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君のいない日々はきっとつまらない  作者: 久遠知
ぶつかる壁

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65/70

Episode 63 最悪

「本当にすいませんでした」


「ごめんな久井。お前の気持ちを考えなかった俺が悪い」


「いえ、内田さんのおかげでこんなに強くなれました」


「しかしな…本当にすまなかった。言いづらいだろうけどちゃんと思ってることは俺に言ってくれよ?」


「はい」


 他人事のようにこの状況を見ていた。周りも何があったのか知りたそうに騒いでいるが、聞く雰囲気にはなっていない。柿田さんも一安心といった感じだろうか、さっきから泣いている。


「ごめんね依茉(えま)」


「私こそ勝手にごめんね?」


「ちゃんと言ってくれれば良かったのに…」また泣き始めた。


「私、由衣のために頑張るから」


「わたしもがんばるよぉぉ~」涙の勢いが増す。


(しかし、柿田さんよく泣くな…とにかく久井さんが戻ってきてくれて良かった…)




「みんな、春季大会まで残すところ1ヶ月だ。レギュラーも決まったことだし、今日から本格的に春季大会に向けて動き出そうと思う。まずは、1、2、3番手まで決めたいと思う。男子のレギュラー4ペアは試合の準備をしてくれ」


「今回こそは…」幸汰がボソボソと言ってる。


「幸汰、気合入ってんな…」


「そうだね。僕たちも絶対3番手以内には入ろう」


「任せとけ雄星」


「頼んだよ知」


「おう」




「早瀬、お前昨日みたいにしょうもないミスするなよ?」


「はい…森田さん今日もお願いします」


「ったく…今日もミスったらタダじゃおかないからな?」


「わかりました…」


 一試合目は長瀬・上原vs倉田・宮川。この試合は長瀬さんのストロークが光った。宮川さんがボレーしようとしても力で負けてしまう。倉田さんは丁寧にコースを突くのだが、上原さんが際どいボールを先読みして動き難なく止める。ストレートで長瀬・上原が勝利した。


 二試合目は早瀬・森田vs小川・白城。いよいよ俺の試合ってわけ。


「僕たちのプレーをすれば絶対に勝てるよ知」


「サーブレシーブミスをなくしていこう」


 そう気合を入れて試合に臨んだ。だけど敵わなかった。雄星も俺もミスをしているわけじゃない。緊張で体が動かないわけじゃない。ただ圧倒的な実力差があっただけだ。

 雄星も良い所に打ち込む。だけど雄星がどこに打つのか分かっているかのように、打った先に森田さんがいる。雄星のシュートボールでさえ涼しい顔して「大した事ない」といった感じで止める。

 俺も幸汰のボールを読み切ってボレーをする。だけど少し甘くなると、すぐフォローされて立て直してくる。ボレーで点を取るために少し早めに動き出す。でもそうすると幸汰が俺の動きを見て俺を抜いてくる。

 何もできないままストレートで負けてしまった。雄星も俺もあまりのボロ負けに頭が真っ白になる。


「ありがとうございました…」


「早瀬…お前あんなヤツら相手に手こずんなよ。前衛が大したことないんだからもっと抜けよ」


「いやでも…」


「勝てば良いんだよ、そうだろ?」


「長瀬さんに勝つためにいろいろ試したかったんで…」


「俺に任しとけって。長瀬の癖はよく分かってんだからよ…」


「でもまずは次の倉田さんたちに勝たないと」


「倉田…?大した事ねぇよアイツなんか。早瀬、ミスすんじゃねぇぞ?」


「はい」


(森田side)

 (内田(じじい)はなんでペアを崩したんだ?いくらなんでも4番手弱すぎるだろ)


「亮(りょう)、調子良さそうだね」


「依茉(えま)…もう大丈夫なのか?心配したんだぞ」


「ありがとね。大丈夫だよ、じゃあ」


(なんだよつれねぇな…ん?)


「白城君、元気出して…」


(アイツ…まさか白城のこと…白城(あんなヤツ)のどこが良いんだか。まっ現実見せてやったしいいか。白城(あんなヤツ)なんて気にするまでもねぇよ)



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