第3章 ESC(Escape)&ATC(Attack) (1)
1.金ピカ丸(違)と薩摩
ゲームセンターを慌てて撤収した俺は100円玉のカップを忘れたことに気づいたが、諦めるしか無いとため息を付く。
家でやる格闘ゲームに練習以上の価値はない。
俺はお金をかけてやるから強くなれるのだとホンキで思っていた。
そして大日本帝国のアーチを無事に潜る。
またも、c3poもどき、もとい黄金丸と r2d2もどき、もとい薩摩が路上で漫才をしている。
いやあれは漫才だろう、通りがかる人達がそれを見て笑いをこらえていた。
奴らの声が聞こえる。
「お、お、お、おっぱ「ピー」」
黄金丸のセリフに薩摩が伏字を被せているように聞こえる。
「お、お、お、遅いなぁ」
「ピガピガ」……「チュー」
「そ、そ、そ、それは危険だよ、薩摩、黄色い悪魔の姿が見えます」
「お・お・お、お嬢様を、おっぱ「ぴー」呼ばわりするとは、神が許しても私が許しません。」
「あ・あ・あ、あれはいよいよ Gの領域に到達しようとしているのですよ」
「ピ……ガ……ピガ」
「お・お・お、脅威のGですよ、きょういのG、もはやそれはGODカップ」
俺は奴らの言葉を真面目に聞くのをやめた。
しかし薩摩はまた車を降りたのか。
四方八角美人でウルリカこのロボットたちについて語っていた。
そもそも 貴族連合・13家名に国王が下賜すると言われるロボットで昔からウルリカの家にいたそうだ。
少々不穏な言葉もそのせいで止めることは出来ない。
「栄誉あるロボットなの!」
というウルリカに対し俺は貴族連合って・・暇人の集団なのかと不遜に思ったのだった。
俺は、ロボットに
「おい、お前ら少しは黙って待ってられないのか」
「う・う・う、うるさいぞ下民」と金ピカポンコツ
「が・が・ガ…………」 と鈍重ポンコツ
何ということでしょう。
人様を下卑たセリフで罵るロボットがこの世に存在するとは。
俺はAIに感情なんか無いと思ってはいたが、こんなに腹の立つAIは初めてだった。
怒りのアナログ・ハックだ。
ウルリカはメガネを掛け直しながら
「こら!、人にそんな口聞いちゃいけません」
「お・お・お お叱りキタコレ」
とロボットが言うセリフじゃないセリフを吐いて
「ピャ・ピャ・ピャ」
と機械が出せる音じゃない音を出していた。
実は中で人が操作してるのではないかと思ったくらいだ。
ベネディクトは酔いが少し冷めたのか、いつもの口調で
「行儀のよろしいペットですな」
というと
「それほどでも」と誰も褒めてないのに照れている。
「あ・あ・あ 謙虚で大変よい、弟子にしてやるぞ御老体」やはり中に人がいるのかもしれないと思った。
ディアナは不審そうな顔で、「13位に入るとうちにあれがくるの?」と小声で俺に聞いてくると
「どうだろうな」と無難に返す。
よせばいいのに金ピカポンコツはディアナに向き直ると
「び・び・び・・・・・」
「び・び・び、美少女のBぃぃぃぃ」
「ピポッ、ピッ、ピーーーーーーー」
「び・び・び、びくとりーのBぃぃぃぃ」違う
「び・び・び、脅威のBぃぃぃ」
「おい、それ以上はやめろ」といってディアナの日傘で金ピカを殴る。
カンッとシュールな音がする。
「この恨み、一生、いや私の命は永遠、ならば一生どころか、永遠に忘れないゾ」
と俺を睨みつけてきた。
目を紅く光らせて。
「コントはもうやめて、行くわよ。」
「周りの人みんな見てるじゃない。」
と俺とポンコツロボをたしなめるウルリカは一生懸命、薩摩を車に押し込んでいた。
「オ・オ・オ、オマエモナ」と心で思ったのは俺だけではないだろう。
「お・お・お ココロに一時の潤いを提供するのが私共の使命なれば」
と金ピカ丸はそういうと、俺は本気で破壊してやろうと心に誓ったのだった。
<続> 次回 2.追跡するもの、されるもの。




