キスしてから友達スタートっていうのもたまにはいいよね、たまには
「や、や、やめ、やめ」
あれれ、さらに事態は悪化してない?
なんか異常に怖がってるし、俺のことをぺちぺち叩いてくるんですけど。
まぁ、力も入ってないし、好意の表れかもしれないけど、あんまりオラオラの強引で行くのも考え物だな。
窮鼠猫を噛むって言う言葉もあるし、あんまり追い詰めると何されるか分からないからな。
もしここで、『このホモ野郎』なんて叫ばれたら、襲ってたのが完全にばれる。
だって、玲於奈の容姿から考えると、俺が100%容疑者になってしまうだろうし。
「ごめん。
なんか強引な感じになっちゃったね・・・。
本当にゴメン。
俺はただ君の事知りたかっただけで・・・。
てか、俺と友達になってくれない?」
ここはちゃんと謝っておこう。
とりあえずガードが固いのは分かったし、それに友達からなら発展する可能性もあるはずだ。
っていうか、健全な彼女ってこんなもんなんだろうな。
こいつになら即セックスとかそんな贅沢はいらない。
とりあえず、一緒にいてキスとか出来ればいいや。
おし、男の土下座を見せてやる。
「本当に、もう変なことしないから・・・。
何か俺、お前に惚れたっぽいし・・・。
俺、ナンパしてても色恋使わない奴だから、これはマジで惚れたんだってば。
本当にゴメン!」
俺はプライド高いから土下座までして何かを頼むのはこれが初めてだった。
ちゃんと、本気で好きだってことも伝えておかないといけないよな。
俺はナンパで『好きだ』って言う事はない。
名前は嘘を教えたりするけど、『好きだ』って言葉を使うとめんどくさい事が多いから。
それに変なこともなるべくしないってことも。
さぁ、届け、俺の思い!
「友達だったらいいけど・・・」
相変わらず下を向いたままだったけれど、玲於奈は俺のことを許してくれた。
友達ってのは、健全な関係ってことだろ?
まぁ、当面はキスぐらいまででも十分です。
一ヶ月で20人ぐらいだったナンパのノルマも、電話するだけで金と体を差し出してくれる女の子のメモリーも速攻削除します。
それぐらいの価値はあると思う。
逆に男でこんなに可愛いほうがレアだし、付き合ってみても面白いんじゃないか。
「まじで?
ありがとう!
俺、今、すげぇ嬉しい。
やったぞ、俺!」
俺はそう言って、宙に拳を突き上げる。
俺は自分の勝利を確信した。
多分、玲於奈も俺のことが嫌いじゃないんだ、ってか、好きなはず、好きに決まってる。
まずはこの流れをどういう風に持っていくかだ。
俺好みにするために服を買ってあげようかな。
勿論、男物でいいんだ、女装とかしてなくたって十分燃える。
やっぱりかっこいい服とか着てて欲しいからな。
俺の玲於奈にふさわしい格好をしてほしいし、後は色々玲於奈のためにすることがあるはず。
俺って結構尽くすタイプだったのかもな・・・、今まで散々尽くしてもらうことばっかりだったけど。
「んじゃ、行こうか?れおなちゃん。
今から、とりあえずミッドウエストでビッケンバーグの靴を見て、それからカフェでお茶して・・・」
そうと決めたら善は急げ、早くデートプランを考えないと。
靴はバニスターでもクローンでもいいんだけど、ビッケンの靴で5cmばかり上げ底にしてみよう。
あ、タイシノブクニもありだな。
それにしても、玲於奈は上の空で、ぽか~んとしている。
俺がこんなに尽くす宣言してんるんだから、もうちょっと喜んでくれてもいいのに。
おいおい、そんなに隙だらけにしていると襲っちゃうんだが。
「ん?返事は」
俺は玲於奈の細い首筋に息を吹きかける。
「ひゃあ」
と、声をかけて仰け反る玲於奈。
いやぁ、可愛い可愛い。
俺はその反応に心を弾ませる。
でも、一瞬だけ玲於奈の眉毛がぴくっと動くのが確認できた。
ひょっとしたら結構外でいちゃつかれるのが苦手なのかもしれない。
でも、そんなことはお構いなし。
そういう訳で今度は玲於奈の腰に手を回す。
制服を結構ぶかぶかに着ているから分からなかったけど、抱き心地の良さを確信する。
「まだ返事無いけど?」
こうやって男をからかうのって面白いもんだな。
顔を真っ赤にしたりして可愛すぎ。
俺の心臓は初めて経験するときめきで結構高鳴っているのに、玲於奈は何故だか俺から数メートル離れてしまう。
ちょっとやり過ぎたのかもしれないな。
「てか、俺って、全然可愛いとかそういう部類の人間じゃないんで。
普段はもっとガサツだし、普通の男なんだが。
女も好きだし」
あ、なんだそんなことか。
余裕でオッケーでしょ。
てか俺も女は好きだし、女の経験なら俺の方が上だろうから玲於奈が女が好きなのは問題ない。
要は俺だけを好きになればいいのだ。
性格がガサツだろうが、何だろうが、俺の好みに躾ければいいんだ。
それに自分が一から開発できるし、あぁ、やべぇ、興奮してきた。




