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5話

↓1話

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「ルカ、行くよ」

外からドアを押さえながらライカが僕を呼ぶ。

僕は急いで部屋を出る。

どうやらあの声は2人には聞こえていなかったみたいだ。

食糧庫までの道中、いつのまにかタマが僕の隣を歩いていた。

話しかけてくれていたようだけど僕の頭の中はさっきの声でいっぱいだった。

──声の事2人に言った方がいいのかな…。でも聞き間違いだったのかもしれないし、変な事言ってると笑われるかもしれない。

食糧庫に着く頃には僕は気のせいだったとひとまず心の整理をつけた。

ライカが食料を選んでいる間、タマは僕の隣から離れずに色々と教えてくれた。

缶詰めが多い事、ブロックの様な物はレーションという事、保存が効かないから持っていく事はできないけれどここではおやつも作っている事等々。

そして僕に小声で囁く。

「ワタクシ、皆様が何処を目指してどれくらいの食料が必要か知りません。ルカ君も何がどれだけ必要なのかはわかりませんよね?ええ、要するに今ワタクシ達は役立たずなのです。ここにいたってしょうがないのです。そうは思いませんか?」

タマの言う事は正しいと思った僕は頷いた。

するとタマは笑顔で僕の手を引き

「ここはライカさんに任せてレクリエーションルームへ行きましょう!遊ぶための広い部屋です。おやつも用意しましょう。楽しみですね」

と言って歩き出した。


タマは歩きながら何気ない雑談のように僕に質問をした。

「ところで、ルカ君は何の獣人なんですか?」

僕は少し困ったけど正直に答えた。

「獣人かどうかわからないんだ。クロエは純人類って言ってたけど」

「ええ!!分かっていましたとも!!ワタクシ鎌を掛けました」

タマの鼻息が荒くなる。

「ワタクシ、ボスなのでNeighborのアーカイブを通じて他より多くの知識を持っているのです。ルカ君はそこで見た純人類とそっくりです。それにキミが訪ねてきた時のいつもより永いNeighborの思考時間!!これはNeighborがルカ君を純人類だと認めているようなものなのです」

タマはニンマリと僕に笑いかける。

「よろしければ、ルカ君の事をワタクシに教えてくれませんか?そうすればワタクシもルカ君の疑問に答えましょう」

僕はとりあえず地上に出てからの事を話した。

「そうなるとルカ君は獣人を見たのはライカさんが初めてで、獣人そのものの事も全然知らないのですね」

タマの問いに僕は頷くと彼は獣人の成り立ちから教えてくれた。

タマによると、元々純人類は地上で生活していたけれど何らかの理由で地下へ潜らざるを得なくなった。

純人類はNeighborの管理の元、地下生活を送っていたが、地上へ出られなかったためセクター間での交流は出来ず時が経つにつれ純人類は数を減らしていった。

Neighborの主導で純人類は獣と混ぜ合わされ滅亡を免れた。

獣人はこうして生み出され、Neighborの管理下にあった純人類は全てが獣人になったとのことだった。

説明を終えたタマは最後に

「ルカ君はきっと純人類が地下へ潜った時にNeighborの管理から漏れた人達の子孫なんだと思いますよ」

と付け足した。

僕は漸くクロエが僕の事を貴重だと言っていた意味がわかったのだった。

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