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君のいない日々はきっとつまらない  作者: 久遠知
ぶつかる壁

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66/70

Episode64 残念

「今の試合、何も出来なくてごめんな…」


「僕もごめん。森田さんにカモられちゃった…」


「上達したと思ってたんだが、現実見せられちゃったな」


「うん…」


「白城君、元気出して?」


「久井さん…」


「あーあー、なんだかおなかいたくなってきたなあ(棒)」


(雄星、コイツ…)


「大丈夫?小川君」


「だいじょばないですよお(棒)」


 雄星はトイレとは全く関係のない方向に走っていった。


「トイレの方向、違うよね…?」


「いいんですよ、雄星も思うことがあるんだと思います」


「そっか…あんまり落ち込まないで!」


「ありがとうございます」


「昨日はありがとね…」


「いえいえ…」


「白城君は本当にい(・)い(・)人(・)だよ」


「そうですかね…」


「そうだよ。次も頑張ってね!」


「次は勝ちます」


「うん!」そう言って柿田さんと練習に戻っていった。


(い(・)い(・)人(・)か…少しは変わったんだな)




 男子のレギュラー総当たり戦は2試合目になった。まずは長瀬・上原vs小川・白城。これは語るまでもなくストレート負け。上原さんのダブルフォルトがなければ危うくパーフェクトゲームをされるところだった。

 一方の早瀬・森田vs倉田・宮川の試合は…ストレートで幸汰たちの圧勝だった。これで2勝が長瀬・上原ペアと早瀬・森田ペア。そして2敗が倉田・宮川ペアと俺たち…

 3試合目は1番手を懸けた試合と、3番手を懸けた試合。まずは俺たちの試合をする。軽く体を動かしてコートに向かった。


「よろしくお願いします」


 トスの結果俺たちはサーブを取った。負ければ春季の団体戦には多分出れない。ずっとベンチを温めるだけだ。絶対に負けたくない…負けられねぇんだよ。


「知、この試合さえ勝てば良いんだ。ミスはなくそう」


「そうだな…」


「どうした、知。元気ないね」


「緊張してんだよ…」


「そうだね…」


「負けたら春季の団体には出れねぇ」


「負けないよ、勝つ」


「おう」


 俺らはいつもの位置に行き、1分間乱打をした。そして審判のレディがかかる。


「7ゲームマッチ、プレイボール!」


 雄星の1stサーブはサイドぎりぎりに決まる。



(どうするよ倉田さん…あなただって負けられない。だったら1本目はストレートを抜きにくる…!!!)


 俺は勘でストレートを守りに動く。倉田さんは俺の動きを見ても焦ることなく俺の頭を越すロブを打った。俺は即座に左ストレート展開に持っていく。雄星は回り込んでフォアで真っすぐ打ち抜く。スピードは十分あった。しかし宮川さんがそのボールを待っていた。「パァーン」と気持ちのいい音で完璧なボレーを決められた。

 つづくポイントは、雄星のロブが風に乗りわずかにアウトになりまたもや失点。

 こうなれば俺のサーブで挽回するしかねぇ…俺はいつもよりスピードを意識した。そんな1stサーブは入らず、俺は2ndのトスをあげた。しかし風でボールが前に流され、なんとかラケットで触ったが力なくネットに引っかかってしまった。

 嫌な流れで0-3ダウンになってしまった。次のポイントは俺の2ndサーブを宮川さんが完璧なツイストを取れない所に落とした。

 こうしてあっという間に俺らは1ゲームを落としてしまった。


「はぁ…何やってるんだ、小川と白城は…昨日とは別人じゃねぇか」


「昨日は良さそうに見えましたけど…」


「長瀬…3番手まで結局変わらなさそうだな」


「まだ1ゲーム目ですよ、内田さん。」


「小川はまだマシなんだがな…白城が良くない」


「経験が足りませんからね」


「まだ秦の方が良かったかもな…」


「はい…」

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