新たな仲間と心配してくれる家族 ①
狼牙に足枷や手枷を外して貰って感知魔法で、首謀者を含めた仲間や狼牙みたいな雇われてる奴らを感知する。
これって案外便利だから使い勝手が良い。
「首謀者の他に、部下っぽいのは10人程、狼牙みたく雇われてるのが30人ぐらいか」
「そんなのが分かんのか?」
「うん、狼牙みたく雇われてる奴らはちょっと心が黒いんだよね。首謀者は、ドス黒いから分かりやすい」
色別に分かれてるから判定がし易いんだよなぁ。
だけど、おかしい。捕まえてる人数が極端に少ない。
本来の原作だと、首謀者、と言うかこの事件の黒幕は捕まえてる人数は多くても覚えてる限りだと60人。
だけど、今俺が感知出来てる被害者の人数は30人だ。半分の数だ。
と言う事はだ、明らかに何か変化があったと言う事だ。
「ねぇ、首謀者誘拐してる人数多いっぽいけど何でか分かる?」
「え?、いや、、、、ぁ、もしかしたら、アシェル王子の動きがあったからじゃないか?、、アシェル王子が国に色々伝えたから、兵士や騎士の見回りが増えた、と首謀者は言ってたな」
「!」
アシェルが、、、、そうか。原作でのアシェルはこの事件には殆ど関わりを持ってなかった。
だけどだ、俺が動きを出したから、アシェルも同じ様に動き出し、その結果誘拐された人数が減ったと言う事か。
うーん、俺やっぱり天才かも。
〈結果的に優衣のおかげって事ですね、神様〉
〈そうだね〉
「とりあえず、被害者達を逃すのが先決、かな」
「だが、捕まってる奴らは全員地下牢だ。逃しても、上に上がる際に見つかる可能性がある」
狼牙の言葉に「確かに!」と、気付かされた。誘拐された子達は全員今は地下牢。さっきの俺みたいに魔法を使えなくする魔法具を付けられてるから安易に逃げ出せない。
それに、首謀者が外したら分かる様にしてるって狼牙が言ってたから、一気に30人を逃すってなったら音も凄い事になる。
色々考えるが、今俺の状態と言うか俺が居るこの豪華な部屋の事を今更ならが思い出して、聞いてみた。
「そう言えば何だけどさ、何で俺だけこんな豪華な部屋なの?」
「あ?、、、、ぁー、いくら誘拐したとは言え一国の姫に無礼な事は出来ないだろ、って首謀者が言って」
「〈〈何その、変な所で紳士な部分、キモい〉〉」
俺と神様、ユイリアの3人は思わず揃って言ってしまった。
多分商品価値として1番高値で売りたいからだろうけど、全身鳥肌モンだよ、こりゃあ。
うーん、もう一度この屋敷の構図を改めて感知魔法で全体的に詳しく見ると分かる事はただ1つ。地下牢への道筋が分かりやすい程に沢山ある。
1階から行ける道筋は2つ。外から行ける道筋が1つ、2階から行ける道筋が1つ、3階、今俺が居る階で行ける道筋が1つ。
明らかに地下牢へ、頻繁に行ける様に作られた屋敷だ。
そりゃあ首謀者は誘拐犯だから当然の事だろうけど、気持ち悪いぐらい分かりやすい。感知魔法で誘拐された子達の体内、、、、あれは、ヤバいな。
それに俺は思い出した。ファンブックで書かれてた誘拐事件の詳しい内容の中で異様に短い一文を。
「、、、、ねぇ、もしかしてだけどさ、首謀者を含めた何人かさ、、、、誘拐された子に手、出してる?」
「!、何で、分かっ」
〈〈!〉〉
「ハァァ、やっぱりかぁ、、、、、、、、」
思い出したくなかった。
けど、この分かりやすい屋敷の構図からして、そう考えるしかなかったよね。
あぁやっぱり、この原作者と言うか製作者陣本当気が狂ってんなぁぁ笑
まぁ、それが俺が沼った部分でもあるんだけどな。
椅子に座り、深いため息をしてから、狼牙の方に視線を向ける。
「とりあえず、狼牙、1週間以内に首謀者を捕まえられる様にする」
「そんな事出来るのか?」
「出来る出来ないの話じゃない。やるんだよ、、、、皇子として、まぁ皇女としてもこれを無視出来ないし何もやらない訳じゃない」
「分かった。俺も何とかしてしてみる。が、1週間の間に誘拐が止まる訳じゃない。他にも俺以外に誘拐する奴らは居る」
「分かってる。だから、ちょっとした細工をする」
「細工?」
「うん」
それから、俺は【絶対王政】で首謀者に雇われている奴らに魔法をかけた。
1週間誰も誘拐しないって言う考え+1週間後自ら、自首をするって言う考え、まぁ意識にさせたのだ。
こう言う時この魔法は便利だと思うし、これで救える命が沢山もある。それと、被害者である子達を遠隔ではあるけど、手を出された記憶を完全に消去した。思い出せない様に。だから誘拐された記憶とかはあるけど、手を出された記憶はない。
国も怖くて記憶喪失になったんだって処理する様に、世界をそう設定した。
その日の夜、相変わらず俺の居る部屋は施錠されて、ベッドの上で眠れない夜を過ごす。
〈優衣、優衣の考えには賛成だけど、自分を犠牲にするのは、ダメだからね〉
「(分かってるよ、ユイリア。俺だってそれなりに自分を大切にはしてるから)」
〈それでも心配しちゃう親心?って言うのがあるの!俺とユイリアには!〉
「(笑、はいはい、神様もありがとうね、心配してくれて)」
2人からの心配はちょっと照れ臭いのもあるけど、嬉しい方が勝ってる。
まだ全然付き合いは短いけど、2人は俺の事をちゃんと大切に思ってくれているって事は伝わってくる。
まぁそれなりに俺は当たりが強いけど、、、、俺も結構大切にしては居るんだよな。
ベッドに寝っ転がって、俺は神様にお願いをする。
「(ちょっと調べて欲しい事があるんだけど良い?神様だから出来る事なんだけど)」
〈俺?全然良いよ!任せておけよ!〉
〈私はダメなの?〉
「(今天使なユイリアには無理かなぁ)」
〈そっかぁ〉
そんな会話をしていたら、俺は気付いたら眠っていた。
1週間後、必ず絶対に首謀者を含めた犯罪者を捕まえる。絶対にだ。
狼牙の人生の為にもね。狼牙と約束したんだもん。破る様な野郎だって思われたくないしね!
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「ん〜、このハンバーグ、超美味しい!狼牙、料理上手だね」
「別に、」
「うーん、無口!」
誘拐&監禁生活して早2日、ほのぼのとは真逆の殺伐とした空気で俺は狼牙お手製のハンバーグを食べていた。
王宮でも食べるけど、高級過ぎると美味しいけどこう言うザ!ハンバーグって言う奴が本当に美味しいんだよねぇ〜。
狼牙は首謀者に勘付かれない様にって、そっけない雰囲気を出すけど、尻尾をフリフリしてんのは分かんだよなぁ笑
「、、、、ぁ、そうだ。狼牙」
「何だ?」
「6日目、この屋敷から逃げ出して、わたしの王宮に行ってね」
「は?」
「私が行方不明になってるのはもう知れ渡ってそうだし、、頼んだ」
「ちょっと待て」
「良いから。分かった?」
「ッ」
狼牙に何も言えない圧を向けた。そうすれば、素直な狼牙は無言になる事なんて分かってたしね。
誘拐されてすぐに、俺は俺の姿に扮した兎のぬいぐるみを元の姿にさせた。だから、当然俺が誘拐されたって伝わっているだろうし、ぁ、ちゃーんとアリスとルカの2人のせいにはしない様にしたけどね。
「、、、、何でそうしないといけないんだ?」
「この屋敷はね、仲間や狼牙みたいな雇われの人間以外は視覚として認識出来ない様に魔法がかけられてる」
「!、全然気づかなかった」
「そりゃあ気付かれない様に作用されてるだろうしね、、、、だから、狼牙には衛兵や騎士達を連れて来て欲しいんだよね。誘拐された子達を保護して貰うのに必要だし」
「、、、、ハァァ、こんな年下の言葉に反論出来ねーとか、本当情けねーわ。分かった」
「うん、ありがとう」
納得してくれた狼牙に俺は感謝を伝える。
狼牙なら大丈夫だし、もし罪に問われたとしても俺が何とか無罪にするつもりだ。それに、ちゃーんとアルビー達は分かってくれるだろうしね、そう言う事は。
ハンバーグを食べながらそう思っていると、頭上に居る神様とユイリアから話しかけられた。
〈危ない事はしない様にね、優衣。俺達は結構心配だし〉
〈そうそう、私達はそっちの世界に深く干渉は出来ないんだからさ〉
「(分かってるよ。無理はしないし、危ない事だってしないから)」
〈〈本当〜???〉〉
「(本当だって笑、、、、心配ありがとうね、神様、ユイリア)」
〈〈どういたしまして〉〉
2人からの心配は嬉しいけど、心配され続けられるのは結構恥ずかしい。
まぁ、危ないかもしれないけど、【絶対王政】がある限りは俺は無敵?最強的な?
「お前って、達観してるな。7歳児には見えねーな」
「そう?まぁ、王族だし、、、、(まぁ、精神年齢7歳児じゃないし元22歳児だし)」
「王族ってそう言うもんか」
「そう言うものだよ」
「おい!狼牙!そろそろ。取引相手との会談だぞ!!準備をしろ!」
「ッ、分かりました」
首謀者の手下の1人だろうか、その1人が部屋の前から狼牙に怒鳴りつけながら呼び出す。
その声に少しビクッと尻尾を膨らませてから、返事をして俺に軽く会釈をしてから部屋を出た。
その後ろ姿がちょーっと悲しげなのが何とも言えなかったなぁ。
あの後ろ姿も幸せにしてあげたいな、って俺は思ったよね!
「、、、、ぜーったい、幸せにしてあげたいなぁ」
〈頑張って、優衣〉
〈そうそう、ファイト、ファイト〉
「はいはい笑」




