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魔獣災害――前世の記憶を持つ俺が日本を救うまで 双世界の守り手  作者: 玄呂 恭真
1章

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11話 覚悟

俺は車の中へ乗った。


「それでお話とは何ですか?」


車が走り出すと川村さんは話し出す。


「まずはこちらの映像を見ていただきたい」


川村さんが手に持っているタブレットを差し出す。そこには数日前に俺がワイバーンと戦った映像が流れていた。


「こちらはあなたに間違いがないですよね?」


すべてを分かったような話し方を聞いて俺はごまかせないことを感じた。この数日政府はこれがわかっているからこそ発表を拒んだことを理解した。


「さすがにここまで来てごまかせないですよね?」

「そうですね、こちらも調べているので」

「では、率直に聞きます。何が望みですか?」


俺はあきらめ、素直に政府が何を考えているのか聞くことが先決と判断する。

川村さんは少し困った顔をしながら答える。


「それは私にもわかりません、それは総理が決めることなので。」

「なるほど、これは総理官邸に向かっているってことであっていますか?」

「はい、そうです」


だんだんと流れがわかってきた。今の状況から整理するに政府は魔獣が出現し、また魔法を使う人が現れ焦っているように見える。これをどう扱えばいいのか見たいのだろうな。

さてこれからどうするか、もうごまかせないしもしかしたら研究対象になるのもあり得るな。

そう考えていると川村さんは少し困った顔でこちらに言ってくる。


「そうかしこまらないでください、総理は悪いようには扱わないと言っていたので」

「顔に出ていましたか?」

「はい、すこし難しい顔をしていたので」


小さく苦笑される。どうやら気づかぬ間に自分は考え込んでいたらしい。

しかし、その言葉は信用する気になれなかった。

俺は車から外の景色を見る。どうやらこれから高速道路に乗るようだ。

流れていく街を見ながら自分はこれからどうするか、またこの平和の世界になぜ魔獣があらわれたのか今一度情報を整理し始めた。


もう、元の生活には戻れないかもしれない。


車は静かに都心へと向かっていった。


***


車に乗ってから約40分が過ぎた。


「着きました」


ずっと窓の外を見ていた俺は見慣れない建物へと車が入っていくのを見ていた。しかし見た限りここはテレビで見るような首相官邸の場所ではなかった。


「ここは総理官邸の裏門です。これは非公式の会談なのでご了承ください」


やはり政府としても表立って言えないのだろう。なんせ未知の領域、魔法なのだから。

もっとも信じられないほうが大きいだろうが。

俺と川村さんは小さなロータリーに車が停車したので車から降りた。


「こちらへご案内します」


川村さんは軽く手で促し入口へと案内する。入口に入ると目の前の光景に感嘆した。

床には昭和モダンを感じさせる赤いじゅうたんが敷いてあり、壁は年季が入っていてもきれいなコンクリート、昔を思い出させるガラスの照明が廊下の奥まで続いていた。

川村さんに案内されて二階の扉の前で立ち止まった。そこには大会議室と書いてあった。

川村さんが扉を開け中に入ると机が長方形の形をし、それを向かい合うように20個ほどの椅子が並んでいた。よくテレビで見る部屋だ。川村さんは手前側の真ん中の椅子を引いた。


「この部屋でお待ちください、もう少しで総理が来ます」


首を縦に振りその椅子に座ると会釈をし、部屋から出て行った。

さてどうするか、おそらくは先週の事件について話を聞くのだろう。どう対応してくるのか、もしあちらに敵意があればどうすればいいのだろうか、首相がくるまで考えていた。



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