにした。多分、ノーシュドかなぁ、器用だし得意だし。

気が立ってるグラーズは気付いてないらしく意気揚々と言い合いをしてるな。まぁ、開けないって啖呵切ってるから、開けられるなんて思ってないんだろうけど。


油断は禁物だよなぁ、って思うよね。


すると、グラーズは何を思ったのかいきなりまた俺の腕を掴んで引っ張り、自分のそばに居させる。肌がちょっと触れ合うからマジで気持ち悪いんだよな、これ。


「返して欲しければ金を用意しろ!それと、ワシの身柄を捕まえないと約束しろ!」


「そんな事出来る訳ない!!お前はまた罪を犯すだろうが!」


「ハッ、それの何が悪い」


〈〈「はい、出たー、クズ発言」〉〉


その言葉を聞いて、俺、ユイリア、神様の3人は揃って反応を示しちゃって思わず照れちゃった。いや、照れる要素がないんだけども、なんかね。


グラーズは、言い切った、と思って余裕の表情をして背を向けた瞬間、ガチャリと扉が開く音がしっかりと部屋に響いた。

いくら馬鹿でも耳は良かったのだろう、すぐに反応して振り返ったが、まぁ遅い。武装した騎士さん達と俺いや、ユイリア・モナーキーの頼れるお兄様、アルビーと犯罪者に人見知り全開気味のノーシュドが入ってくる。


目を見開いて、焦った表情に戻る。


「ユイリアを返して貰おうか!」


「ッ、はいそうですか、で返す訳ないだろ。返して欲しければ、金を用意しろって言っただろうが」


「(アルビー兄様も、騎士さん達も俺がグラーズの側に居るから下手には動けないんだな)」


アルビー達の心情が容易に察せたし、グラーズも分かっているからまた余裕の表情になって、懐からナイフを取り出して俺の首筋に立てる。

それを見たアルビーとノーシュドは一瞬、顔が青くなったが、見た事ないぐらい静かに激怒し始めてるのが、妹兼弟である俺は分かったよね!!

これはこれで鳥肌立っちゃうよ!


〈ヤバイヤバイヤバイヤバイ、グラーズ死ぬ。アレは死ぬ〉


〈神様の俺でも死んじゃいそう〉


〈「神様から生きろよ」〉


「ハッ、お前らは手を出せねーよな。ぁー、こうなるんだったら手を出しとけば良かったぜ、残念だわ」


「あ゛?、手を出す?誰が?誰に?拙者達の大事な大事な妹に手を出して生かして貰えるとお思いで?いや、誘拐した時点で、生かしておく価値は当のとっくになくなりましたがね???貴方、いやゴミ屑と呼びましょうか。ゴミ屑は今から即刻ユイリアを返す事だけをして欲しいですわ。できなかったらゴミ屑以下ですな」


「ノーシュ兄ィ、そこまで、、、、まぁ、王族を誘拐した時点でお前に選択肢も生きる価値も無くなったって訳だ」


え〜、ノーシュド兄様がとっても怖いです。助けて下さい、いや、今助けられてる途中なんだけど、助けて下さい。


なんだろう、知ってたのに、怒ったら超怖いの知ってたのに、真正面からのド正論の言葉と怒りをぶつけられる、俺にぶつけられた訳じゃないけど、普通に怖い!それに、多分オーラかなぁ、魔力を変化させて圧を出してる。

これ一般人だったら泡吹いてるレベルだよ。騎士さん達凄いな。


グラーズはモロ当たってるのにまだ、意識も正気も保ててる辺り、やっぱりそこら辺は凄いなんだなっつ感心しちゃうよね。でも、こんな事で諦める様な奴でもないのを俺は知ってる。


「そんな事、で返す訳がないだろ!と言うか返す気がなくなったわ!」


〈神様、グラーズは本当に馬鹿なのかな?兄様達を怒られたら痛い目に遭うのは分かるのに〉


〈馬鹿だから、分からないんだよ。それに、優衣はもう手立てを打ってるだろうし〉


「(勝手に察しないで、、、、まぁ当たってるけど)」


俺はそう思いながら、パチンと誰にもバレない様に指パッチンをする。

そうすれば、パリンッ!と、背後の窓が割れる音がした。

それを聞いたグラーズは振り返ったがただそこには、割れた窓ガラスしかない。

だけど、振り返ったのが運の尽き、かな。


だって、そこにはグラーズの背後に回ってグラーズの首筋にナイフを当てる


















“狼牙”


の姿があったんだから。



「な、何でお前が」


「何ででも良いだろ。それよりもナイフを床に落とせ、落とさなかったら分かるだろ?」


「ッ、、、、クソッ」


グラーズは混乱してるだろうな、アレだけ割れなかった窓ガラスがなぜ割れたのか。自分に服従したと思ったら狼牙が何故自分に楯突いて今自分を脅してるのか、何故裏切ったのか。


馬鹿だから、察せないんだろうね。


〈優衣、いつの間に〉


「(ちょっと、ね)」


実は、狼牙にこの屋敷を出て城に行く様にって言った時、もう1つ指示をしてたんだ。



『もし、わたしが首謀者に捕まって盾にされた時は、窓の魔法を解除するから、窓を割って入って、首謀者を捕まえて』


『それ、お前が危ない、だろ』


『危なくても!それに、狼牙なら、完璧に出来るでしょ?』


『、、、、ハァァ、分かった、、、、、、、、何処の姫様が自分の命を投げ出す提案するんだよ、それも7歳児が』


『此処に?』


『居てたまるか』



そーんな事があったんだよね。

それをちゃーんと、実行してくれる辺り、やっぱり、、、、うん、良い子だな。


それから、アルビーとノーシュド、あと狼牙が部屋に残った。兄様2人に囲まれて、色々聞かれる。

狼牙はドア部分に立って様子を見ていた。尻尾がブンブンしてるの分かるからね?俺も今獣人だから、分かるからね?言っておくけどね!?


「大丈夫か?ユイリア、怪我はないか?気持ち悪いとか、体調はどうだ?」


「大丈夫だよ、アル兄様、ちょっとびっくりしたけど、怪我とかないよ!」


「本当でござるか?!ユイリアは無理するでござるから」


「大丈夫だってば!ノーシュ兄様、、、、と言うかノーシュ兄様、来たんだね」


「アルビーに連れて来られたでござる」


「嘘言わないでくださいよ、ノーシュ兄ィ。自ら出発の準備までして」


「それは言わない約束でござろうに!!!!!!!」


アルビーの言葉にぷんぷんするノーシュド。そんな会話をすれば、俺は自然と笑みを溢してしまう。

なんか、やっぱり兄弟なんだなぁ、って安心感が溢れるって言うか。


だけど視界の端で、狼牙が優しい笑みを俺に一瞬向けてから部屋を出て行こうとした。だけど、それを止めたのは俺じゃなくて、


「待て、」


「アル兄様」


アルビーだった。その声色はさっきよりも何倍も低くて真面目な表情をしていた。下から見る顔でも分かるぐらい。


「!、、、、何ですか?捕まえる気?いや、捕まえて当然か」


「そのつもりではあるが、、、、ユイリア、ユイリアはどうしたい??ユイリアが託したんだろ?」


「!、、、、、、、、あのね、、わたしは、ね」






















「わたしの  にして」







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