表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔獣災害――前世の記憶を持つ俺が日本を救うまで 双世界の守り手  作者: 玄呂 恭真
1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
30/31

28話 帰宅

「以上が政府からの説明です。これより質疑応答に移ります。」


山田官房長官がそう言うと、会場はざわついた。


「では前から順に当てていきますのでお待ちください」


脇に立っていた司会が言った。

司会は最前列で手を挙げた記者から当てていった。


「夕日新聞の青木です。未確認生物とは具体的に何ですか」

「お手元の資料にある通り、今回確認されたのは三種です。飛翔生物の「ワイバーン」、狼のような生物「フォレストウルフ」、そしてその上位種とみられる「エルダーウルフ」です。政府としては、これらの未確認生物を「魔獣」と呼称することにしました。」


山田官房長官が淡々と答えていく。記者はパソコンで必死に書いていた。


「では次の方」

「NNKの石川です。魔獣はどこから現れたのでしょうか。また、一週間ほど前にも同じ場所で未確認生物が出現したとの報道がありましたが、なぜ今回公表に至ったのか、お聞かせください」

「発生源は要守神宮周辺、特に要石付近との関連が疑われていますが、詳細は調査中です。一週間前の事案については、当時は情報が限定的で、混乱を避けるため公表を控えていました。しかし今回、同様の事案が再発し、被害が甚大であることから、国民の安全確保と今後の対策のため、公表が必要だと判断しました。」


次の記者に移る。


「読切新聞です。今回魔獣対策基本法とありますが具体的にどのようなものなのかお聞かせください」

「魔獣対策基本法は、今回のような未確認生物、いわゆる魔獣による災害に対し、国として迅速かつ総合的に対応するための基本的な枠組みを定めるものです。具体的には、魔獣の出現時における避難指示、警戒区域の設定、自衛隊・警察・消防・自治体の連携、被害者支援、死骸の回収および調査、再発防止のための研究体制などを盛り込むことを想定しています。また、国民の安全を最優先に、必要な情報提供と避難体制の整備を進めるための法律として、来週にも国会へ提出する予定です。」


***


「会見がそろそろ始まった頃かな」


俺は一日ぶりに家へ帰るところだった。今は川村さんが車で送ってくれている。服は自衛隊から用意してもらった替えの私服に着替えていた。昨日着ていた服は戦闘でボロボロになってしまったため、処分してもらった。母さんには今日帰ることだけ伝えてあるが、政府に協力する件は話さない方がいいだろう。天城総理にも非公表にしてもらっているし、余計な心配はかけたくない。


「そういえば遥人さん、総理からこれを預かっています」


川村さんが停車中に話しかけてきた。渡されたのはスマホだった。


「これは?」

「それは緊急用の電話です。何かあった際にいち早く連絡できるように常に携帯しておいてください。それと連絡先に私と総理の電話番号が入っているので何かあれば電話してください。安全管理上、二台持ちになりますがご了承ください。」


見た目は普通のスマホだが、中には最低限のアプリしか入っておらず、殺風景なホーム画面だった


「ありがとうございます」

「いいえ、仕事ですから。そろそろ到着しますので準備をお願いします」

「わかりました」


車を降りると、川村さんに礼を言って見送った。

家の門をくぐるとなんだか久しぶりに家に戻ってきたのだと実感した。

急激に疲労感が襲ってくる。


「この二日間は本当に濃かったな。疲れた」


玄関を開ける。


「ただいまー」

「おっかえりー」


高い声が聞こえた。お母さんではないような。誰だろう?そう思っていると廊下の扉を開け歩いてきたのは沙耶だった。


「え、なんでいるの?」

「遊びに来たら遥人いなかったし、もうすぐ帰ってくるって聞いていたから待っていた。それに遥人、携帯つながらないし」


ポケットにしまっていた自分のスマホを取り出す。そこには沙耶から数十件のメッセージが残っていた。

やることが多くて気づかなかったな。

そう思っていると、沙耶に手をつかまれ、リビングへと引っ張られた。


「ちょ、ちょっと沙耶、引っ張るなよ」

「そろそろお昼ごはんできるっておばさんが言っていたから行こ!」


いつもなら文句を言うところだけど、たまにはいいか。

俺は沙耶に手を引かれながらリビングへ向かった。

さっきまで日本の未来について総理と話していたとは思えないほど、そこにはいつもの日常があった。

だからこそ、この何気ない日々を守らなければならない。

俺は改めて、そう強く心に誓った。


これで第一章は終わりになります。いつも読んでいただきありがとうございます。

これからも頑張りますので是非読んでください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ