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完璧な王子と最初の違和感

※精神的に追い詰められる描写があります。

苦手な方はご注意ください。

第一章 完璧な王子と、最初の違和感


 いつものように城を出た。

 淡い金の髪が、朝の光を受けて揺れる。

 透き通るような蒼の瞳が、まっすぐ前を見据えていた。

 整えられた制服に、乱れはない。

 誰が見ても王子と分かる姿。

 それが、当たり前だった。

 背後に気配を感じる。

 振り返らなくても分かる。

 カインだ。

 黒髪に、鋭い眼差し。

 無駄のない立ち姿は、常に一定の距離を保っている。

 変わらない日常。

 教室は静かだった。

 教師の声だけが、一定の調子で響いている。

 視線は前を向いたまま。

 内容はすべて頭に入っている。

 理解も、整理も、問題ない。

 周囲の生徒たちの気配。

 視線。

 それも、意識の端で捉えている。

 特別なことではない。

 いつも通りだった。

「さすがですね、殿下。」

 小さく、誰かが囁く。

 聞こえている。

 だが、反応はしない。

 必要がないからだ。

 評価は、結果に過ぎない。

 求めているものではない。

 授業が終わる。

 椅子を引く音が重なる。

 立ち上がる。

 その動作に、無駄はない。

「次の予定です。」

 背後から声がする。

 カイン。

 振り返らなくても分かる。

「あぁ。」

 短く応える。

 それだけで、十分だった。

 

 決められた時間に、決められた道を進む。

 疑う理由も、必要もなかった。

 城下へ出るのは、決まった日課のひとつだ。

 石畳の道を進むたび、規則正しい整えられた街並みが視界に入る。

 どこを見ても、乱れはない。

 それがこの国の在り方だった。

 人々の視線が集まる。

 すぐに逸らされ、深く頭が下げられる。

「おはようございます、殿下。」

 声をかけられることもある。

 そのたび、軽く頷いて応じる。

 それ以上は求められない。

 求めさせない。

 それが、正しい距離だった。

 子供の姿が目に入る。

 母親に手を引かれ、慌てて頭を下げる。

 その動きは、どこかぎこちない。

 まだ慣れていないのだろう。

 視線が一瞬だけ合う。

 すぐに逸らされた。

 それでいい。

 それが、この国の秩序だ。

 足を止めることはない。

 歩調は一定。

 乱れることはない。

 後ろを振り返ることもない。

 振り返らなくても分かる。

 カインは、そこにいる。

 隣を歩くカインも、何も言わない。

 ただ、一定の距離を保ったまま、静かに付き従う。

 距離は一定。

 決して前に出ない。

 だが。

 存在は、消えない。

 カイン。

 従者として付き従う存在。

 無駄のない体躯。

 鍛えられていることが一目で分かる。

 立ち姿に隙がない。

 視線は常に周囲へ向けられている。

 護るため。

 それが役目だからだ。

 整った顔立ち。

 だが、主とは違う。

 人を引き寄せる美ではない。

 寄せ付けない静けさ。

 鋭さ。

 それが印象として残る。

 だが。

 完全ではない。

 視線の動き。

 わずかな呼吸。

 それだけで分かる者には分かる。

 常に、周囲を警戒している。

 ただの従者ではない。

 戦える者だ。

 それが当たり前だった。

「本日の予定は。」

 隣から、低い声が落ちる。

「変わりはないか。」

「はい。学園の講義、その後は稽古。帰路にて寄り道の予定も、通常通りです。」

 淀みのない報告。

 無駄がない。

「そうか。」

 短く返す。

 それで十分だった。

 カインも、それ以上言わない。

 必要以上に踏み込まない。

 それが彼の在り方だった。

 視線を向けることはない。

 だが、確かにそこにいる。

 それだけでいい。

 それが、当たり前だった。

 学園帰り、決まって立ち寄る場所がある。

 小さな喫茶店。

 奥まった場所にある、静かな店だ。

 扉を押す。

 小さな音。

 店内は静かだった。

 外の喧騒が嘘のように、音が薄い。

 いつもの席に座る。

 いつもの位置。

 いつもの角度。

 視界に入るものすら、ほとんど変わらない。

 しばらくして、カップが置かれる。

 湯気が立ち上がる。

 香りが、鼻をかすめた。

 いつも通りのはずだった。

 カップに口をつける。

 一口。

 違う。

 ほんの、わずかに。

 苦みの奥に、引っかかるもの。

 言葉にするほどでもない。

 だが、確かに違う。

 温度か。

 香りか。

 それとも、味か。

 判断するほどの違和感ではない。

 それでも、引っかかる。

「……何か。」

 カインの声。

「いや。」

 すぐに否定する。

「問題ない。」

 そう答える。

 それで終わる。

 それ以上、追及はされない。

 されないはずだった。

「……。」

 だが。

 もう一口。

 やはり、何かが違う。

 それでも。

 それ以上は、分からない。

 カップを置く。

 考えないことにする。

 些細な違和感だ。

 気にするほどでもない。

 気のせいだと、処理した。

 数日後。

 同じ道を、同じ時間に歩く。

 足取りに迷いはない。

 変わらないはずの流れ。

 そのはずだった。

 店の扉を開ける。

 鈴の音が鳴る。

 前と同じ、静かな空間。 

 席に着く。

 違いはない。

 はずだった。

 カップが運ばれてくる。

 湯気。

 香り。

 見た目は、変わらない。

 一口。

 下に触れた瞬間、わずかに遅れる。

 味の認識が、ほんの一拍ずれる。

 その違和感。

 前より、はっきりしている。

 眉がわずかに動く。

「……殿下。」

 カインの声が低くなる。

「問題ない。」

 即答する。

 言葉が、少し早い。

 自分でも分かる。

 だが、それ以上は何も言わない。

 言う必要がない。

 そう判断した。

 カップを置く。

 指先に、わずかな震え。

 気づかないふりをした。

 城に戻る。

 予定通り、稽古場へ向かう。

 剣を取る。

 重さは変わらない。

 感触も、同じはずだ。

 構える。

 踏み込む。

 遅れる。

 ほんの一瞬。

 だが確実に、動きがすれる。

 剣先が、狙いから外れる。

 風を切る音だけが残る。

 もう一度。

 踏み込む。

 同じだ。

 遅れる。

 身体と意識が、噛み合わない。

「……もう一度。」

 声に出す。

 自分に言い聞かせるように。

 振る。 

 だが。

 思った位置に、届かない。

 違和感が積み重なる。

 小さなズレ。

 無視できるはずのもの。

 だが、消えない。

 「今日はここまでに。」

 声がかかる。

 誰のものか、一瞬分からない。

 視線を向ける。

 カインだ。

 無表情。

 だが、その奥にわずかな緊張がある。

「問題ない。」

 口にする。

 だが。

 その言葉に、確信はなかった。

 部屋に戻る。

 静寂。

 何も変わらない空間。

 そのはずだった。

 椅子に腰を下ろす。

 目を閉じる。

 呼吸を整える。

 何かがずれている。

 だが、それを言葉にすることはできない。

 できるはずもない。

 そんなはずないと、理解しているからだ。

 それでも。

 確かに、何かがおかしい。

 だが。

 まだ、引き返せる。

 そう思っていた。

 日常。

 店を出る。

 外の空気。

 変わらない景色。

 何もおかしくはない。

 そう、見える。

 歩き出す。

 一歩。

 わずかに、遅れる。

「……?」

 気のせいかと思う。

 もう一度。

 今度は、問題ない。

 首を振る。

 胸の奥に。

 小さな引っかかりが残る。

 消えないほどではない。

 だが。

 無視しきれないほどには、残る。

 振り返る。

 店の扉。

 何も変わらない。

 いつも通りのはずだった。

 それでも。

 理由の分からない違和感だけが、残る。

 その小さなズレが。

 すべての始まりだった。


第二章 崩れ始める日常


 違和感は消えなかった。

 朝。

 目を開けた瞬間から、わずかなズレが残っている。

 身体ではない。

 意識でもない。

 その中間。

 言葉にできない何かが、ずれている。

 起き上がる。

 床に足をつける。

 問題はない。

 歩く。

 だが。

 何かが、遅れてくる感覚がある。

 視線を上げる。

 鏡が目に入る。

 そこに映る自分。

 変わらないはずの姿。

 淡い金の髪。

 整えられた表情。

 透き通る蒼の瞳。

 違う。

 一瞬だけ、そう思った。

 何が違うのかは分からない。

 分かるはずもない。

 だが、その感覚だけが残る。

 視線を逸らす。

 考える必要はない。

 そう判断した。

 扉がノックされる。

「失礼します。」

 カインの声。

「入れ。」

 短く返す。

 扉が開く。

 いつも通りの距離。

 いつも通りの立ち位置。

 だが。

 ほんのわずかに、その距離が遠く感じた。

「体調に問題はありませんか。」

 問われる。

 間が空く。

 ほんの一瞬。

 それだけで、十分だった。

「問題ない。」

 答える。

 その言葉に、確信はない。

 それでも、そう言うしかなかった。

 カインは何も言わない。

 だが。

 見ている。

 見透かすように。

 その視線が、わずかに刺さる。

「……本日の予定は。」

 話を変える。

 それ以上触れさせないために。

「通常通りです。」

 短い返答。

 それ以上ない。

 そのはずだった。

 だが。

「……喫茶店には、行かれますか。」

 一瞬の間の後、カインが言う。

 わずかに視線が動く。

 その意味を考える前に、口が動いた。

「行く。」

 即答だった。

 理由はない。

 ただ、そうしなければならない気がした。

 その感覚の方が、不自然だった。


 教室の空気が、少しだけ遠かった。

 教師の声は聞こえている。

 内容も理解できる。

 だが。

 どこか現実感が薄い。

 まるで、一枚膜を隔てているような感覚。

 黒板に書かれる文字。

 視線で追う。

 読める。

 意味も分かる。

 それなのに。

 頭に入らない。

 数秒前に何を説明していたのか。

 思い出そうとして、わずかに時間がかかる。

 そんなことは、これまでなかった。

 指先を軽く握る。

 感覚はある。

 異常はない。

 それでも。

 何かがずれている。

「……殿下?」

 声がかかる。

 正面。

 教師がこちらを見ている。

 教室の視線が、一斉に集まる。

「今の説明、分かりますか。」

 問いかけ。

 いつもなら、即答できる。

 迷うことなどない。

 だが。

 一瞬だけ、間が空く。

 ほんの一瞬。

 それだけで。

 空気が変わる。

「……問題ありません。」

 答える。

 言葉は出る。

 問題はない。

 それでいい。

 教師はわずかに頷く。

 納得したように見える。

 だが。

 完全ではない。

 その違和感だけが、残る。

 視線を前に戻す。

 授業は続いている。

 だが。

 音が少し遠い。

 周囲のざわめきも、ぼやけている。

 隣の生徒がノートをめくる音。

 それすら、遅れて聞こえる気がする。

 息を吐く。

 浅い。

 自覚はある。

 だが。

 理由は分からない。

 不調とも違う。

 痛みもない。

 ただ。

 ずれている。

 それだけだった。

 授業終了の鐘が鳴る。

 音が、やけに大きく響く。

 周囲が動き出す。

 椅子の音。

 話し声。

 すべてが一斉に押し寄せる。

 一瞬だけ。

 強い不快感が走る。

 眉がわずかに動く。

 だが。

 すぐに抑える。

 問題ない。

 そう判断する。

「次の予定です。」

 背後から声。

 カイン。

 その声だけは、はっきり聞こえる。

「あぁ。」

 短く返す。

 立ち上がる。

 動作に問題はない。

 普段通り。

 そのはずなのに。

 床の感触が、わずかに遠い。

 歩く。

 一歩。

 二歩。

 問題ない。

 それでも。

 どこか現実感が薄い。

 廊下に出る。

 光が差し込む。

 その眩しさが、少しだけ強く感じる。

 目を細める。

「……お疲れですか。」

 カインの声。

 すぐ隣。

 距離はいつもと同じ。

「問題ない。」

 即答する。

 それ以外の答えはない。

 視線が止まる。

 ほんの一瞬。

 だが、見逃さない。

 カインは観察している。

 いつも通りに見える動き。

 だが、わずかに違う。

 反応が遅い。

 判断が、鈍い。

 誤差と呼ぶには小さい。

 だが。

 殿下においては異常だった。

 言葉にするべきか。

 一瞬だけ迷う。

 だが。

 踏み込まない。

 それが役目ではないからだ。

 ただ、記憶する。

 違和感として。

 確実に。

 視線が残る。

 観察している。

 確かめている。

 それが分かる。

 わずかに、不快だった。

 理由はない。

 ただ。

 放っておいてほしいと、思った。

 その感情に、違和感を覚える。

 これまで、そんなことは思わなかった。

 だが。

 すぐに、どうでもよくなる。

 考える必要はない。

 そう思った。

 その時点で、すでにおかしかった。

 城下へ向かう。

 昨日と同じ道。

 同じ景色。

 同じ人々。

 だが。

 すべてが、ほんのわずかにずれて見える。

 輪郭が、合わない。

 音が、遅れる。 

 現実と、自分の認識が噛み合わない。

 それでも歩く。

 止まる理由がない。

 店の前に立つ。

 扉に手をかける。

 その瞬間。

 微かな匂いがした。

 コーヒーではない。

 もっと甘い。

 どこか、懐かしいような匂い。

 だが。

 思い出せない。

 思い出す必要もない。

 扉を開ける。

 鈴の音。

 席に着く。

 いつも通り。

 変わらない。

 はずだった。

 カップが置かれる。

 香りが立つ。

 その奥に、別の何かが混じる。

 一口。

 飲む。

 はっきりと、違う。

 前よりも、明確に。

 だが。

 身体は拒否しない。

 むしろ。

 受け入れている。

 その事実が、一番おかしかった。

「……殿下。」

 カインの声。

 低い。

 警戒している。

「問題ない。」

 繰り返す。

 その言葉は、もはや自分のためのものだった。

 カップを持つ手が止まらない。

 もう一口。

 さらに一口。

 飲み干す。

 違和感は、消えない。

 だが。

 満たされる感覚だけが残る。

 それが、何よりも異常だった。

 店を出る。

 外の空気。

 冷たいはずの風が、少しだけ遠い。

「……お控えください。」

 カインが言う。

 珍しく、強い声音。

「何を。」

「……あの店です。」

 足が止まる。

 振り返る。

 カインを見る。

 黒い瞳が、真っ直ぐにこちらを見ている。

 逸らさない。

 初めてだった。

「問題ない。」

 繰り返す。

 だが。

 その言葉は、もう意味を持たない。

 分かっているはずなのに。

 それでも。

 口にするしかなかった。

 カインは何も言わない。

 だが。

 その沈黙が、すべてを語っていた。

 違和感は消えなかった。

 むしろ。

 はっきりと形を持ち始めている。


 教室にいる。

 それは分かる。

 教師が話している。

 それも理解できる。

 だが。

 内容が、繋がらない。

 言葉が、断片のまま流れていく。

 意味を持たないまま、消える。

 ノートを開く。

 ペンを持つ。

 書こうとする。

 だが。

 手が止まる。

 何を書けばいいのか、分からない。

 視線を黒板へ向ける。

 文字は見える。

 読める。

 だが。

 理解ができない。

 そんなことが、あり得るはずがない。

「……殿下。」

 声がする。

 近い。

 だが、少し遅れて届く。

 顔を上げる。

 教師がこちらを見ている。

 教室の中の視線が集まる。

 その圧だけは、はっきり感じる。

「先程の説明、復唱していただけますか。」

 問いかけ。

 いつもなら、問題ない。

 簡単なことだ。

 だが。

 何も出てこない。

 頭の中が、空白になる。

 言葉が浮かばない。

 ほんの数秒。

 沈黙が落ちる。

 それだけで。

 空気が変わる。

「……申し訳ありません。」

 口にする。

 自然に出た言葉。

 だが。

 その内容は、初めてだった。

 教室がざわつく。

 小さな声。

 抑えた気配。

 それが一斉に広がる。

 教師は言葉を失う。

 ほんの一瞬。

 それから、すぐに取り繕う。

「いえ……体調が優れないのでしたら。」

「問題ありません。」

 遮る。

 強く。

 即座に。

 それだけは、はっきり言えた。

 それ以外は、曖昧なのに。

 それだけは、確信を持って言える。

 それが、逆におかしかった。

 教師はそれ以上何も言わない。

 言えない。

 授業を再開する。

 だが。

 もう、何も入ってこない。

 時間だけが過ぎていく。

 意味のない時間。

 それが続く。

 鐘が鳴る。

 終わりを告げる音。

 立ち上がる。

 動作が、わずかに遅れる。

 周囲の動きに、ついていけない。

 それでも。

 問題ないと、思う。

「……殿下。」

 低い声。

 振り返る。

 カイン。

 すぐ後ろにいる。

 視線が鋭い。

 明らかに、いつもと違う。

「先程の件ですが。」

「問題ない。」

 重ねる。

 考える前に。

 言葉が出る。

 それで終わらせる。

 それが正しい。

 そう思っている。

 カインは動かない。

 じっと見ている。

 逃がさないように。

 確かめるように。

 その視線が、わずかに重い。

 不快だと感じる。

 理由はない。

 だが。

 そう感じる。

「……本当に、そう思われますか。」

 低く、問う。

 その声には、明確な意思がある。

 ただの確認ではない。

 踏み込んでいる。

 それが分かる。

「思う。」

 即答する。

 迷いはない。

 それが正しいからだ。

 沈黙が落ちる。

 空気が張り詰める。

 周囲の生徒たちが、距離を取る気配。

 それすら感じる。

 どうでもいい。

 関係ない。

「……失礼します。」

 カインが言う。

 だが。

 その場を離れない。

 離れないように見える。

 それが、わずかに苛立つ。

「下がれ。」

 口にする。

 冷たく。

 はっきりと。

 命令として。

 カインの目が、わずかに揺れる。

 だが。

 すぐに戻る。

「……承知しました。」

 一歩下がる。

 形式として。

 だが。

 視線は外さない。

 監視している。

 それが分かる。

 そのことが。

 はっきりと、不快だった。

 視線を外す。

 歩き出す。

 廊下へ出る。

 光が差し込む。

 眩しい。

 強く。

 目を細める。

 その瞬間。

 ふと、思う。

 ここは本当に現実か。 

 その考えが浮かぶ。

 だが。

 すぐに消える。

 考える必要はない。

 そう思った。

 その思考の消え方こそが。

 何よりも、異常だった。


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