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君のいない日々はきっとつまらない  作者: 久遠知
ぶつかる壁

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70/71

Episode 68 決着

(内田side)

 やっぱりな…。森田、しびれを切らしたら負けなんだよソフトテニスは。苦しくても耐えて、来るかどうか分からないチャンスボールを待ち続ける。お前はどうも攻め急ぐ。周りが見えてないんだよ。

 気が利くヤツってのは、周りのことをよく見てる。白城がそうだ、アイツは常に身の回りのものに気を配り、何をすればいいのか考えている。まあ、それをテニスに活かすことはできてないが…

 それに比べて森田(おまえ)は、俺の言うコトの反抗する。まあ反抗すること自体は悪くない。だがな、周りの人間への影響を考えれば、不満を態度やプレーには出せないハズなんだよ。今のお前に一番手は任せられない…。


 試合は運命の第6ゲーム。早瀬・森田ペアに勢いはなかった。前のゲームで二人の間に亀裂が入った。「信用できない」、そう思ってしまえばお終いだ。森田のプレーは雑になっていく。

 勝負を諦めた、そんな風に思えるプレーだった。考えずに初球からボレーしに行く。そこに駆け引きなんてものはない。長瀬は落ち着いて森田の先を通す。だが、早瀬が無理に攻めサイドアウトになってしまう。

 それからはあっという間だった。すぐに試合は終わった。長瀬・上原ペアが一番手だ。


「長瀬さん、すごかったです!」


「白城、お前練習に集中しろよ…まっ、ありがとな」


「すみません…」


「白城君は長瀬君を応援してたの?」


「どっちも応援してましたよ?久井さんはどうなんですか」


「私は亮(りょう)に勝ってほしかったなぁ」


「亮…?」


「あっ、森田君のことね。下の名前亮って言うの」


「そうなんですか…」(どうして下の名前で呼ぶんだ?)


「だいぶ落ち込んでるっぽいしなぁ、ちょっと行ってくる」


「あ、はい」




「亮、落ち込むことないよ…」


「依茉かよ…今は一人にしてくれ」


「私が話聞いてあげよっか?」


「いいから…」


「えーなんで…」




 えっ、なに…二人付き合ってるの?だよな、そうじゃないと下の名前で呼び合わないよな…いつから?俺、今まで知らなかったんだけど、え?なんで、は?、いや、えっ、え…


「ドンマイ、知」


「えっ、あ、雄星…」


「いい加減諦めたら?」


「いや、まだそうと決まったワケじゃ…」


「何?あの感じは付き合ってるでしょ」


「えっ、どうした雄星…」


「思い切って動くことのできない知(さとる)じゃ、無理でしょ」


(…!!)


「こ(・)れ(・)で(・)テ(・)ニ(・)ス(・)に(・)集(・)中(・)で(・)き(・)る(・)ね(・)」雄星はそう言って笑った。目の奥は笑ってなかった。まるで俺のコトを蔑むかのように。でも今の俺はそれに反応する気力はなかった。


 心にポッカリ、大きな穴が開いた。そして気付いた、世界はほとんど色味がないのだと。






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