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冗談で作った秘密結社が世界最大企業になっていた ~平凡な学生を演じる創設者の俺は、今さら全部作り話だったと言い出せない~  作者: てへろっぱ


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14/23

第14話 十人の美女との密会が新聞に載ったので、世界最大企業が制度ごと作った


 俺が十人の女性と休日を過ごした翌朝。


 学院都市で最も売れている新聞の一面に、俺の顔が載った。


 ――謎の学院生、十人の美女と世界本部で密会。


 ――世界最大企業アウローラと接触か。


 ――少年を取り囲む美女たちの正体とは。


「随分と大げさに書かれたねー」


「どうしてお前は落ち着いていられるんだ!」


 学生寮の食堂。


 トーマが新聞を机へ叩きつけた。


 周囲にいた学生たちが、俺たちの方を見る。


 新聞に掲載された写真には、《アウローラ・グランド》の中央広場で食事をする俺たちが写っていた。


 女性たちは全員、偽装魔法で外見を変えている。


 セレスたちが《アウローラ》の最高幹部だと気づかれる心配はない。


 問題があるとすれば。


「お前だけ、顔を隠してないじゃないか!」


「隠す理由がなかったからねー」


「十人の美女に囲まれている理由はあるのか!?」


「昔からの知り合いだよー」


「それだけで済む人数じゃない!」


 食堂中から、好奇心に満ちた視線が向けられている。


「アレン。記事は本当なのか?」


「十人全員と付き合っているのか?」


「どこの国の貴族令嬢なんだ?」


「一人くらい紹介してくれ!」


 次々に質問が飛んでくる。


「付き合ってないよー」


「では、誰が本命なんだ?」


「本命もいないねー」


「十人もいるのに!?」


「知り合いだからねー」


「俺は昨日、お前の説明を最後まで聞けなかった」


 トーマが椅子へ座り直す。


「今日は逃がさないぞ」


「逃げるつもりはないよー」


「なら、あの十人との関係を説明しろ」


「昔、一緒に暮らしてた子たちだねー」


 食堂が静まり返った。


「一緒に暮らしていた?」


「そうだねー」


「十人全員と?」


「同じ場所にいた時期があるよー」


「幼なじみということか?」


「近いのかなー」


「全員、美人になって戻ってきた幼なじみ?」


「そんな感じだねー」


 トーマが頭を抱えた。


「その説明の方が、新聞記事よりすごいぞ!」


「そうかなー」


「普通の学生に、十人もの美人な幼なじみはいない!」


「みんな長生きだから、幼なじみという呼び方も少し違うかもしれないけどねー」


「長生き?」


「あー」


 少し余計なことを言った。


 セレスたちは、偽装魔法で普通の人間に見える姿になっていた。


 高エルフや竜人、原初精霊だと知られれば、正体を隠した意味がなくなる。


「故郷では、長く付き合いがあるという意味かなー」


「何だ、その紛らわしい言い方は」


「説明が難しくてねー」


「とにかく、恋人ではないんだな?」


「違うよー」


「向こうも、そう思っているのか?」


「……」


「どうして黙る?」


「聞いたら話が長くなりそうだからねー」


「お前、自覚はあるんだな!」


 彼女たちが俺をどう思っているのかは知っている。


 知っているからこそ、毎回はぐらかしていた。


 百年以上前に助けた少女たち。


 俺にとっては今でも、少し目を離せば無茶をする子どもたちに近い。


 本人たちは、その扱いが気に入らないらしい。


「アレン・クロフォード!」


 食堂の入口から、低い声が響いた。


 学院の生活指導を担当する教師が立っている。


「学院長室へ来なさい」


「朝食を食べてからでもいいですかー?」


「今すぐだ!」


「パンを持っていっても?」


「好きにしなさい!」


 怒っているように見える。


 だが、俺がパンを一つ持つまで待ってくれた。


 意外と優しい教師だった。


     ◇


 学院長室には、学院長と生活指導の教師。


 さらに、《アウローラ》の職員を名乗る女性が二人待っていた。


 一人は茶色い髪の人間女性。


 もう一人は黒髪の若い女性。


 外見は変わっている。


 けれど、俺にはすぐに分かった。


 セレスとリゼットだ。


「お呼びでしょうかー」


「アレン・クロフォード学生」


 学院長が新聞を持ち上げる。


「この記事について、説明してもらいたい」


「知り合いと食事をしていましたー」


「学院外で誰と食事をしようが、本来なら学院が口を出すことではない」


「では、帰ってもいいですかー?」


「話は最後まで聞きなさい!」


 学院長が机を叩く。


「問題は、《アウローラ》世界本部の開業直後に、学生である君の記事が大々的に掲載されたことだ!」


「新聞屋さんも忙しいんですねー」


「君には危機感がないのか!?」


「悪いことはしてないですからねー」


「それはそうだが!」


 学院長が言葉に詰まる。


 隣で、セレスが小さく頷いた。


「アレン・クロフォード学生のおっしゃるとおりです」


「アウローラの方?」


「彼は施設を利用していただけの一般客です。非難される理由はありません」


 学院長へ向ける声は、世界最大企業の職員らしく冷静だった。


 俺に向ける視線だけが、少し柔らかい。


「しかし、記事には《アウローラ》との接触を疑う内容もあります」


「誤解です」


 セレスが即答した。


「写真に写っている女性たちは、当社の新施設における接客や設備を確認していた職員です」


「全員、職員なのですか?」


「はい」


 学院長が俺を見る。


「君は、職員十名と一緒に視察していたのか?」


「休日を過ごしてただけなんですけどねー」


 リゼットが小さく咳をした。


「一般利用者の視点から施設を確認する、学生モニター調査です」


「初耳だねー」


「当社内部で、そのように正式決定されました」


「いつ決まったのー?」


「本日の午前四時十二分です」


「記事が出てからだねー」


「何か問題がございますか?」


 リゼットは表情を変えない。


 学院長には聞こえないほど小さな声だった。


「後から作った制度なんだねー」


「事実を制度へ合わせただけです」


「普通は制度に事実を合わせるんじゃないかなー」


「今後は一致します」


 リゼットは分厚い資料を学院長へ渡した。


「《アウローラ・グランド》では、学院都市に存在する教育機関と連携し、学生モニター制度を開始いたします」


「学生モニター制度?」


「はい。学生に施設をご利用いただき、商品価格、接客、設備、案内表示について意見を提出していただきます」


「それは、教育上も有意義かもしれませんな」


 学院長の態度が変わる。


「参加者には職業教育としての単位を認定できる可能性もあります」


「ぜひ、詳しい話を聞かせていただきたい!」


「学院長」


 生活指導教師が、新聞を指さす。


「アレン学生の記事については?」


「学生モニターとして、企業職員と食事をしていただけだ。何も問題はない」


「先ほどまで、説明を求めていたのでは?」


「誤解が解けたのだ」


 学院長は資料を読み始めている。


 切り替えが速かった。


「アレン・クロフォード学生」


 セレスが、よそ行きの声で俺を呼ぶ。


「昨日は、学生モニター調査へご協力いただき、ありがとうございました」


「知らない間に協力してたんですねー」


「貴重な意見を多数いただきました」


「何か言ったかなー」


「一般客が休暇を楽しめる施設であるべき、という重要なご意見を」


「普通に遊んでただけだよー」


「職員が自ら施設を利用し、休息の大切さを再認識する機会にもなりました」


「それならよかったねー」


 セレスの目が、わずかに細くなる。


「はい。私たちにとって、忘れられない一日となりました」


「アウローラの方?」


 学院長が首を傾げる。


「失礼。職員から届いた報告を代読しただけです」


「随分と感情がこもっていましたな」


「優秀な職員たちですので」


 本人なのだが、間違ってはいない。


「新聞社には、当社から訂正情報を提供します」


 リゼットが告げる。


「記事を削除させるのー?」


「必要であれば」


「写真を撮っただけなら、そこまでしなくてもいいんじゃないかなー」


「しかし、アレン様――」


 リゼットが言葉を止める。


「アレンさんの名誉へ関わります」


「付き合ってないって分かれば十分だよー」


「では、記事の削除は求めません」


「いいの?」


「アレンさんが望まれるのであれば」


 学院長には、ごく丁寧な職員に見えているだろう。


 けれど、リゼットの背後では、セレスが新聞を見つめている。


 紙の端が、少しずつ握り潰されていた。


 特に「謎の美女十人」という部分ではなく。


 ――本命は誰か。


 そう書かれた部分が、完全に潰れている。


「セレス」


「今は、その名前の職員ではありません」


「紙が破れそうだよー」


「気のせいです」


 彼女たちが変装すると、気のせいが増えるらしい。


     ◇


 学院長室を出る。


 廊下では、トーマが待っていた。


「処分は?」


「何もないよー」


「本当か?」


「学生モニターだったことになったからねー」


「だったことになった?」


「学生モニターだったみたいだよー」


「どっちなんだ!」


 背後から、セレスとリゼットも出てくる。


 トーマは二人を見ると、目を細めた。


「あれ?」


「どうしたのー?」


「この二人、昨日の十人の中にいなかったか?」


 偽装魔法は昨日と同じ姿だ。


 覚えていて当然だった。


「私どもは《アウローラ》の一般職員です」


 セレスが答える。


「昨日は施設調査を担当していました」


「やっぱり、アウローラの人だったのか」


「はい」


「アレンとは、どこで知り合ったんです?」


「彼の故郷と、当社の古い支援施設に縁がありまして」


 完全な嘘ではない。


 セレスたちと暮らしていた場所は、現在では《アウローラ》最初の支援施設として保存されているらしい。


「十人全員が?」


「はい」


「全員、アレンと昔からの知り合い?」


「はい」


「全員、独身ですか?」


「はい」


 セレスの返答が、少し速くなった。


「全員、アレンを好いているんですか?」


「はい」


「セレス」


 俺が呼ぶ。


「……質問を聞き間違えました」


「即答だったよー」


「職員一同、学生モニターとしてのアレンさんを高く評価している、という意味です」


「そういうことにしておこうかー」


 トーマが俺の肩を掴んだ。


「お前、やっぱり分かってるじゃないか!」


「何がー?」


「十人全員から好かれてることだ!」


「それは知ってるよー」


「知っていて、恋人じゃないのか!?」


「みんな、昔から知ってる子だからねー」


「美女十人を子ども扱いするな!」


「本人たちにも、同じことを言われるねー」


 セレスの笑顔がわずかに引きつる。


「トーマ・ベルク学生」


「はい?」


「アレンさんへ、非常に有益な助言をありがとうございます」


「なぜ、怒っているように見えるんですか?」


「気のせいです」


 セレスは笑顔のままだった。


 ただし。


 廊下の窓に、細いひびが入っていた。


     ◇


 昼休み。


 学院の掲示板に、一枚の大きな告知が貼り出された。


 ――《アウローラ・グランド》学生モニター募集。


 ――学院都市に在籍する学生なら、誰でも応募可能。


 ――施設内の商品、飲食店、娯楽設備を無償または割引価格で利用。


 ――利用後、簡単な感想を提出するだけ。


 ――募集人数、千名。


 掲示板の前には、瞬く間に学生の集団ができた。


「無料で世界料理区画を利用できるのか!?」


「温浴施設も対象だ!」


「劇場の新作公演まで見られるぞ!」


「応募するしかない!」


 昨日まで新聞記事へ興味を向けていた学生たちは、学生モニター制度へ関心を移していった。


「すごい人気だな」


 トーマが募集要項を読む。


「アレン。俺たちも応募しようぜ!」


「トーマは、もう施設で働いてるよねー」


「客として利用するのと、店員として働くのは違うだろ」


「確かにねー」


「昨日、お前が十人と回った場所も、調査対象になってるぞ」


「みんなで買い物をして、食事をしただけなんだけどねー」


「それが調査になるなら、楽な仕事だ!」


 トーマは応募用紙を二枚取った。


「お前は第一号だから、もう登録されてるのか?」


「どうだろうねー」


 掲示板の端に、学生モニターの見本資料が貼られている。


 第一号モニター。


 アレン・クロフォード。


 顔写真つき。


 主な意見。


 ――職員も、施設を利用して休んだ方がいい。


 ――高価な店だけでなく、学生が気軽に使える店も必要。


 ――みんなで食べる食事はおいしい。


 ――買い物は、値段より自分が欲しいものを選んだ方が楽しい。


「こんなに意見を出した覚えはないんだけどねー」


「全部、お前が言いそうなことだな」


「似たことは言ったかもしれないねー」


「やっぱり、正式な調査だったんじゃないか?」


「俺も今知ったよー」


「お前は自分の仕事を、いつも後から知るな」


 最近、そんなことが増えている。


「見ろ、アレン」


 トーマが見本資料の下を指さす。


 ――第一号モニターの意見を受け、《アウローラ・グランド》は学生向け休憩区画を三倍に拡張。


 ――職員の施設利用を推奨する特別休暇制度を導入。


 ――低価格帯店舗の出店枠を拡大。


 ――大人数で利用できる共有席を増設。


「お前の意見で、施設がまた変わってるぞ」


「使いやすくなったなら、いいんじゃないかなー」


「自分の一言が世界最大企業を動かしているんだぞ?」


「大きな会社は、仕事が速いんだねー」


「そういう問題か?」


 俺たちの後ろでは、クラスメイトたちが応募用紙を奪い合っている。


 新聞記事のことを聞く者は、もうほとんどいなかった。


 問題は、無事に解決したらしい。


     ◇


 放課後。


 俺は地下本部の最高幹部会議室へ呼ばれた。


「記事への対応は完了しました」


 セレスが報告する。


「新聞社には事実関係を説明し、明日の紙面へ学生モニター制度の記事を掲載させます」


「圧力はかけてないよねー」


「かけていません」


「新聞社を買収してないよねー」


「……」


「セレス」


「買収手続きは中止しました」


「途中まで進めてたんだねー」


「新聞社の経営状態が悪かったため、純粋な投資として検討しただけです」


「記事が出た直後に?」


「偶然です」


「偶然が多いねー」


 円卓には、問題の新聞が置かれている。


 写真部分だけが丁寧に切り取られ、十枚に複製されていた。


「どうして増えてるのー?」


「記録用です」


 ミコトが答える。


「昨日の休日を撮影した、貴重な写真ですので」


「勝手に撮られた写真だよー」


「私たち全員とアレンが一枚へ収まっています」


「新聞記事では、密会って書かれてるけどねー」


「重要なのは写真です」


 セレスたち五人。


 側近五人。


 全員の前に、一枚ずつ同じ写真が置かれている。


「十枚も必要かなー」


「個人保管用です」


 エルシアが答えた。


「研究資料ではないよねー」


「精神安定効果を研究します」


「枕元へ置くつもりでは?」


 ノエルが尋ねる。


「研究です」


「私も枕元に置きます!」


「研究目的ではありませんね」


「楽しかったことを思い出すためです!」


「それなら正しい使用方法です」


 エルシアも置くつもりらしい。


「ただし、この記事には重大な問題があります」


 ヴィオラが新聞を指さす。


「どこかなー」


「私の立ち位置よ」


 写真の中で、ヴィオラは俺から三席離れた位置に座っている。


「もう少し近い場所へ座るべきだったわ」


「記事の内容じゃないんだねー」


「私はアレンの右隣にいました」


 セレスが満足そうに言う。


「席は偶然決まったはずです」


 リゼットが指摘する。


「自然な流れです」


「会長が、私の椅子を二度移動させました」


「記憶違いです」


「記録があります」


「削除してください」


「情報改竄はできません」


「それはシズクの台詞でしょう!」


 そのシズクは、写真へ小さな印をつけていた。


「何をしてるのー?」


「アレン様との距離を測定しています」


「一番近いのは誰かなー」


 十人が一斉にシズクを見る。


「発表しますか?」


「しなくていいよー」


「してください!」


 俺以外の全員が答えた。


「写真上の最短距離は、セレス様」


 セレスが小さく微笑む。


「ただし」


 シズクが続ける。


「机の下では、ミコト様の尾がアレン様の椅子へ接触しています」


「ミコト!」


「偶然です」


「意図的ですね」


「尾が長いので」


「写真に写らない場所で不正を!」


「禁止されていませんでした」


「次回から規則へ追加します!」


 休日は終わったはずなのに、席を巡る争いだけは終わっていなかった。


「ところで」


 俺は新聞の見出しを見る。


「十人の美女って書かれてるねー」


 会議室が静かになった。


「みんな、美女だと思われたんだねー」


「アレン」


 セレスが慎重に尋ねる。


「あなたも、同じように思われますか?」


「前にも言ったけど、みんなきれいになったと思うよー」


 十人が同時に動きを止めた。


 エルシアの周囲へ雪が降り始める。


 カレンの翼が膨らむ。


 ミコトとシズクの隠していない耳が立つ。


 ラグナは机を握り潰しかけ。


 ヴィオラは扇で顔を隠し。


 ノエルは両手を上げて喜び。


 クラリスは笑顔のまま壁へ指をめり込ませ。


 セレスとリゼットは、新聞の同じ場所を何度も見ていた。


「記事を書いた記者へ、謝礼を支払うべきですね」


 セレスが言う。


「先ほどまで、新聞社を買収しようとしてなかったかなー」


「優秀な記事には、正当な評価が必要です」


「密会って書かれてるよー」


「十人の美女という部分は、極めて正確です」


「そこだけで評価が変わったねー」


「記者を《アウローラ》へ採用するのはどうでしょう」


 ミコトが提案する。


「観察力があります」


「記事にされたくなかったんじゃないのー?」


「アレンから、きれいと言っていただける結果につながりました」


「採用に賛成です!」


 ノエルが手を上げる。


 こうして。


 俺たちの密会を報じた新聞記者は。


 記事を削除されるどころか、後日アウローラから好条件の採用通知を受け取ることになった。


 理由は本人にも知らされなかったらしい。


     ◇


 翌朝。


 学院都市の新聞一面には、新しい見出しが掲載された。


 ――《アウローラ・グランド》、学生モニター千名を募集。


 ――第一号は王立魔法学院のアレン・クロフォード学生。


 ――十名の女性職員と施設を調査し、新制度導入へ貢献。


 昨日までの密会記事は、すっかり企業と学院の連携を伝える美談へ変わっていた。


 学生たちの興味も、俺の女性関係からモニター制度へ移っている。


 これで、平凡な学生生活へ戻れる。


 そう思っていた。


「アレン!」


 朝の教室で、トーマが一枚の用紙を持って駆け寄ってくる。


「学生モニターの次回調査が決まったぞ!」


「もう次があるのー?」


「王立魔法学院の学生百名と、《アウローラ》女性職員百名による合同交流会だ!」


「交流会?」


「施設の改善案を話し合いながら、料理、温浴施設、劇場を一緒に利用するらしい!」


「休日の規模が大きくなっただけじゃないかなー」


「しかも!」


 トーマが用紙の最下部を指さす。


 ――学生側代表、アレン・クロフォード。


 ――職員側代表、昨日の女性職員十名。


「また俺なのー?」


「第一号モニターだから当然だろ!」


「代表をした覚えもないんだけどねー」


「お前は、いつも後から役職を知るな!」


 その頃。


 《アウローラ・グランド》の地下本部では。


 学生百名を招いた交流会で、どうすれば不自然にならずアレンの隣席を確保できるか。


 最高幹部五人と側近五人による、次の会議が始まっていた。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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