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魔獣災害――前世の記憶を持つ俺が日本を救うまで 双世界の守り手  作者: 玄呂 恭真
1章

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5話 襲撃

要石が爆はぜるように光った。その瞬間、俺達は急いで車へと向かっていた。

なにか触れてはいけないものに触れた気がして怖かったからだ。そして何より先程まで見えていなかった2人が見えるようになったことに驚きだ。急いで車に乗りとすぐさまこの場から離れるため全速力で車を走らせた。

しばらく車を走らせると市内にでた。周りでは賑やかな普段の風景が流れていく。


「何だあの光は!?遥人はあれが見えていたのか?」


息が上がっている悠太が聞いてきた。


「そうだよっていってもあんなに眩しくなかったけどね。近づいたら急に眩しくなったんだよ」

「一体何だったんだろうね、あれは....」


沙耶が言うその時だった。急にスマホから緊急地震速報がなりはじめた。

全員が同じタイミングでスマホを見た。震源地は—まさにここの地域だ。急いで車を止める。昨日と全く同じタイミングなのはなにか関係があるのか。ついつい考えていると地下から突き上げるような揺れが起こった。三人とも車に捕まり地震が収まるのを待つ。揺れが収まると車を走らせた。


「これからどうする?」

「どうするもこうするも家に帰るよ。今日昨日でここまで大きい地震が起きることは大地震が起きる可能性が高い」


俺は考えを整理しながら沙耶に今後を説明する。三人とも理解したのか沈黙が訪れる。

【キィエエエエ!!】

月明かりを遮る巨大な影が空を横切った。周りを見渡すと通行人は全員空を見上げ絶望的な表情をしている。次の瞬間、また耳をつんざくような咆哮が夜の街を引き裂いた。思わず窓越しに空を見上げると上空に巨大な羽をもつ生物が飛んでいた。短い人生だけれどもあんな生物は見たことない。まるでアニメに出てくる飛竜のような見た目だ。


「一体どういうことだ!?!?!」

「あんな生物見たことない!早く逃げなきゃ遥人急いで!」

「わかってるよ!いま全力でアクセル踏んでいるってば」


悠太、沙耶、俺が大声で話す。自分を含め全員焦っているのがわかった。額に汗が滲む。背中には冷たい恐怖が走った。自分でも冷静さを欠いてるのがわかる。まるで捕食者から逃げる小型動物のような気分だ。しかし、上空では一体では終わらなかった。

二体、三体――。

神社の方向から、次々と飛竜の影が現れていた。

そのうちの一体がこちらへと向かってくる。アクセルは全開でもう逃げ場などなかった。建物と建物の隙間をすり抜け飛竜はこちらに向かって鋭い爪を向けてきた。


「うわぁーなんだ!?浮いた?」

「車が浮いてる?!?!?」

「ちゃんと車に捕まれ!!!」


飛竜の鋭い爪で車の屋根を掴まれて浮いていた。次の瞬間、世界が回転した。

車体が宙を舞い、ガラスが砕け散る。激突音と共に車は建物の壁へ叩きつけられた。車は屋根が外れ俺達は剥き出しになった。投げ飛ばされた衝撃で気を失った。


***


どれくらい気絶していただろうか。砂埃が立ち込める中、目を覚ました俺は自身の状態を確認する。頭から血を流し腕にはかすり傷がちらほら。しかしシートベルトをして受け身が取れたため命の別状はなさそうだ。隣と後ろを見ると沙耶と悠太は気絶はしていたが目立つ外傷はない。不幸中の幸いだ。


「おい、大丈夫か?」


二人に声を掛けるも反応はない。しかし息はしているのでただ気絶しているようだ。少し安心した。しかし安堵しているのもつかの間後ろからドスンと重い音がした。

音が下方向を見ると飛竜がこちらへ歩いてきた。表面には厚いゴツゴツとした鱗があり、目はまるで獲物を見つけた捕食者のようだ。いや、その目を見た瞬間、理解した。——こいつは俺達を獲物だと思っている。それを本能で理解した俺は急いでシートベルトを外し車から降りる。

ここで二人を食べられるわけにはいかないので俺が囮になると瞬時に決断した。


「二人とも.....生き延びろよ」


まるで最後の言葉のように小さく二人へ告げる。


「ここからは俺が相手だ!こい!!」


飛竜に向かって大きな声で言い放つ。しかし飛竜は俺に興味なさそうに片足で俺を吹き飛ばす。吹き飛ばされた俺は向かいにある建物に叩きつけられ気を失いそうになる。


「また、守れないのか俺は」


意識が遠のく前に無意識に言葉が出た。


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