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13話

↓1話

https://ncode.syosetu.com/n2867mv/1/

「ライカ!!ルカノ姿ガ水ノ中ニ消エマシタ」

クロエの声に私は周囲を見渡す。

確かにルカの姿がない。

「溺れた?どの辺?」

「アッチノ奥ノ方デス」

「引キズリ込マレタ様ニ見エマシタ」

クロエの指す方に目をやる。水面に小さな泡が上がってきているのが見えた。

「そこか」

向かおうとする私にクロエが叫ぶ。

「ライカ!!私ハ水ニハ入レマセン」

「わかってるよ」

ルカが溺れたと思われる地点まで泳ぐ。潜って目を細めて周りを見るもルカの姿はない。

──少し深くなってる。それでも完全に姿が消えるとは思えない。

顔を上げ一度呼吸を整え、もう一度潜り手探りで辺りを探す。

穴がある。人が入ってもまだ余裕がありそうな大きさだ。

少し中の様子を探る。トンネルのようになっていてどれだけの長さがあるのかは見当もつかない。

私は一度水面に浮上しクロエに声をかける。

「湖底に穴が空いてる。どれだけ長いのかはわからない」

「少々オ待チヲ」

そう言うや否や、クロエは荷物からナイフと革製の水筒を取り出し、水筒の中身をぶちまけ、私に向かって放り投げた。

「ありがと」

水筒を受け取ると空気を詰めて封をする。

精一杯息を吸い込むと私は湖底の穴に潜っていった。

耳には直前微かに聞こえた、クロエの

「気ヲツケテ」

という声が残っていた。


湖底のトンネルは緩やかに下がっていく。

水中では視界が滲む。トンネル内も暗くあまり遠くまでは見通せない。

それでも、このトンネルの大きさなら浮いた人を見逃すことはないだろう。

──急げ。ルカの息だっていつまで保つかわからない。

進み続けてもルカの姿は見えない。

息が続かない。

水筒を開け空気を吸う。まだあと2、3回分はありそうだ。

トンネルは下がりきってもまだ続いていた。

ルカが水流か何かで吸い込まれていたとしたら、ここまでのどこかにいたはずだ。

しかし、ここまでにルカの姿はなかった。

──やっぱり誰かに連れ去られた。

この短期間でタマ、エキノに続いて3回目だ。

──私のせいだ。

──私の怠慢だ。

──私の油断だ。

──私がしっかりしないといけないのに……。

息が苦しくなってきた。

水筒から酸素を補充する。

……今はこんなこと考えてる場合じゃない。

トンネルはいつの間にか上の方を向いている。

──出口は近い。

そんな予感を抱き、気を引き締める。

水面が見えてきた。

私はナイフを握り、水面から顔を出した。

そこにはルカと数人の人魚がいた。

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