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君のいない日々はきっとつまらない  作者: 久遠知
冬の日々
49/50

Episode48 運命の土曜日

 「なんで…」そう言った途端に高木の目から涙がこぼれた。

 俺は高木が高木の気持ちが落ち着くのを待った。そして気持ちが落ち着いた後、全部事情を話してもらった。


「で、どうするの?部活辞めるの?」


「辞めるのは一旦白紙に戻すけど、1週間ぐらいは部活休もうかな。」


「そっか、分かった。誰にも言わないから安心して。」


「白城、ありがとな。」


「宿題ちゃんとやれよ?」


「おう、任せとけ。」


 もう高木の表情と声は明るかった。きっと大丈夫。また楽しそうにソフトテニスが出来ればいいな。


_____________________________________


 日付は飛んで待望の土曜日になった。今日の校内戦の結果次第で春季大会にレギュラーとして出場できるかが決まる。

 当然のことながら校内戦を直前にして、俺はとても緊張していた。でも緊張よりも嬉しさが勝った。それは今日は久井さんの復帰日だからである!

 内田さんの前にみんな整列している。俺の斜め前には久井さんの後ろ姿がある。マスクをしている久井さんを見るのは初めてだ。内田さんの話を聞いているのだが、どうしても目線が久井さんの方へ行ってしまう。そんな時内田さんが思いがけないことを口にした。


「今日な、いつものペアを少し崩してみようと思う。」


 みんながざわつき始める。なぜなら俺たちは今まで一回もペアを変えず、約7か月の間ずっと同じペアでやって来た。それを変えるというのである。誰しもが「なぜ今更になって変えるのか?」という疑問も抱いていた。


「正直、今のペアのままではチーム全体の成長が見込めないと思ってな。景色を変えようと思う。」


(高木が不在で男子はちょうど14人。俺は一体誰と組まされるんだ?)俺は自分の名前が呼ばれるのを待った。


「1番、長瀬・上原。2番、早瀬・森田。3番、倉田・宮川。」


(かなり変えてきたな…じゃあ雄星と秦は誰と組むんだろうか?)


「4番、小川・白城。」


(!!え?は?ドウイウコト?)


「5番、猪野・秦。6番、木場こば・矢野。7番、大木・きし。これで行こうと思う。」


 意外な展開であった。まさか俺がレギュラー候補の雄星とペアだなんて。これでレギュラーになれる確率がメチャクチャ上がった。嬉しいと同時に「足手まといにならないかな?」と不安になる。

 またこの展開を快く思わないやつもいる。秦である。秦は内田さんの話が終わるとすぐに、1人で内田さんに抗議しに行った。そりゃあそうだ、4番手は小川・秦だった。小川という強力な後衛を俺に奪われたのだ。

 しかし秦の意見を内田さんは聞こうともしない。秦が話し終えてから「勝てばいいだろ、小川・白城に。そうすればまたレギュラーになれる。」とだけ言って秦を突き返した。

 こうして今回の校内戦は小川・白城ペアが確定したのだった。雄星とペアを組むのは中高合わせて初めてだ。幼馴染とペアを組むのはなんだか感じるものがある。


「知、よろしくね。絶対勝とう。」


「おう。勝とうぜ。絶対レギュラーになろう。」


 すぐに校内戦に向けて各ペアでアップを始めた。運命の校内戦が幕を開けたのであった。


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