↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
擦れたお兄さん(26)が、お金と超技術で無双してみた  作者: 久破空是


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
5/23

第2章 王家の都市(2)

2.旅は道連れ

 

 王都 グランド・グレート・ゴールド 通称GGG(ジー・ジー・ジー)やトリプルジー と称される街。

 

 グランド・グレート・ゴッドキャニオンという、4000メートル級の山脈を背に、金色に輝くTranscendent Castel(超絶城)を中心に放射状にら広がる街並みはその周囲に貴族13家名の屋敷や庭、なんらかの施設などがありさらにその周りの商業施設やら一般市民の居住区がある。

 その街は王族貴族平民あわせて、人口約3000万人が生活している。

 貴族連合の本拠地だ。

 

 ちなみにシュナイダーの居城が黄金に輝くというのは比喩ではない。

 

 普通に見ればかなり華美で過剰だ。

 これはシュナイダーの前の王が電子マネーが世間を席巻している所為で貨幣通貨に使われていた金が余りはじめているのをいいことに

 城にあまった金をチョコレートのように塗りたくって大喜びしてたというのがニュースにもなった。

 もちろん眩しくて周囲からは不評だった。

 かなり北の寒い地域に存在するこの街は、この黄金に反射する光のせいで雪がすぐ溶けるという噂もある。

 ただ、王族ってのちょっと普通じゃない、平和的なムダ遣いは金が余って気まぐれで戦争を始めちゃうオチャメさんよりよっぽどマシと言われている。

 ま、シュナイダーのお膝元ということで、わざわざそんな金ピカで剣呑な城になんか用はない。

 

 シュナイダーの青春の1ページを真っ赤な鼻血色に染めた俺は初めての土地、北プレアデス地方

 列車での玄関口、王都トリプルジー。

 その中央駅 アイオン・ロード(永遠の王)ホームに足を踏み入れたのだった。

 

 「うーーーーん」

 列車での長旅で低い天井の圧迫感を拭うために、大きく伸びをした。

 ディアナと執事も、俺の後ろについて降りてくる。


 そしてバタバタバタバタ・・・と大量の足音が聞こえたかと思うと、なんだか物々しい連中が俺達を取り囲んだ。

 すごい人数だ、ざっと300人はいるだろうか、さすがの俺も鼻白んでしまう。

 通行のじゃまになってやしないかと心配にもなった。

 

 皆一様に、軍帽、濃紺のミリタリチュニック、白いパンツ、左の腰にはサーベルがぶら下がっている。

 陸軍か?、軍警か?……。


 よくみると何故か華奢、というか皆細い。

 そして帽子の隙間から見えた目は皆キラキラしていた。

 嫌な予感しかしない、言葉にするのも少し嫌だ。

 だが仕方あるまい。

 

 いわゆる、美少年兵……。

 殴ったり蹴ったりしたら、こっちが悪くなくったって罪悪感で心がやられてしまいそうだ。

 異論はあるが、認めてはくれんだろうな、誰も。

 この危険な集団を俺は、少女漫画軍団と名前をつけた。

 偏見なのは認めよう。

 殺意はない、ないが流石に威圧感がある。

 あるが、美少年の集団でどこかシュールな気持ちになった。

 それと妙な色気がでてるのはなんとかならんのかという気持ちになる。


 こういうときは勢いに飲まれてはいけない。

 なるべく顔を見ないように……いざ乱闘沙汰になったら殴りにくいじゃないか、ま、殴るけどな。


 俺はすっとぼけて……

 「はいはい、失礼しますよ~」

 腰を低くして……

 「御免なすって」

 目を合わせてはいけない……

 「道を開けてくださーい」

 うつむき加減で……

 「周りの人に迷惑がかかるので、集会所かなんかでやってくださーい」

 そしてどもども、ペコペコと周りに頭を下げながら進むと、美少年軍団の人垣が左右に割れる。

 実に面白い光景だ。

 ちゃっかり、ディアナもベネディクトついてきていた。

 

 「ま・・・待て!」

 俺の眼前に、やたら香水のなのか甘い匂いのきつい奴が立ちはだかる。

 俺はコソコソと歩いていたせいで、腰をかがめたすっかり間の抜けた格好だ。

 そして声の主を足から舐めるようそーっと見上げていく。

 黒い軍靴に、濃紺のズボン、左側には装飾過剰なサーベルがぶら下がっていた。


 うつむいていたせいでわからなかったが背が少女漫画軍団より頭一つ高い。


 身長は俺より少し低いが170センチメートルはあるだろうか。

 鍛え抜いた筋肉?は、顔のサイズに比べ胸板?が、やたらゴツくなんだかバランスが悪そうだ。

 胸元にぶら下がる勲章、襟元の階級章は、少佐あたりか。

 そして、さらに視線を上へと舐めるように見上げてく。

 その顔は驚くほどの美青年?————だが、俺はよくその顔を知っていた。

 

 俺は上目遣いでニヤニヤしながら、

 「嫌だと言ったらどうする?力ずくか?ウルリカ」

 そう言ってその美青年のサングラスを取り上げた。

 

 「ひぁっ」 その美青年は女の声で、のけぞった。

 ディアナもベネディクトもそれを見て驚いている。

 訓練されているのか、唖然としたのか少女漫画軍団に動きはなかった。

 

 その女、ウルリカ・ブリギッテ・クライン

 幼少の頃、九重家に行儀見習いで奉公にきていた。

 俺の幼馴染、2つ上。

 

 昔少し、いじめすぎたというより、いわゆる、幽霊系の話にめっぽう弱くてさんざん……まぁ……な……。

 12歳で……その、驚かせすぎて失禁するところを俺に見られたという少し可哀想な経歴を持つ。

 もちろん、子供の頃の不幸な事故だ。

 

 ブリギッテ・クライン家は厳格な家庭でウルリカは真面目な少女だった。

 そして我が家に来て、真面目に歪みやがった。

 俺のせいではないぞ、断じて、断じてだ!。

 大事なことだから2回言ったぞ、忘れるな!。

 

 サングラスを掛けてるときは厳格な軍人、それがないとただのビビリだ。

 俺はあまりにもびびってなにもできないウルリカに、親父のサングラスをやったのがきっかけだった。

 

 ブロンドの髪は、少し癖っ毛だが美しく、そして超美人。

 そして残念美人だ。

 

 そのアンバランスな体つきは、服で中身を押し込めているからだろう。


「つ、つくもちゃん」

 ウルリカは俺を弟くらいに思ってそう呼んでいた。


 頬を赤らめモジモジし始めた。

 ディアナもベネディクトもポカンとして空いた口が開かないようだ。

 なんだかめんどくさい、そして大変よろしくない。

 おれはそっと、サングラスをもとに戻したのだった。


「はっ」としてウルリカは、ぴしっと気をつけをすると腕を胸元に持っていき最敬礼する。


「つく、こ、こ九重九十九、つ、ついてきてもらうぞ」

「そこのお二方も、ご同道いただければと幸いと存じます」

 とその二人には恭しく一礼した。

 

 むむむ、こんなところで軍警が来ることは想定していなかった。

 いや予測はしていたが、ウルリカの部隊であることは予想外だった。

 

「行き先だけ聞いておこう」


「わ、わたくしの屋敷です、だ。」

 

 俺は、まだ唖然としているディアナもベネディクトに

「知り合いなんだ、とりあえず行こう、変に狙われるより楽だ」


——————

 

 俺は、俺達はウルリカを先頭に美少年軍団に囲まれて駅構内をぞろぞろと移動する。

 目立ってしょうがない、しょうがないが一般人は皆見て見ぬふりをする。

 子供の親は、子どもに見てはいけないものみたいにして子供の目を塞いでるのが見えた

 それがまた、いたたまれなくなって少し悲しくなってしまった。

 

 そういえば、ウルリカは 貴族13家名のうち、第10位。

 ブリギッテ・クライン家のご令嬢だった。

 当然行き先もそこだ。


 時刻は18:00

 駅の南口改札前、結構広い広場にある黄色いテープの前までくるとウルリカは

「クラスごとに整列せよ!」

 と叫んだ。

 少年兵は一糸乱れぬ動きで、10列 50人を作った。

 しかし多い。

 まるで学生の遠足だ。

「クラス委員は点呼、問題なければ、本日は解散とする!」

 ウルリカは再度叫ぶと、二人ほど挙手するのが見えた。

 

「先生、ヴァイスがトイレに行ったまま戻ってきません」

「先生、モードレッドもです」

 その二人の声が響いた瞬間、美少年兵たちの間でひそひそと話し声が聞こえる。

 いや、その人数で一斉にヒソヒソ声、言ってる内容が分かってしまい俺はうんざりした。

 ちらりとディアナを見ると、目をキラキラさせて何故かうんうんと頷いていた。

「い、いいわね、美少年同士の……」

 お嬢様、妄想が口から漏れておいでですよ。と言いたくなったがベネディクトの心労を察し何も言えなくなってしまった。

 

 「せ、静粛に、クラス委員は二人を探しに行け、他は、他は解散しろーーー、はぁはぁ」

 ウルリカはそう、叫んで息を切らせていた。

 

 俺は大きな不安に苛まれ

 「だ、大丈夫か?センセイ」と聞くと、


 親指の爪をかみながら、ウルリカはなにやらぶつぶつ言っていた。

 

 「全くあの二人は、ませやがって……ブツブツ」

 「私も早く………………」

 「はっ……」


 ウルリカ 28歳、花も恥じらう独身であった(完)

 俺は何も聞いてない、何も見てない、よしそうしよう。

 

<続>

 

次回 第2章 王家の都市(3)3.まだ何も終わってないんだが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。