新たな仲間と心配してくれる家族 ②
そして6日目のお昼時間。お昼ご飯を持って来てくれた狼牙と一緒に食べながら、俺は持っていた服の一部で俺のだって分かりやすい服を狼牙に渡す。
「狼牙、んじゃ頑張って。もし入れなかったら、わたしの服見せればいけるから!」
「お、おう。その場合、俺会う前に死刑宣告されそうだがな」
「、、、、それは、狼牙の技量だから!」
「、、、、へいへい。んじゃ、無事で居ろよ」
「はーい」
そう言って窓から出て行った狼牙を見て安心する。
この場所と城の距離からすれば早くても明日の朝ぐらいには到着するのが分かる。
つか、首謀者絶対明日俺とか子供達売ろうとしてるよなぁ、どう思う?神様、ユイリア。
〈気色悪い奴だって事は確か〉
〈変態だって言う事は確か〉
「うーん、気持ちは分かる」
【絶対王政】のおかげである程度の首謀者の部下や雇われてる男達を地下牢で変な事はしない様には出来たけど、誘拐される子は4人も増えた。
対策は出来ては居るけど、大変なんだよなぁぁ。
そんな事を思いながら、食べ終わった皿を魔法で消した瞬間、部屋の扉がノックされ少しビクッとしちゃったよね。
「は、はーい」
返事をして扉を開けて中に入って来たのは首謀者、であるグーラズとその護衛だった。
すぐに警戒するが、グーラズはそんな事気にせずニヤニヤしながら俺の所に近づく。2日前から、何故か俺に会いに来ていて、少々気持ち悪い。
だけどそんな事顔に出したら、7歳児だと思われないし、演技をするしかない。
ザ・ピュアっピュアで純粋な姫を演じ始める。
「やぁ、ユイリア姫、お元気ですか?」
「、、、、元気じゃないよ。わたし、帰りたい!」
「そう言われても、無理、何だよ、ごめんね」
「ムゥ、、誘拐?ってのはダメだって言ってた!悪い事、めっ!だよ!」
「悪い事をしないと私達は生きれないんだ、ごめんねぇ」
ニヤニヤ、明らかに下心を含んだ視線を俺に向けるグーラズ、正直気持ち悪い。
女の子だって思ってるのは別に良いけど、コイツマジ、ショタコンとロリコンはイケメンと美女限定だって分かんねーのかな?
つか、人の生足をジロジロ見るなよ、見物料取ろうかな。
と言うか取れるかな?
〈1秒1万円はいけるよ、優衣〉
〈神様、それはちょっと安過ぎるよ。1億円で行こう〉
「(あらヤダ)」
「そう言えば、狼牙は何処だ?」
「狼牙?、ぁ、あの狼さんは、新しく誘拐してくるから、って居なくなったよ(まぁ嘘なんだけど)」
「そうか、、、、ふふっ、アイツも、従順になって来ているなぁ、良い事だ」
キッモ!!!!!!
あぶね、危うく口にしそうになったわ。
気持ち悪い笑みを7歳児に向けるとか神経をちょっと疑ってしまう。
だけど、グラーズと話してある程度は分かる。この男が結構魔法の使い手だって事が。
魔力の纏い方が上手いし、常に魔力で自分の肉体を守っている、集中力と魔力の使い方が異様に上手いし高い。
そんな相手なら、獣人の狼牙が太刀打ち出来ないって分かってしまうのも少しその気持ちが分かってしまう。
まぁ俺は、そんな事関係ないんだけども。
「まぁ良い。ユイリア姫、逃げ出そうなんてしない様にね。今は優しくしてるけど、もし抵抗したら、痛い思いをしちゃうからね」
「、、、、ムゥ、おじさん、とっとと出てって!!」
「ふふっ、はいはい」
グラーズはそう言って優しい笑みを浮かべて部屋を出て行った。
が、俺からしたら批判覚悟で言うが不細工な男の優しく真摯な対応はただただ吐き気を催してしまう気持ち悪さを纏ってる。
魔力じゃなくて気色悪いオーラを纏ってる方が絶対勝てる気がする。
だけどこうやって、心のにでペラペラと悪口言ってる俺ってちょっと性格悪いかな?
やっと1人、ではないけど静かになったからベッドに寝っ転がって枕を握りしめて頭上の2人に話しかける。
「んでさ、俺って口悪いと思う?」
〈〈自覚あったの???〉〉
「よっしゃ、喧嘩ならいつでも買うけど???」
〈違うって!、、だってペラペラと悪口のオンパレード言うからさ!〉
〈それは私も神様と同意。私でもそんな口悪くないし〉
〈だよね!ユイリア!まぁ、ユイリアの悪口もちょっと心に来るけど〉
「本当に気持ち悪いもの見てしまうとさ、普通に気持ち悪いって言っちゃうのはしょうがなくない?」
〈〈それはそう〉〉
俺の言葉に同意する2人もやっぱり気持ち悪いものには容赦ないんだなってちょっと安心。
そう思いながらも、狼牙がちゃんと行けてるかを考える。ちょっと俺に過保護なアルビーとノーシュド、あとノゼルドが少し心配だけど、頑張って欲しいな!
だけど決戦の日は明日。
明日で誘拐された子供達も助けられる、かな。
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「ふぁぁぁ、、、、、、、、」
〈優衣、お早いお目覚めだね〉
「ユイリア、、うん。今日は大切な日だしね、、、、と言うかユイリアもじゃん」
〈ウグッ、しょうがないでしょ〉
目を覚まして、決戦の為に髪をブラシで整えながらユイリアと話す。今は俺もユイリアだけどこうやって2人っきりで話すのは殆ど初めてだからちょっと、ソワソワ、ってしちゃうかも。
だけどこう言う時明るく会話に割り込んできそうな自称神様が現れてこない。
それが普通に聞こえたのか、ユイリアが笑いながら教えてくれた。
〈フハッ、朝一番で急に神様会議が入ったからって居なくなったよ〉
「神様会議なんてあるんだね」
〈あの人一応天界でもトップ5に入る権力者だから〉
「嘘だぁ、またまたユイリアご冗談を」
〈冗談だったら面白いよね〉
「、、、、嘘ん」
〈本当〉
まさかの事実に俺ビックリしちゃったよね、って話。
まぁでもそれなりに実力があるんだって事はたまに感じるから本当に嘘ではない、とは思うけど。
ブラシを置いてそろそろかなぁ、って感知魔法を使えばビンゴだったらしく、丁度狼牙が騎士団とあと、うわっ、アルビー達を連れてこっちに来ているのが分かる。
ちゃんと、狼牙が居るって事は信用された、か信じて貰えた、のかな?
良かった。
「この距離的に言えば後10分ぐらいかな」
〈だね。と言うか、、、、ノーシュド兄様が居るのが何気に凄い気が〉
「あぁ、ノーシュ兄様、引きこもり代表だし、、、、ユノ兄様が来なかったのは予想通りだけど」
そんな会話をしていたら、部屋の外が騒がしくなって来た。
バタバタって廊下を駆け巡る足音とか叫び声とか、普通に耳がキーンってなるから辞めて欲しいけど、聞くのが普通に楽しいから一旦聞いておこう。
「ボス!大変です!ウェルフンド皇国の騎士団とローズウェル王国の騎士団がこっちに向かってます!!」
「何だと!!?!?、い、今すぐ商品達を連れて逃げるぞ!!俺はユイリアを連れてく!!!急げ!!!!!!」
「はい!!!!!!×10」
グーラズの焦った声が聞こえてニヤニヤっと俺は笑みを浮かべる。1分程経てば、俺の部屋の扉が勢い良く開けられた。
入って来たグラーズは俺の腕を掴んで部屋の外に行こうとしているから、それを重力魔法で俺自身を重くして阻止する。
重いのに気付いたグラーズは目を丸くして俺を見てる。
あぁ、この表情結構面白い、と言うか好きかも。
「!?、何で、魔法が!」
「何で使えるか?うーん、私強いから」
「クソッ!おい!お前らすぐに来い!」
「ぁー、無理だよ。おじさんの部下さん?達は、ゼーイン、地下牢へ行くまでの道で閉じ込められてるから」
「、、、、はぁ?、な、何を言っとる」
「ふふっ、、貴方の固有魔法の1つなんでしょ。壁や物を通り抜けれる魔法。それを物自体にかけて、他の屋敷に行ってから地下牢に行ける物に通り抜ける。だから今、部下さん達の居る屋敷は、騎士団が取り押さえてるよ」
「なっ!」
俺の言葉を聞いたグラーズは一気に顔面蒼白になった。
あとは何でそんな事を知ってるんだって?思ってる顔かな?
そりゃあぜーんぶ狼牙から教えて貰ったからね。
信用されてるって思ってた奴からの裏切りってのが1番辛いのは分かってたし、結構良い気味だよね〜笑
今子供達は正規のこの屋敷唯一の地下牢への通路から逃げてる。そんな事今焦りに焦ってるこの変態は気づく訳がないよね。
だけど、こーんな間抜けな顔してたら、危ないよねぇ、おじさん。ね?、ユイリア
〈だね、優衣〉
「くそッ、どうすれば!!!!!!」
頭をフル回転させてどうにかして対処しようとしているグラーズに追撃するかの様に、屋敷全体が響く様なドゴォンと言う音が響いた。
少し揺れたし、その反動でグラーズの手が離れた。ふう、良かった、良かった。ちょっと汗が付いてて気持ち悪いな、これ。
グラーズは焦って居るが嫌な予感がしてるんだろう、部屋の鍵を閉め始めた。無駄なのに。
「な、何だ!?」




