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冗談で作った秘密結社が世界最大企業になっていた ~平凡な学生を演じる創設者の俺は、今さら全部作り話だったと言い出せない~  作者: てへろっぱ


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第39話 国王に「四百年前から知っているのか」と聞かれたので正直に答えたら、王宮の人たちが全員固まった



 その日の夜。


 アルヴェイン王国国王は、自室へ運ばれてきた古い記録を三度読み返していた。


 最初の一度は、内容が信じられなかったから。


 二度目は、読み間違いがないか確かめるため。


 三度目になると、今度は信じたくなくなっていたからだった。


「……首領アレン」


 机の上には、王国情報部が半日かけてまとめた調査報告が並んでいる。


 四百十一年前。


 北方の小国群を襲った魔物の大発生。


 そこへ現れた若い長命種。


 七人の少女を連れ、《ノクス・アーク》と名乗る組織を率いていた人物。


 その後も、およそ四百年にわたり各地の記録へ似た名が現れる。


 飢饉には食料。


 疫病には薬。


 戦争には避難路と補給。


 国家財政が崩れかければ、妙な条件も付けずに資金を貸し出す。


 ただし、本人は王にも英雄にもならない。


 必要なことだけを済ませると、いつの間にか消えている。


 そして最後に残された人物評。


 ――組織の設立理由を問われた本人は、笑って答えた。


 ――「冗談で作っただけだよー」


「……同じではないか」


 国王は頭を抱えた。


 今日まで二日間。


 アレン・クロフォードとは何度か顔を合わせている。


 話し方。


 雰囲気。


 あの妙に力の抜けた語尾。


 四百年前の記録を書いた人物が、よほど特徴的な口調まで創作したのでなければ、一致しているとしか思えない。


「陛下」


 向かいに座っていた宰相が慎重に口を開いた。


「情報部から追加報告がございます」


「まだ増えるのか」


「はい」


「聞きたくないと言ったら?」


「それでもお伝えするのが私の役目です」


「そうだろうな。読め」


 宰相は一枚の書類を取った。


「《アウローラ》創業時の主要幹部について再調査した結果、現在の最高幹部十名のうち七名について、四百年前の記録に同名あるいは極めて近い特徴を持つ人物が確認されました」


「……七名」


「はい」


 国王は古文書へ視線を落とす。


 ――七人の少女を伴う。


 偶然だと言い切るには、少し数が合いすぎている。


「残る三名は?」


「後年に加入した可能性があります。ただし、その部分については推測です」


「十分だ。これ以上推測を増やすな。頭が痛くなる」


「もう一点ございます」


「まだか」


「《アウローラ》会長セレス様が現在身につけている首飾りの刻印」


「《また帰る》だったな」


「はい。そして創業文書には、《我らが帰る場所へ再び朝が来ることを願う》とあります」


 国王は黙った。


 仮説はあまりにも馬鹿げている。


 けれど。


 ひとつひとつの事実を並べると、妙なほど形になってしまう。


「つまり」


 国王はゆっくり言葉を選んだ。


「世界最大企業《アウローラ》は、四百年前の秘密結社を母体としている可能性があり」


「はい」


「その創設に関わった最高幹部たちは、長命種で」


「可能性が高いと考えられます」


「そして」


 一番言いたくない部分。


「彼女たちは百年以上」


「はい」


「一人の男が帰ってくるのを待っていた?」


「……現状、もっとも辻褄の合う仮説です」


 国王は椅子へ深く沈んだ。


「その男が」


「はい」


「今、娘と買い物をしている」


「はい」


「銅貨八枚の髪紐を贈った」


「はい」


「本人は何も気づかずに」


「おそらく」


「……」


 国家というものを長く治めていると、理解できない出来事にも多少は慣れる。


 だが。


 今回ばかりは。


 理解しようとするほど遠ざかっていく気がした。


     ◇


 翌朝。


「アレン・クロフォード君」


 朝食を終えた直後、王宮の侍従から声をかけられた。


「国王陛下がお呼びです」


「俺?」


「はい」


「何かしたかなー」


「知らん!」


 隣にいたトーマが即答した。


「でも絶対何かした!」


「俺よりトーマの方が自信あるねー」


「お前は危機感を持て!」


 昨日から王宮の人たちが妙によそよそしいとは思っていたけれど、国王本人から呼ばれる理由は分からない。


「俺も行っていい?」


「お呼びしているのはクロフォード様のみです」


「ほら!」


 トーマが俺の肩を掴む。


「個別だぞ!」


「そうだねー」


「何で落ち着いてんだ!」


「呼ばれただけだし」


「王様にだよ!」


「前にも話したじゃん」


「会話の規模が違うんだよ!」


 よく分からないけれど。


 とりあえず。


 行ってみることにした。


     ◇


 通されたのは大きな謁見室ではなく、王宮奥の小さな応接室だった。


 国王。


 宰相。


 情報部長。


 そしてなぜか、レティシア王女までいる。


「おはようございますー」


「……うむ」


 国王の返事が妙に重い。


「座ってくれ」


「失礼します」


 椅子へ座る。


 テーブルにはお茶と菓子。


 でも。


 誰も手をつけていない。


「レティシアもいるんですねー」


「はい」


 王女が少し困ったように笑う。


「父上が、私も同席してよいと」


「そうなんだ」


「本来は同席させるつもりはなかった」


 国王が言う。


「しかし娘が、あなたに関する話なら聞く権利があると主張してな」


「それは……」


「教育交流の案内役としてです」


 レティシアが付け加えた。


 国王が娘を見る。


 レティシアは視線を逸らした。


 たぶん。


 それだけではない気がする。


「では」


 国王が。


 一度。


 息を整えた。


「アレン君」


「はい?」


「いくつか質問させてもらいたい」


「いいですよー」


 宰相と情報部長が。


 なぜか同時に姿勢を正した。


「まず」


「はい」


「君は」


 国王は俺の目を見る。


「長命種か?」


「あー」


 そこか。


「はい」


 答えた瞬間。


 情報部長が目を閉じた。


 何か。


 疲れたような顔だ。


「年齢を聞いても?」


「四百ちょっとですねー」


「……」


 静かになった。


「父上?」


 レティシアが。


 珍しく国王の方を見て心配そうに声をかける。


「大丈夫ですか?」


「大丈夫ではない」


「陛下」


 宰相が小声で言う。


「予想していた回答です」


「予想していても実際に聞けば衝撃はある!」


「そうですね」


 俺は首を傾げる。


「長命種って珍しい?」


「長命種が珍しいのではない」


 国王が言う。


「四百歳を超える長命種が、十八歳の学院生として娘とデートしているのが珍しいのだ」


「あー」


 それは。


 言われてみれば。


「学院は年齢制限なかったので」


「制度上の話をしているのではない!」


 国王。


 元気になった。


     ◇


「では」


 情報部長が初めて口を開いた。


「こちらについて確認させてください」


 机の上へ。


 一冊の古い本が置かれた。


 見覚えはない。


「何ですか?」


「四百十一年前の王国軍記録です」


「あー」


「覚えておられますか?」


「四百年前って言われてもいっぱいあるからなー」


「……」


 国王たちが。


 また固まる。


「そんなに色々あるのですか?」


 レティシアが興味深そうに尋ねる。


「長く生きてるからねー」


「例えば?」


「レティシア」


 国王が止める。


「今は思い出話を聞く場ではない」


「……はい」


 少し残念そうだった。


 情報部長が本を開く。


「北方の魔物大発生」


「あ」


 それは覚えている。


「ありましたねー」


「そこに」


 情報部長。


 慎重に。


「《ノクス・アーク》という組織が記録されています」


「……」


「あー」


 懐かしい名前だった。


 最近。


 セレスたちとも。


 何度か聞いた。


「知っていますか?」


「知ってますよー」


 三人の大人が。


 同時に息を止めた。


「どのような関係です?」


「俺が作ったやつだから」


「……」


「……」


「……」


 今度は。


 レティシアまで。


 固まった。


「アレンさん」


「はい?」


「作った?」


「うん」


「《ノクス・アーク》を?」


「そうですよー」


「……」


 王女が。


 青い髪紐へ手をやったまま。


 俺を見る。


「秘密結社、ですよね?」


「そう呼んでたねー」


「どうして作ったのです?」


「冗談」


「……」


「……」


 国王が。


 ゆっくり。


 両手で顔を覆った。


「やはり」


「陛下?」


「記録どおりだ……」


     ◇


「どうして冗談で秘密結社を作るのですか?」


 レティシアが。


 真剣な顔で尋ねた。


「昔ねー」


「はい」


「セレスたちが小さかった頃」


 ふと。


 懐かしくなる。


「みんなで遊んでて」


「遊び?」


「うん。秘密基地みたいなの作って」


「はい」


「どうせなら秘密結社にしようって」


「……」


「名前もそれっぽくして」


「《ノクス・アーク》」


「そうそう」


「それで」


 国王が。


 恐る恐る。


「その秘密結社は何をした?」


「最初は特に何も」


「最初は?」


「困ってる人いたら助けたり」


「うむ」


「食べ物足りなかったら運んだり」


「うむ」


「戦争してたら避難させたり」


「うむ」


「孤児がいたら面倒見たり」


「……」


「あと研究者拾ったり」


「待て」


 国王が止める。


「もう秘密基地遊びの範囲を大幅に超えている」


「そう?」


「そうだ!」


「気づいたら人増えてたんですよー」


「その一言で四百年の歴史を片付けないでくれ!」


 国王。


 また元気になった。


「では」


 宰相が。


 慎重に質問する。


「《アウローラ》については?」


「俺がいない間にセレスたちが作った会社ですよー」


「あなたの指示ではない?」


「違います」


「設立資金は?」


「知らない」


「事業方針は?」


「知らない」


「世界展開も?」


「知らない」


「……」


 宰相が。


 情報部長を見る。


 情報部長も。


 首を横に振る。


「本当に?」


 国王が念を押す。


「俺」


 少し考える。


「帰ってきたら世界最大企業になってて、一番びっくりした側ですよー」


 国王たちは。


 しばらく何も言わなかった。


     ◇


「では」


 国王が。


 しばらくして。


 少しだけ。


 声を落とした。


「君は」


「はい」


「なぜ彼女たちの元を離れた?」


 部屋の空気が。


 少し変わった。


「……」


 四百年前。


 あの頃。


 いろいろあった。


 敵も。


 追跡も。


 面倒事も。


 そして。


 俺は。


 みんなを巻き込みたくなくて。


 一人で。


 離れた。


「ちょっと」


 俺は。


 言葉を選ぶ。


「危ないことがあって」


「うむ」


「俺がいない方が」


 一度。


 止まる。


「みんな安全だと思ったんです」


「……」


 レティシアが。


 静かに俺を見る。


「でも」


 俺は続ける。


「間違ってましたねー」


「間違い?」


「帰ったら」


 少し。


 苦笑する。


「めちゃくちゃ怒られた」


 レティシアが。


 小さく笑った。


「それは」


「うん」


「怒られると思います」


「レティシアも?」


「はい」


「どうして?」


「残された側は」


 王女は。


 青い髪紐を指先で触りながら。


「安全であれば、それだけでいいわけではありませんから」


「……」


 その言葉。


 前にも。


 似たようなことを。


 セレスたちから言われた気がする。


「そうみたいですねー」


「はい」


 レティシアが。


 少しだけ。


 柔らかく笑う。


「だから《また帰る》なのですね」


「あー」


 セレスの首飾り。


「そうかも」


     ◇


「陛下」


 情報部長が。


 小さく声をかける。


「残る確認を」


「ああ」


 国王は。


 少し考えてから。


 古文書の最後のページを開いた。


「アレン君」


「はい」


「四百年前」


「うん」


「君はアルヴェインの前身諸国を支援した記録がある」


「あったかも」


「穀物を送り」


「うん」


「薬を送り」


「うん」


「魔物の群れから兵士と住民を逃がした」


「覚えてないなー」


「……」


「いっぱいあったから」


「そうか……」


 国王は。


 しばらく。


 古文書を見た。


 そして。


 頭を下げた。


「陛下?」


「ありがとう」


「……」


「当時の国はもうない」


「うん」


「人も変わった」


「うん」


「だが」


 国王は。


 ゆっくり顔を上げる。


「その積み重ねの先に、今のアルヴェインがある」


「……」


「だから」


「うん」


「四百年遅れだが」


 一国の王が。


 もう一度。


 頭を下げる。


「礼を言わせてくれ」


 俺は。


 困った。


「別に」


「うむ?」


「昔のことだから」


「……」


「今、ちゃんと国が残ってるなら」


 窓の外。


 王都。


 市場。


 学生街。


 昨日歩いた。


 普通の人たちの暮らし。


「それでいいんじゃないですか」


 国王は。


 しばらく。


 何も言わなかった。


 宰相も。


 情報部長も。


 そして。


 レティシアも。


 静かだった。


「……やはり」


 国王が。


 ぽつり。


「何です?」


「四百年前と」


「うん」


「何も変わっていないのではないか?」


「そんなことないですよー」


「どこが?」


「身長伸びた」


「そこではない!」


     ◇


 面談が終わる頃。


 国王は。


 かなり疲れた顔をしていた。


「一つだけ」


「はい?」


「最後に聞かせてくれ」


「どうぞー」


 国王。


 一瞬。


 レティシアを見る。


 王女も。


 父親を見る。


「……」


 何か。


 空気が変だ。


「君と」


「はい」


「娘は」


「うん」


「どういう関係だ?」


「教育交流の案内役と学生ですよー」


「……」


 国王の表情。


 少しだけ。


 安心した。


「あと」


「まだあるのか?」


「昨日デートした」


「やはりあるではないか!」


「一時間だけですよー」


「時間の問題ではない!」


「楽しかったです」


 レティシアが。


 横から言った。


「レティシア!」


「事実です」


「父は今、そこを聞いていない!」


「では何を?」


「……」


 国王。


 止まった。


 宰相が。


 そっと目を逸らす。


 情報部長も。


 見なかったことにした。


「アレン君」


「はい」


「君は」


 一国の王ではなく。


 完全に。


 父親の顔。


「娘をどう思っている?」


「いい子ですよー」


「……」


「優しいし」


「うむ」


「案内上手だし」


「うむ」


「一緒にいると楽しい」


「……」


 レティシアの頬が。


 少し赤くなる。


「それから?」


 国王が聞く。


「それから?」


「……いや」


 国王は。


 頭を抱えた。


「もうよい」


「いいの?」


「今は」


 重い声。


「それ以上聞かない方が」


「うん?」


「私の精神に良さそうだ」


 よく分からない。


     ◇


 部屋を出る。


 レティシアも一緒だった。


「アレンさん」


「はい?」


「父上」


「うん」


「驚いていましたね」


「四百歳って言ったからかなー」


「それもあります」


「秘密結社?」


「それもです」


「じゃあ何?」


 レティシアが。


 少し笑う。


「最後の質問です」


「あー」


「私のこと」


「うん」


「一緒にいると楽しいと」


「言いましたね」


「言ったよー」


「……」


「違った?」


「いいえ」


 レティシアは。


 青い髪紐へ触れる。


「嬉しかっただけです」


「ならよかったー」


「はい」


 そして。


 少し歩いてから。


「でも」


「うん?」


「一つだけ」


「何?」


「四百歳を超えていることは」


「うん」


「もっと早く教えてください」


「聞かれなかったから」


「そういう問題ではありません!」


 今日。


 二度目。


 王女に怒られた。


     ◇


 東迎賓宿舎へ戻る。


 扉を開けた瞬間。


「アレン!」


 セレス。


 ラグナ。


 ミコト。


 エルシア。


 ヴィオラ。


 カレン。


 リゼット。


 シズク。


 ノエル。


 クラリス。


 十人。


 全員いる。


「みんな仕事は?」


「今はそれどころではありません!」


 セレスが。


 珍しく大きな声を出した。


「国王との面談!」


「うん」


「何を聞かれました!?」


「昔のこと」


 十人。


 止まる。


「……どこまで?」


 カレンが慎重に尋ねる。


「《ノクス・アーク》」


「……」


「俺が作ったって言った」


「……」


「四百歳ってことも」


「……」


「昔この国助けたことも」


「……」


「あと」


「まだあるのですか?」


 リゼット。


 少し青い。


「レティシアのこと聞かれた」


 十人。


 完全に。


 空気が変わった。


「何と!?」


 ラグナが一歩出る。


「いい子だねって」


「それだけ!?」


「一緒にいると楽しいって」


「……」


 静寂。


「セレス?」


「……」


「何で笑顔で固まってるの?」


「問題ありません」


「ある顔だよー」


「問題」


 ミコトが呟く。


「非常に大」


「何が?」


「競争率」


「何の?」


「言わない方がよいかと」


 シズクが止める。


 また。


 何か。


 俺だけ分かっていない話が始まった。


     ◇


 そして。


 その夜。


 アルヴェイン王国。


 最高機密会議。


 国王は。


 集まった重臣たちへ。


 調査結果を伝えた。


「結論から言う」


 全員が。


 息を飲む。


「アレン・クロフォードは」


 一拍。


「四百年以上前から存在する長命種である」


 ざわめき。


「さらに」


 国王。


 古文書を置く。


「《ノクス・アーク》は」


「はい」


「本人が作った」


 さらに。


 ざわめき。


「目的は」


 宰相が。


 慎重に聞く。


「本人曰く」


 国王は。


 遠い目をした。


「冗談だそうだ」


「……」


「……」


「……」


 重臣たちが。


 一斉に。


 固まる。


「陛下」


「何だ」


「世界史に残る規模の組織を」


「うむ」


「冗談で?」


「私も聞き返した」


「返答は?」


「気づいたら人が増えていた、と」


「……」


 誰も。


 理解できなかった。


「では」


 一人の重臣が。


 恐る恐る。


「《アウローラ》との関係は?」


「本人曰く」


「はい」


「帰ってきたら世界最大企業になっていて」


 国王が。


 疲れ切った声で。


 続ける。


「自分が一番驚いたそうだ」


 会議室。


 完全に。


 静まり返った。


 そして。


 アルヴェイン王国は。


 この日。


 歴史上初めて。


 一人の学院生について。


 国家最高機密指定を行った。


 指定理由。


 ――危険人物だからではない。


 ――敵対勢力だからでもない。


 ただ。


 ――本人が自分の影響力を理解していないため。


 翌朝。


 俺の知らないところで。


 王宮職員全員へ。


 一つの極秘注意事項が。


 追加されることになる。


 ――アレン・クロフォード本人の前で。


 ――《創設者》《首領》《四百年前》という単語を。


 ――絶対に同時に口にしないこと。


 理由。


 ――本人が普通の学院生活を希望しているため。


 そして。


 その通達を見た《アウローラ》最高幹部十人が。


 全員。


 珍しく。


 アルヴェイン王国へ。


 満点評価をつけることになるのだった。


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