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『虚像』  作者: 闇深太郎
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未確認飛行物体


 …UFO、正式名称(せいしきめいしょう)は『Unidentified Flying Object』、日本語(にほんご)だと未確認(みかくにん)飛行物体(ひこうぶったい)だ。高校生(こうこうせい)の僕(ぼく)は人知(ひとし)れずそれを研究(けんきゅう)している。過去(かこ)のデータを頼(たよ)りに、今後(こんご)それを目撃(もくげき)するであろう地点(ちてん)を予測(よそく)している。


 今日(きょう)も僕(ぼく)は上空(じょうくう)にカメラを向(む)けていた。僕(ぼく)以外(いがい)は誰(だれ)も空(そら)に気(き)を留(と)めない。それでも僕(ぼく)はカメラを向(む)け続(つづ)けていた。

 その時(とき)だった。レンズの奥(おく)に異様(いよう)なものが見(み)えた事(こと)に気付(きづ)いた僕(ぼく)は、反射(はんしゃ)でシャッターを切(き)っていた。そして、その足(あし)でカメラ屋(や)に行(い)き、現像(げんぞう)してもらった。



 現像(げんぞう)した写真(しゃしん)を見(み)て、カメラ屋(や)の店主(てんしゅ)も僕(ぼく)も驚(おどろ)いた。快晴(かいせい)の空(そら)にぼんやりとしたものが浮(う)いている。僕(ぼく)はこの日(ひ)何枚(なんまい)も写真(しゃしん)を撮(と)ったが、それが写(うつ)っているのはたった一枚(いちまい)だった。僕(ぼく)はその写真(しゃしん)を大切(たいせつ)にしまった。そして、友人(ゆうじん)に自慢(じまん)したが、誰(だれ)も関心(かんしん)を持(も)たなかった。もしかするとと思(おも)い、インターネットにも上(あ)げてみたが、返信(へんしん)どころか、いいねが一(ひと)つもつかなかった。



 それ以降(いこう)も僕(ぼく)はカメラを上空(じょうくう)に向(む)けていた。だが、未確認(みかくにん)飛行物体(ひこうぶったい)が撮(と)れたのは後(あと)にも先(さき)にもこの時(とき)だけだった。

 もしかすると、これも未確認(みかくにん)飛行物体(ひこうぶったい)ではないかもしれない。だが、世界(せかい)の誰(だれ)もが価値(かち)がないと言(い)い切(き)ったとしても、僕(ぼく)はそれをいつまでも自慢(じまん)し続(つづ)けるだろう。







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