学園生活と犯罪者退治どっちも充実してます ④
「、、、、ねぇ、これやっぱり俺が悪いって事???」
薄暗い少し広い部屋の中、両足に足枷を付けられ床に体育座りで座り込んで天井をボーッと見上げながら呟く。見知らぬ家具に壁紙、見慣れない外の景色にすっかり暗い時間帯。
意識を取り戻したと思ったら見知らぬ部屋で魔法が碌に使えない状態だと、アレだな、ただの廃人、だな。
自分の今の現状も碌に理解出来てないし唯一?じゃないわ、唯二の話し相手の神様とユイリアに話しかける。
〈優衣がそう言うんだったら、そうなんじゃない、、、、かな〉
〈ほら、私も神様もすっかり忘れてたししょうがないって、ね?〉
「〈でも、でも将来の攻略対象者で将来命狙ってくる相手を忘れてたとか最悪だよ!!!!!!〉」
小さく2人の方を見て叫ぶ。部屋の外に誰か居たら変な奴だって思われるだけだし、出来るだけコソコソしながら。
そう、路地裏で俺の意識を失わせて見知らぬこの部屋に連れて来た奴、最後に見えた狼の耳と尻尾、そして最後に見えた情報でスッキリとした頭で思い出したのだ。
【狼牙】第2章で出てくる暗殺者キャラで、ヒロインキャラの攻略対象でもある。狼の獣人で俺、ユイリアの5つ上でクールな優しいお兄さんキャラ、だった。所謂スラム街で生活して居る子で親は居ない。生きる為に人を殺したり盗みを働き、仲間想いのキャラで、暗殺能力に関してはプロ以上だってファンブックに書かれてた。
何で、俺は忘れていたんだ。この事件、誘拐事件に狼牙が関わっている事、衝撃的で驚いた記憶があったのに、すっかり忘れてた。
狼牙の情報を見るまでは頭の隅にもなくて、嫌な予感ってこの事だったんだって気付いた。
〈優衣が此処まで慌てるって、本当に忘れてたんだなぁ、って俺思う。まぁ俺も忘れてたんだけど!☆〉
「(はっ倒すよ、神様)」
〈ごめんって!〉
〈今のは神様が悪い、ですね〉
〈ユイリアまで!?〉
「(とりあえず、どうしようかな、此処から)」
足枷を見つめながら、どうやって外そうかなって考えながら触りながら考える。部屋の空間の魔力からして多分この足枷が魔法を抑えてる効果、と言うか刻印魔法が施されているんだろうなって予想しているとユイリアがズバッと俺の今の状態を言い当てて来た。
〈、、、、と言うか、優衣、貴方魔法使えるよね?〉
「、、、、(バレてた?)」
〈そりゃあ分かるよ。魔力の感じからして使えない状態じゃないぐらい〉
〈、、、、そうなの!?〉
〈「アンタ、神様だろ」〉
〈ウグッ〉
俺とユイリアからの言葉にダメージ大だったのか、蹲る神様を無視する。
ユイリアに言う通り俺は魔法が全然使えれる。何故なら事前に【絶対王政】の魔法の効果の1つ、【事象改変】で俺がどんな魔法をかけられてもどんなスキルをかけられても、この足枷みたく魔法をかけられた物を付けられても効果を受けない様にこの世界に設定した。
だから俺は何されても無敵状態って事だ。こんな足枷なんの影響も受けないし、痛くも痒くもないのだ。
強いて言うのであれば、付けられてるのがめんどくさいな、ぐらいだな。
動こうにもジャラジャラも鎖の音が鳴るし、今の状態も理解出来てないから気になる。
「、、、、!、誰か来る」
立ち上がると、感知魔法で部屋の外から誰かが俺の居る部屋に近づいて来るのが分かった。感知魔法で伝わって来た情報で狼牙だと分かったので、緊張せず中に入ってくるのをウェルカム状態で椅子に座って待つ。神様とユイリアは暫く俺に話しかけるの禁止、喋るの禁止ね。2人に忠告して、足を組む。
「、、、、、、、、お前、余裕だな」
「分かる?」
部屋に入って椅子で優雅に座っている姿を目視した狼牙は結構間を開けてから、俺の状態を見て12歳の子供がするとは思えない表情で言われて余裕な顔をして返事をする。
思い出してシッカリと【狼牙】の顔を見ると、12歳の子供がしていい訳がない表情、警戒の仕方、視線の動かし方、立ち姿をしてる。この美少年に将来俺命狙われる可能性があるって考えたら、ちょっと興奮するな。
何て考えていると、狼牙が突然俺と言うかユイリア・モナーキーの秘密を言い放った。
「、、、、と言うかお前男だったんだな。これを国中にバラせば、とんだ話題になるな」
「別に言えば?わたしは特に困んないし、隠してる訳じゃないし。そっちが勝手に女の子だって勘違いしてるだけじゃん?」
「!、、、、お前、結構度胸あるんだな。いや、冷静、か?」
どうやって男だってバレたかは聞かないが、俺の発言に驚いた表情を一瞬見せたがすぐに警戒モードに戻る狼牙。推理なのか俺の性格を考えている姿を見るのは可愛いなぁ、考えながら俺はこの誘拐事件の話を聞く事にして、姿勢を正す。
「この事件に何で協力してるの?」
「、、、、関係ないだろ、お前には」
「いや、一国の皇子、いや皇女攫っておいて何言ってんの?ちゃんと説明して貰わないとこっちだって困る」
「本当に、お前7歳か?」
「7歳でーす」
中々言わない雰囲気を漂わせて立っている狼牙を見て俺は王族オーラと言えって言う圧を向けて、言うのを待って部屋の暗さどうにか出来ないかな、ってチラチラと部屋を見る。
数分後、とうとう諦めてため息をついてから魔法で手のひらから蝋燭と火を表して蝋燭に火を付けてテーブルに置いて俺の対面に置かれてた椅子にボスッと言う音をさせて座る狼牙。
全部言ってくれそうな表情でちょっと安心する。ファンブックに書かれた内容と同じだと良いんだけど。
「俺の暮らしてるスラム街にこの事件、誘拐事件の首謀者がいきなり来やがった。そん時俺、居なくて。帰って来たら首謀者が俺の家に居て、、、、脅されたんだよ」
「脅され、た?」
「あぁ、、、、、、、、この件に協力しないと、仲間を殺す。殺されたくなければ、言われた奴らを誘拐しろ、、、、ってな」
「最低」
「本当はお前を誘拐するのは後だったけど、急に言われて断れなくなて」
「しょうがないよ、お仲間さんを傷付けられるってなったら、わたしだって許せないし」
内容は殆ど同じ。少し狼牙から視線を逸らして考える。
だけど、おかしい。わざわざスラム街に首謀者が来てる事が原作と違う点だ。原作では狼牙は頻繁に盗みや殺しで才能を裏社会に轟かせてた。
ぁ、そうか、俺が何で忘れてたか。それはこの世界で不審な死や事故死で片付けられて居る件数が異常に少なくなってるんだ。
だからか。
これは俺が居るから、とかじゃなくて多分、と言うか絶対に狼牙は、
【転生者】
だ。
と言う事だ。
〈〈どう言う事!!?〉〉
「うるさっ」
「?、何がだ?」
「ぁ、ごめんこっちの話」
俺の言葉にそんな一々騒ぐなよ。
つか、2人が言ったんだろ?俺以外にも転生者が居るって。
まぁ決め付けてるって訳じゃないけど、俺(転生者)が居るからと言って本来のキャラと違う行動をする訳じゃない。それも俺とさっきまで関わりのなかった狼牙なら尚更。
と言う事は、転生者って言う確率が高い。と俺は思う訳。
〈、、、、やっぱり優衣って天才だよね?ユイリア〉
〈そうですね、神様。私やっぱり天才?〉
「(これぐらい察しろよ)」
まぁ、狼牙が転生者とか転生者じゃなくても、今この状況をどうにかしないと、だよな。
それにこの狼牙の様子からしたら、協力してくれはしそうだし、仲間が脅されてるって事は、脅されてない状態だったら、、、、よし。
俺は色々考えた結果、ある提案を狼牙にする。
「ねぇ、狼牙」
「何だよ」
「わたしの従者にならない?」
「、、、、は?」
〈〈え?〉〉
狼牙と神様とユイリアは俺の言葉に唖然としてた。クールな無口キャラな狼牙の驚いた顔は結構可愛いって言うか面白い。
と言うか神様とユイリアは少しは察しろよな、本当に。
そんな事を思いながら、俺は立ち上がって話を続ける。
「わたしの従者になってくれるんだったら、君の仲間、いや家族を助けてあげるし今よりももっと良い環境、衣食住、勉強も出来る環境を与える」
「、何だよ、それ」
「嫌なら、良いよ。でも断れる?断ったら、どんどん君は、闇に堕ちていく。わたしの手を取る?それとも首謀者の都合の良い飼い犬に成り下がる?(手を向ける)」
「ッ!、、、、ハァァ、お前本当に7歳児かよ、、、、、、、、よろしく、頼む。ご主人様よ(優衣の手を取る)」
俺の言葉を聞いた狼牙は色々考えたと思う。今の環境よりも俺と、国の王子の元に居る環境どっちが良いかなんて分かり切ってるだろうし。
どっちに飼い慣らされるなら、俺を選んだんだろうな。
手を掴んでくれた狼牙を褒める様に空いてる左手で頭を撫でる。そしたらパタパタと尻尾を揺らしてるのが分かって、可愛いなぁってホッコリしちゃったよねぇ笑
なんか、このそっけないけどちゃんと素直な所、可愛がってた後輩を思い出す様な、うーん、可愛い。
「んじゃ、よろしくね、狼牙」
「えぇ。ちゃんと約束は守ってくれよ」
「分かってるよ。とりあえず、鎖外してくれない?」
「それはちょっと難しい。外せば首謀者に伝わる」
「あぁ、それなら伝わらない様に作用させてるから安心して」
「本当にお前7歳児か?」
「だから7歳児だって言ってんじゃん」
「信じられないんだよ」
「ひどーい、泣いちゃうじゃん」
何て会話をしながら、狼牙が取り出した鍵で晴れて自由の身になった(元から自由)だけど。楽チンになったし、しっかりと約束した事は守りますか。
そう思いながら、魔法をフル回転させ、今居る場所をある程度見る事に集中する。




