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冗談で作った秘密結社が世界最大企業になっていた ~平凡な学生を演じる創設者の俺は、今さら全部作り話だったと言い出せない~  作者: てへろっぱ


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第46話 王女三人と王太子を普通に学院案内しただけなのに、昼食の席順だけで国際問題になりかけた

 大陸学生交流会の初日、王立魔法学院は朝から普段とはまるで違う景色になっていた。


 正門を抜ければ見慣れない制服の学生たちが学院地図を片手に行き交い、中庭では別々の国から来た教師が魔導設備について話し込み、食堂前には各国語を併記した案内板まで立っている。それでも授業そのものは通常どおり行われるという方針なので、鐘が鳴れば俺たちも教室へ戻らなければならない。


 アルヴェインの交流祭では俺たちが珍しがられる側だったから、立場が逆になると少し面白い。


「アレン、後ろ」


「うん?」


 教室へ向かう途中、トーマに袖を引かれて振り返ると、十メートルほど後ろをフェルナードの学生が三人歩いていた。


 こちらと目が合った瞬間、三人とも妙に慌てて視線を逸らす。


「何だろうねー」


「お前を見てたんだよ。朝から五組目だぞ」


「制服が珍しいのかな」


「この学院の制服着てる奴なら周りに三百人はいる!」


 トーマによると、昨日まで新聞や交流会資料の中だけにいた「アレン・クロフォード」が実際に普通の教室へ歩いているので、見学者たちが気になって仕方ないらしい。


「放っとけば、そのうち飽きるよー」


「最高幹部十人がその辺を歩いてる限り、飽きないと思うぞ」


 言われて窓の外を見れば、中庭の向こうをセレスとカレンが歩いていた。


 二人とも今日は正式な来賓対応の仕事があり、俺のところへ付いてきているわけではない。それでも《アウローラ》会長と最高幹部が王立魔法学院を普通に歩いている光景自体、外国から来た学生にとっては十分おかしいのだろう。


「仕事してるだけなのにねー」


「お前の周りは、仕事してるだけの人間の肩書が重すぎるんだよ」


     ◇


 一時間目は魔法理論。


 交流学生として、アルヴェイン王国から二名、マリネア、フェルナード、グランベル、北方の学院から一名ずつ、合計六人が俺たちのクラスへ入った。


 担任教師は最初に簡単な紹介だけ済ませると、特別扱いせず普段どおり授業を始めた。


 今日の課題は、同一の防御結界へ異なる属性魔法が連続して衝突した場合の魔力消費を計算するものだった。


 俺にとっては懐かしい内容だったけれど、国によって理論式の書き方が違うらしい。


 隣の席になったフェルナードの学生が、俺の答案を見て首を傾げた。


「クロフォード君、その式……途中の変換を飛ばしていませんか?」


「あー、飛ばしてるね」


「どうして答えが合うんです?」


「昔、この形でよく計算してたから」


 言ってから、トーマが斜め前からこちらを振り返った。


 また余計なことを言ったらしい。


「昔って、何年前?」


 フェルナードの学生は純粋な疑問として聞いただけなのだろう。


 俺が答えるより先に、トーマが口を挟んだ。


「こいつの『昔』は深く追及しない方が授業の進行に優しい」


「どういう意味ですか?」


「そのうち分かる」


「トーマまで最近それ言うよねー」


 周囲から笑いが漏れた。


 授業が進むにつれて、交流学生たちの緊張も少しずつ抜けていった。北方学院の学生が結界式の組み方について質問すれば、こちらの学生が黒板を使って説明し、逆に北方式の簡略法を教えてもらう。


 俺が何かする必要はない。


 ただ同じ問題を解き、分からないところを聞き合う。


 アルヴェインで俺が望んでいたのは、たぶんこういう光景だった。


「アレン」


 授業終了後、トーマが教科書を鞄へ入れながら言った。


「何?」


「お前、今日ほとんど何もしてないな」


「授業受けてたよー」


「褒めてるんだよ。たぶん」


「じゃあありがとう」


「俺も自分が何を褒めてるのか分からなくなってきた」


     ◇


 午前中の授業が終わると、予定どおり王族四名の学院案内が始まった。


 集合場所は中央玄関。


 アルフレッド王太子は宣言どおり少し後ろへ立ち、ミレイア王女とエリナ王女は学院案内図を手にしている。


 レティシアだけは俺の隣だった。


「本当に隣なんですねー」


「前回の返礼ですから。私がアルヴェインをご案内した際、アレンさんは私の隣を歩いてくださいました。今回は逆になっただけです」


「なるほど」


 筋は通っている。


「アレンさん、私は反対側でも構いませんよ?」


 ミレイアが笑顔で言いながら、自然に俺の左側へ入った。


「もちろんいいですよー」


「では私も、小麦について途中で伺いたいので近くを歩いても?」


 エリナもその隣へ来る。


 結果。


 俺。


 右にレティシア。


 左にミレイア。


 さらに左にエリナ。


 少し後ろにアルフレッド。


「何か歩きにくくない?」


「私は問題ありません」


 レティシアは即答した。


 ミレイアも笑顔のまま首を振る。


「私も全く」


「私もです」


 エリナまで同意する。


 後ろからアルフレッドが大きく息を吐いた。


「クロフォード君。私は今朝言ったことを撤回しない。最後まで後ろを歩く」


「前来ればいいのに」


「嫌だ」


「どうして?」


「君はそのままでいてくれ」


 また分からない話だった。


     ◇


 最初に案内したのは通常教室だった。


「ここが俺たちの教室。さっき授業してたところですねー」


 王族四人が室内を見渡す。


 豪華な設備があるわけではない。木の机と椅子、黒板、教材棚。壁には学生が作った魔法陣の練習紙まで貼ってある。


 ミレイアが少し意外そうに言った。


「本当に普通なのですね」


「だから普通の学院だって言ったじゃん」


「いいえ。学院そのものではなく」


 彼女の視線が俺へ向く。


「あなたの席です」


「席?」


「専用設備も、護衛用の区画も、特別な魔導防御もありません」


「学生だからねー」


 レティシアが横で小さく笑った。


「私の国でも、最初はそれを理解していただくまで時間がかかりました」


「アルヴェイン王宮が四十七ページの対応要領を作ったという噂は本当ですか?」


 エリナが尋ねる。


「本当です」


 レティシアが答えた。


「四十七ページ?」


 ミレイアが目を丸くする。


「何が四十七ページも必要なのです?」


「アレンさんを普通の学生として扱うための規則です」


「普通に扱うための規則が四十七ページ……」


 アルフレッドが額へ手を当てた。


「クロフォード君。やはり君の周囲だけ普通の意味がおかしい」


「俺のせいじゃないですよー」


     ◇


 次は図書館。


 大陸でも有数の蔵書量を持つ場所なので、ここでは四人とも純粋に興味を示した。


 特にアルフレッドは鉱山魔法や雪害対策に関する資料棚を見つけると、案内予定を忘れそうなほど読み始めた。


「この資料、借りられるのか?」


「交流会参加者向けの閲覧許可は出ていますが、国外への貸し出しは学院間手続きが必要です」


 同行していた学生会担当者が説明すると、アルフレッドは素直に頷いて資料名を控える。


「だったら連絡会経由で、うちの学院から正式に複写依頼を出せばいいですねー」


 俺が何気なく言うと、アルフレッドがこちらを見た。


「そうか。もうそのための連絡先があるのだな」


「せっかく作ったんだから使えばいいじゃん」


「君は代表を断ったくせに、使い方だけは一番自然だな」


「友達同士で使うためのものでしょ?」


 アルフレッドは少し考えてから笑った。


「その通りだ」


 その後も各国の学院資料が見つかるたびに話が広がり、気づけば案内予定を十分ほど超えていた。


 学生会担当者が時計を気にしているのを見て、俺たちは急いで次へ向かった。


「ほら、もう寄り道しています」


 レティシアが少し楽しそうに言う。


「図書館の中だから予定内ですよー」


「時間を超えた時点で寄り道と同じです」


「厳しいなー」


「前回は私が苦労しましたから」


 反論できなかった。


     ◇


 共同工房では、マリネアのミレイアが特に食いついた。


 学生たちが作る運搬用魔道具や、規格を揃えた部品棚を見て、以前俺が話した「荷箱の大きさを合わせる」という話を思い出したらしい。


「アレンさん。これです」


「何が?」


「同じ大きさの部品を複数の工房で使えるようにする考え方。港湾輸送にも応用できると思いませんか?」


「専門家に聞いた方がいいって言ったじゃんー」


「聞きました。だからこそ、こちらを見たかったのです」


 ミレイアは工房担当の学生へ次々質問し始めた。


 部品寸法の決め方。


 異なる工房間での誤差。


 規格外品をどう扱うか。


 気づけば俺より詳しく聞き込んでいる。


「俺、いらないねー」


「それでいいのでは?」


 レティシアが隣で答える。


「アレンさんは全部をご自分で説明しなくてもいいのです。詳しい方へつなげれば、それで十分でしょう?」


「……そうだね」


 アルヴェインで自分が言ったことを、逆に教えられた。


「レティシア、成長したねー」


「なぜ私が褒められる側なのですか?」


「何となく」


「アレンさんにだけは言われたくありません」


 少し怒られた。


     ◇


 実戦訓練場へ着く頃には、予定から十五分ほど遅れていた。


 ここではグランベル王国のアルフレッドが急に元気になる。


 学院の学生たちが模擬戦を行っており、結界の内側では剣と魔法が飛び交っていた。


「クロフォード君も普段ここで訓練を?」


「たまに」


「なら一度、手合わせを――」


「駄目です」


 声を揃えたのは。


 レティシア。


 ミレイア。


 エリナ。


 三人。


 アルフレッドが固まった。


「なぜ三人とも同時なのだ?」


 レティシアは真面目な顔で説明する。


「交流会初日に王太子殿下が怪我をされては困ります」


「待て。私が負ける前提か?」


「前回、アレンさんの周囲の方々を見ましたので」


 ミレイアも頷く。


「私も同感です。世界最大企業の軍事総司令が、アレンさんへ接する態度を見れば、実力を軽く考えない方がよいでしょう」


 エリナまで続ける。


「小麦を見る前に負傷されるのは困ります」


「最後だけ理由がおかしくないか?」


 アルフレッドは納得していなかったが、結局手合わせは諦めた。


「今度、安全なときにやりましょうー」


「約束だぞ」


「俺、剣より昼ご飯の方が気になるけど」


「君は本当に変わらないな」


     ◇


 そして。


 問題の昼食。


 予定では学生食堂で、王族四人も他の交流学生と同じように食券を買い、好きな料理を選ぶことになっていた。


 そこまでは何も問題なかった。


「アレンさん、こちら空いています」


 レティシアが四人掛けの席を見つけた。


 ところが。


 俺たちは五人。


 学生会担当者まで含めれば六人。


「隣の机くっつけようか」


 俺が近くの机へ手を掛けようとすると、レティシアが止めた。


「それでは通路が狭くなります。二つに分かれた方がよいでしょう」


「じゃあ俺とトーマ――」


「トーマさんは現在別のクラスの学生と食事中です」


「あ、そうだった」


 では二卓。


 俺は適当に座ろうとした。


 その瞬間。


 レティシア。


 ミレイア。


 エリナ。


 三人が。


 同じ椅子を見た。


 俺の隣。


 誰も動かない。


「……座らないの?」


 聞くと、レティシアが笑顔で答えた。


「私は前回の専属案内役ですから、隣が自然かと思いまして」


 ミレイアも負けずに穏やかに続ける。


「今回、共同工房について最も質問がありますので、食事中にもう少しアレンさんへ伺いたいのです」


「私は小麦の生育について確認したいことがあります」


 エリナも静かに主張する。


 三人とも。


 理由はある。


「じゃあ」


 俺は少し考えた。


「一人ずつ交代すれば?」


 静寂。


「食事中にですか?」


「うん。十分ずつとか」


 アルフレッドが。


 とうとう。


 顔を伏せた。


 肩が震えている。


「笑ってます?」


「いや。すまない。君は予想を超えるな」


「普通に公平でしょ?」


「そういう問題ではないのだが……まあ、その方が戦争にはならんかもしれん」


「戦争?」


「気にするな」


 結局。


 学生会担当者が。


「席はくじで決めましょう」


 と提案した。


 一番普通。


 誰も反対できない。


 小さな紙片を六枚作り、座席番号を書く。


 俺も引く。


 窓側。


 結果。


 右隣。


 アルフレッド。


 左隣。


 学生会担当者。


 向かい。


 王女三人。


「……」


 レティシア。


 静か。


 ミレイア。


 笑顔。


 エリナ。


 小麦資料を見る。


 アルフレッドは。


 隣で。


 ものすごく。


 申し訳なさそうだった。


「クロフォード君」


「何です?」


「私がここで本当にいいのか?」


「くじだからねー」


「そうか」


「アルフレッド、何食べる?」


「肉料理にする」


「俺も」


 普通に決まった。


     ◇


 ところが。


 食堂の少し離れた席。


 正式な昼休憩を取っていた《アウローラ》最高幹部たちから見ると。


 事情は違った。


「……なぜ」


 ラグナが。


 低い声を出す。


「グランベル王太子が、アレンの隣にいる?」


「くじです」


 ミコトが答える。


「確認済み」


「なぜ確認した!」


「偶然見えた」


「ここから三十メートルあるぞ!」


「視力」


 カレンが額を押さえた。


「皆様、仕事中です。王族の座席に口を出さないでください」


 ヴィオラは扇で口元を隠しながら、向こうの席を見ている。


「でも面白いわね。王女三人が全員向かいで、アレンの隣が王太子なんて」


「笑い事ではない」


 ラグナはまだ納得していない。


「なぜだ? 王女でなく王太子なら問題ないでしょう」


 ノエルが素朴に尋ねた。


「……」


 ラグナ。


 止まる。


「確かに」


「何を警戒していたのですか?」


「分からぬ!」


 セレスだけは。


 少し。


 安心したような。


 複雑な顔。


「くじなら仕方ありませんね」


 そう言いながら。


 自分の皿の野菜。


 ほとんど。


 進んでいない。


 カレンが見た。


「セレス様」


「はい?」


「野菜」


「食べています」


「三分前から同じ葉を刺しています」


「気のせいです」


「皆様」


 カレンは深く息を吐く。


「普通に昼食を取ってください」


     ◇


 昼食後は、最後の二か所。


 学生寮周辺と。


 栽培実習区画。


 小麦を見た瞬間、エリナの顔が明るくなった。


「本当に発芽しています……!」


「昨日より増えましたよー」


 俺が指さすと、エリナは王女らしい所作も忘れたように土のそばへしゃがみ込んだ。


「発芽率も悪くありません。この土質なら、今後は水量を少し抑えた方が根が深く伸びると思います」


「そうなんだ」


「この品種は水を与えすぎると、逆に弱くなることがあります。次からは表面が乾いた頃で十分です」


「危なかった。毎日あげてたよー」


「まだ発芽直後なので問題ありません」


 俺も隣へしゃがむ。


「じゃあ教えてもらった通りやってみるね」


「はい。もしよければ、成長記録を送っていただけますか?」


「写真みたいな記録映像で?」


「はい。フェルナードの学生たちも喜びます」


「分かったー」


 これなら。


 連絡会。


 使える。


「学校同士で送ればいいね」


「そうですね」


 エリナが笑う。


 ミレイアとアルフレッドも、その様子を見ながら自分たちの国でも似た交換ができないか話し始めた。


 レティシアは少し離れたところから、そんな四人を眺めていた。


「レティシアも見る?」


「はい」


 俺の横。


 空いている。


 彼女がしゃがむ。


「小さいですね」


「でもちゃんと育ってるよー」


「アレンさん」


「何?」


「アルヴェインへいらしたとき」


 少しだけ。


 声が柔らかくなる。


「次に会ったとき、前より少し良くなったと笑えればいいと仰いましたよね」


「言ったね」


「今」


 小麦を見る。


「少しだけ」


「その形になっている気がします」


 フェルナードの種が。


 別の国で。


 芽を出している。


 アルヴェインで知り合った人たちが。


 今度は俺の学院にいる。


「そうだねー」


 たった数日。


 でも。


 前とは違う。


     ◇


 予定時間。


 二時間。


 実際。


 三時間十三分。


「増えたねー」


 案内終了後、学生会担当者の報告書を見ながら俺が言うと、担当者は疲れた笑顔を浮かべた。


「図書館で十五分、工房で二十二分、訓練場で十三分、食堂の席決めで十一分、栽培区画で十二分延長した」


「思ったより細かく記録してるんですね」


「次回改善のためだ」


「じゃあ役に立つねー」


「君は反省しないのか?」


「楽しかったですよ?」


「……もういい」


 怒られた。


 でも。


 四人とも。


 満足そうだった。


 アルフレッドは図書館資料の複写申請を出し、ミレイアは共同工房の学生と翌日の相談予定を入れ、エリナは栽培実習の担当教師と小麦について話すことになった。


 レティシアは。


「明日は?」


「普通に授業ですよー」


「昼休みは?」


「小麦見るかも」


「では私も」


「レティシアの交流予定は?」


「昼休みは自由時間です」


「ならいいよー」


「ありがとうございます」


 また。


 青い髪紐。


 揺れた。


     ◇


 その日の夜。


 交流会運営本部。


「初日、大きな事故なし。各国学生の通常授業参加も概ね好評です」


「よし」


 学院長は報告書を読みながら、久しぶりに穏やかな顔をしていた。


「アレンは?」


「王族四名の学院案内を担当しました」


「問題は?」


「予定を一時間十三分超過しました」


「……それだけか?」


「はい」


「新組織は?」


「作っていません」


「《アウローラ》へ勝手な指示は?」


「ありません」


「王族を学院外へ連れ出した?」


「いません」


「商店を繁盛させた?」


「学院内なので商店へ行っていません」


「秘密結社は?」


「作っていません」


 学院長は。


 静かに。


 椅子へ背中を預けた。


「完璧ではないか」


「基準が下がりすぎていませんか?」


「私もそう思う」


 それでも。


 初日は。


 本当に。


 平和だった。


「ただし」


「何だ?」


 報告者が。


 別の紙を差し出す。


「明日の自由研究交流について、一件だけ参加希望が急増している企画があります」


「どの企画だ?」


「《四百年前の大陸史における無名支援組織の研究》です」


 学院長の表情が止まった。


「……誰が発表する?」


「北方歴史学院の学生です。本人たちはアレン君との関係を知らないようですが」


「題材は?」


「古文書に残る」


 一度。


 紙を見る。


「《ノクス・アウローラ》です」


 学院長は。


 ゆっくり。


 目を閉じた。


 交流会。


 二日目。


 普通の授業だけで。


 終わるはずだった予定へ。


 四百年前の。


 俺の冗談が。


 追いついてきた。


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