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97. 異変の後

 その時、ひばりは夢を見ていた。


 それは幼き日の記憶。あれはいつ頃だろう? よく覚えていないが、それは暖かな太陽の日差しの気持ちいい、あの頃のいつもの日常の一コマだった。


 塗装の禿げたでっかいピンクのタコの遊具が印象的な近所の公園で、小さいプル、ミア、ルーシー、そしてひばりの4人で5色の魔法少女ごっこをしている。


 ――ふふっ……あの頃から相変わらず、プルは赤、ミアは青、ルーシーは緑、そして私は黄色……えっ!? 黄色!? なんで私が黄色なの? 私が桃色以外の魔法少女をやるなんてありえないんだけど……


 ……あっ! そっか! 思い出した。あれは確か……私が小学3年生くらいの頃だっけ? つかさが地元のバスケのチームに入ることになって、それから、段々とつかさが私達と遊びに来れなくなってきて……それでつかさが来れない時に、5色の魔法少女が4人だと、なんだか締まらない感じだったんで、私が桃色の魔法少女の他に黄色の魔法少女も兼任するようになったんだ。……そっか。私、黄色の魔法少女だったことがあったんだ。つかさが私達の初代の黄色の魔法少女だから、そうすると、私は二代目の黄色の魔法少女になるんかな?


 あの頃、つかさバスケが忙しかったのに、無理して私達の方にも来てくれてたんだよな。でも、その時につかさにバスケのことを聞いたら、あいつ、いつもすごくうれしそうにバスケの話してたな。この前は先生に褒められたとか、チームに入ってすぐなのに、もう試合に出してもらったとか……つかさは背も高いし、運動神経もよかったから、チームの方からも相当期待されてるんだろうな。


 ――そうだ。それでその時、私言ってやったんだ。


「つかささ。バスケすんのがそんなに楽しくて仕方ないんだったら、無理して私達んとこに来なくていいよ。その代わり、今はバスケの方一生懸命がんばりなよ。私達もつかさのバスケのこと、一生懸命応援するから。それでつかさがバスケをやりきった、もうバスケはいいやってなったら、その時は、お願いだから絶対に私達のとこに戻ってきてよ。それまで私達待ってるからさ。」


 あの時、私、プル達になんの相談もしないで、勢いで勝手に言っちゃったけど……でも、プル達も私の意見に賛成してくれて……つかさも最初はいいって遠慮してたけど、最後はうん、バスケがんばるって言ってくれて……そういやつかさ。高校生になった今もバスケに夢中で、見た感じ、まだまだぜんぜんやり切ったって感じないなあ。私達の方も、約束通り今でも5色の魔法少女ごっこを続けてるんだけど……つかさ、いつか私達のとこに戻ってきてくれるんかな?


 そうそう。それでつかさが私達のとこに来なくなっちゃって、それからしばらくの間、私が桃色の他に黄色の魔法少女も兼務してたんだった。でも、それもだんだん面倒くさくなって、それで黄色抜きの4色の魔法少女で遊ぶようになったんだ。でも、今はそれが私達4人にとっては自然だけどね。


 それにしても小さい頃の私……桃色の魔法少女と黄色の魔法少女、器用に2役をこなしてるな。もちろん、ベースは桃色の魔法少女のコスチュームなんだけど、場面に応じてママの黄色いスカーフを巻いたりなんかして、うまく2色の魔法少女を使いこなしてるな。ほんと、できるならあの頃の自分をほめてあげたい気分だよ。

ご読了ありがとうございました。続きが気になった方は、

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