まぁ、二人きりになれたんだし、することはするよね?
「んじゃ、お茶でもしよっか?」
俺はそう言って、その子を誘導するように半歩先を歩く。
これも重要なテクニック。
まさか男相手に使うとは思ってなかったけど。
さぁてどこに連れて行くかな。
お洒落さん御用達の和み系のカフェでもいいけど、男同士でソファに隣りあって話すってのも微妙だよな。
俺は全然いいけど、この人はまだ緊張してるみたいだし。
やっぱ、個室で話したい・・・。
と、なると行き先は決まってる。
俺様御用達の漫画喫茶、デラックスなカップルシートがあるお店。
「てか、あの、なんで漫画喫茶なんですか?」
まぁ、そこは突っ込んでくるよな。
でもそういう理由を求めてる時点で君は俺に負けてるんだよ?
本当に嫌ならその時点で帰ればいいんだから。
それにしても丁寧語ってのがいいね。
やばい、早く押し倒したい、触りたい。
俺のボルテージはどんどん上がるけど、いきなりそれじゃ絶対無理だろ。
それに、不安なあなたのためにはちゃんとした理由だって考えてあるし・・・。
「う~ん。
だって、僕らみたいな趣味の話って中々大っぴらに出来ないじゃん?
それとも、僕と一緒じゃ嫌・・・かな?」
哀願するための顔ってのも練習しておいて良かったな。
本当は対お姉さまの特別兵器だったけど、男相手にも効くかも知れんし。
俺にそういわれると、この子は黙ってしまう。
いいねぇ、そういう初心なの大好き。
でも、ここはちゃんと間を入れてあげるからね、お兄さんが。
「んじゃ、僕、ジュース持って来るね。
メロンソーダでいいかな?」
あんまり緊張させると帰っちゃうかもしれないし、というわけで俺は席を立つ。
それと、こうやってどうでもいいことをしてあげることって凄く重要。
たかだかジュースを取ってきてくれたぐらいでも親近感はアップするし、どんな人でも親切な人には好感を持つものだから。
「はい。お待たせ。
んじゃ、もっと君の事知りたいな。
身長とかいくらぐらいなの?」
そんなわけで、二人の距離はぐっと接近。
あぁ、もうとりあずキスしたい。
物事には順番があるから一歩一歩マス目を埋めていくようにゲームを勧めていくしかないけど。
「え、あ、165です。」
165か。
俺としてはもっと高い子が好みなんで、今度靴でも買ってあげようかな。
上げ底にすれば170は行くだろうし、それで買い物とかいければ最高。
「って、距離、近く・・ない?」
マイハニーの眉間に皺がよっている、
ありゃりゃ、ちょっと困らせちゃったかな?
でも、ここで引き下がるほど、俺は甘くないよ。
それに距離感は段々慣れてくるものだから、今だけは我慢してね。
「あ?そう?
僕は身長175ぐらいかな。
調度10cmぐらいの差だね。
名前聞いていい?」
ま、向こうは人の話を聞いてないとか思うかもしれないけど、それも計算済み。
こちらは矢継ぎ早に質問して相手のペースを狂わせればいいの。
それで、ちょっとおかしくなったところで次のアクション。
いわば積み将棋とかと同じで全て計算ずく。
そう言えば、小学生までは囲碁とかやってたし、俺にはそういう悪魔的な素養があったのかもな。
「俺は、れ、れおな、ですけど・・・」
れおなか・・。
多分、玲於奈って言う漢字かな。
こいつの容姿にぴったりの名前だ。
親もきっと、あまりの可愛らしさにその名前を付けたんだろうな。
さっきの女じゃないけど、こいつだったら名前を言いながら余裕でフィニッシュできそう。
鬼畜だと思うけど、そろそろ次のアクションを起こすかな。
俺の我慢も限界に近いし、桃色の唇だって熟れ時だろうから・・。
ま、向こうも出会い系使って男にメールしてきた時点でそういう毛があるわけだし、文句も言えないだろう?
「そうなんだぁ、可愛い名前だね
僕は、ゆうきだよ。
よろしくね?」
そう言うと、俺は我慢できなくて彼の唇にキスをする。
彼の方は準備できていたのか、不意をつかれたのか、思ったよりも何の抵抗もなく、それに応えた。
ま、あくまで初めてのキスだし、ほんのり軽くさらっとした奴だから怒んないでしょ?
それでもプニプに感は堪能できたし、俺はかなり幸せになっている。
さてと、この子をどう料理しちゃおうかな?
あれ?脅えてるじゃん?
喜んで無いってのは結構な見込み違いだけど、女の子でまだまだ初心な子にはよくある話か。
やっぱり、コイツ童貞確定だな。
と、なると初めての男は俺ってことになるな。
あ、でもその場合、童貞だけど処女じゃないってことに・・。
「おっぉぉっぉっ」
俺がそんなことを考えていると、おかしな声を出して、玲於奈はカップルシートのパーティションにまで後ずさる。
ひょっとして嫌だったんだろうか?
いや、顔は真っ赤だし、恥ずかしがってるだけかな。
まぁ俺が出口を塞いでいる以上、彼はかごの中の鳥、絶対に逃げられないんだけどね。
ごめんね、鬼で。
でも俺ってそういう性格だからさ。
「・・・俺じゃ駄目かな?」
もう僕とか演技するのはめんどくさい。
散々我慢しすぎたせいで俺のそっちもパンパンだ。
俺は追い込むようして、玲於奈を抱え込むと、その細い首筋にキスをする。
男の癖にいい香りがして、それ以上するつもりは無かったのに、どうしても舌が動いてしまう。
慣れてるってのはこういう時に駄目なもんだな。
「ひゃ」
俺が首筋を舐め始めると、玲於奈は驚いたような声を出す。
いいね、それ。
てか、感じてる声じゃん、普通に。
彼の様子に俺の中の理性のタガが外れそうになって、舌がレロレロ動いてしまう。
しかしよく考えたら、こういうことを初めてされるのって怖いのかもしれないな。
ちゃんとこっちの気持ちも伝えとかないと。
「可愛いよね、俺、ちょっと本気になりそう」
そう、俺はあくまで本気だ。
しかも、多分、俺は本気で惚れてしまってそう。
俺の根性は初恋をするには汚れきってるけど、それは今まで相手がいなかっただけで、今回ばかりは結構本気。




